先日、米国ラスベガスで開催されたInternational CESでは、ジョブズ以外の超有名IT企業CEOによる基調講演がてんこ盛りだった。日本のITサイトによる講演内容レポートを一通り読んでみたんだけど、企業毎にそれぞれ個性があって、内容に実があるものもあれば、どうでもいいようなこともあってとても面白かった。面白い中で一番刺激的だったのは、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのGoogle、その創業者の一人ラリー・ペイジ氏がMIT Media Labの100ドルPCの夢について語ったものだったなあ‥。まあ、天の邪鬼な態度で見ればアメリカン・プラットフォーム拡大の野望とも取れて、夢というほどハッピーなものじゃないかもしれないけれど、それでもこのビジョンは、アップル含め多くのPCメーカーが家電へすり寄っていく流れとまったく異にしたアプローチで、ビジネスモデルというかマーケティングの観点からも個人的にとても興味深いものだった。当然企業としては収益が増大することが第一目的なわけで、手段が家電へ傾倒していくことは至極真っ当なことなんだろうけど、最近の傾向はパソコンの立場にしてみれば夢を絶たれたような気がして可哀想に思えてならないんだよね。単に僕が、たかがパソコンなんぞに夢を見すぎているんだろうか。でもそういう「夢」の部分で見れば、ラリー・ペイジの講演はビル・ゲイツが講演で語ったビジョンより、もっと豊かな夢を語っていたような気がする。
というのも世界の1億人の子供にPCを配布(販売でもいいけど)するのは、どう考えても非常に困難な課題だからだ。こいう家電が登場すれば生活が便利になるよ、というのも確かに夢だけど、そういう類の夢はそれが現実になって自分が手にするまで人を内面的に貧困にさせてしまう。対してそこへ到達することが非常に困難な夢というのは、そこに向かう過程で人の心を豊かにする(たとえ苦しみを伴ったとしてもそれさえ楽しいかもしれない)。まあ、今回の発表は"ウワサ"に対するサービス的要素が多いとは思うけれど、Googleの余裕を見せつけたと思う。
ちょっと脱線するけれど、豊かさは世界全体の生活レベルが向上してさらによりよいものになる。デジタルデバイドによる格差の存在は周り巡って僕らにも必ず悪影響を及ぼすことになる。強いものがより強く、弱いものは放っておいていいという単純な発想では、必ず世界経済は立ちゆかなくなる。例えば、二酸化炭素増加を食い止めて温暖化を阻止しようなんて、他国の好きにさせておけばいいと考えたアメリカが、温暖化の影響と考えられるハリケーンの直撃を真っ先に受けてしまったというような。いや、これは多くの被災者を出したので例えが悪かった‥。じゃあこう書いてみる。石油もまだまだ余裕があるし、何で環境問題なんて心配しながらハイブリッド自動車の開発に膨大な資金を投入する意味があるんだ、と考えたアメリカ自動車産業の今の凋落ぶり(→10数年以上前から開発努力を重ねたトヨタ一人勝ち状態)、‥みたいな。

