連載第8回
2005年6月6日
WWDCの中心でジョブズは何を叫ぶ?

 はい、今年もやってまいりましたWWDC。果たして今回はどんな発表が待っているんでしょうか。フリフリ大胆予測。ちなみに僕はセカチュウとかいう映画を観てはいません。

 今、これを書いているのは6月6日の深夜。ちょうど24時間後にアップルWWDC2005にてジョブズの基調講演が始まるのだが、一体今回はどんな内容になるのか?まあWWDCっていうのはいわば開発者に対して将来のビジョンをアップルと共有するのが趣旨なんであって、新製品発表はオマケ要素に過ぎないんだから、PowerBookやiBook やiPod 、果てはMac mini がどうなろうが個人的にはさほど驚かない(たぶん僅かばかりの性能アップに留まるだろうから)。それよりもまずは発売されたばかりのMacOSX 10.4が、今後どのような機能を拡張し次のメジャーアップグレードに繋がっていくのか。そういう近い未来への展望を是非聞かせてもらいたい。具体的にはそうだなあ、QuickTime7を活用したビジネスモデルの提示とか。まだTiger買ってないけど‥。

 とはいうものの数少ないアップル主催イベント前なのだから、とてつもなく突拍子のない妄想に耽るのも熱いMacユーザーの楽しみである。妄想するからにはセコい予想などせず、思いっきり大妄想しようじゃないか。

新チップ採用するならアレでしょ、アレ

 さて。昨日から「アップルがIntelチップ採用」というネタがネットを賑わせている。このWWDCにおいて、世界の優秀なソフトウェア開発者をMacOSXの方へ向かせ奮い立たせるためには、僕らエンドユーザーが新型マシンに沸き立つのと同じように、彼らにとって刺激ある発表をぶちかますことが一番のカンフル剤となる。そんな場でジョブズが声高らかに「マックにもインテルハイッテル!」と叫んだところでプログラマーの一体誰が奮い立つのだろうか?OS9からMacOSX に移行するにあたり、一生懸命コードを書き直した苦労を再び味合わなければならないのか‥、となると会場はもしかしたら溜息で覆われてしまうかもしれない。

 確かに「1年後に3GHz到達」の公約を不履行にさせ、未だこれといった成果をあげられないでいるIBMにジョブズが業を煮やしたという背景も分かる。コスト的に有利だという大人の判断も理解できる。

 だがやっぱり開発には苦労しなけりゃいけない。同じ苦労をするならもっと新鮮で、他の誰もやってないことにチャレンジしたい、と思うだろう。そこでジョブズはこう叫ぶ。

「来年、MacはCellプロセッサへ移行シマ~ス!」

 おおお。全く海のものとも 山のものともつかない展開に、有能なプログラマ達は何の根拠ないまま熱狂の渦を巻き起こすだろう。果たしてCellプロセッサはMacに使えるのか?ところが事実、Cellプロセッサを用いたワークステーションの開発をソニーは計画していると発表したし、ならば当然アップルの有能な開発者たちに出来ないことはないだろう。それにCellならインテルともコスト面で張り合えるし(だからマックの全ラインナップをCellで統一できる)、性能面でも近いうちに4GHzを越えてくる。また先月行われたE3においてXbox360のゲームがPowerMacG5で動かされていたように、次世代ゲームプラットフォームの開発環境をマック上で展開する可能性も出てくる。これは広範囲にMacintoshのインストールベースを増やすことを意味する。そしてさらに驚きの展開が用意されているとフリフリは予測する。「機能限定版MacOSXライトをPlayStation3へライセンス供与、もちろんiLife’06のオマケ付き」という業界仰天のビッグサプライズだ!メディアセンターを目論んで投入したPSXが大コケした原因でもある使い勝手の悪さは、MacOSX とiLife’06の組み合わせで十分フォローできる。

 どうですか。面白かったですか。妄想というのはここまでやらなきゃ(自分で書いていて楽しかったよ)。でもあながちハッタリじゃないと考えているところもあるんだけど‥。まあタイミング的にこの展開は今年じゃなくて来年のものだろうから、個人的には今回は大した発表はないのではないかと思っている。注目のプロセッサについては、ようやく開発できた3GHz超のデュアルコア版G5で場をつなぐのではないだろうか。

 ジョブズの必殺技「現実湾曲空間」は、来年PS3が予定通りに発売された後、WWDC2006で炸裂すると見た(なんか内容的に、放談ラジオなノリになってしもた)。