連載第9回
2005年6月7日
WWDCの中心でジョブズは叫んだ

 仕事疲れでヘトヘトだったフリフリは、深夜帰宅後即爆睡。朝目覚めた後、ネットにてWWDC発表の詳細を知ったのでした‥ええええ。

 う~んジョブズ、人生を楽しんでるな。今回も出し惜しみせず、得意の現実湾曲空間をこれでもかっ!というくらい繰り出しているではないか。思えばこれでジョブズがアップルを追い出された後に決定された方針の名残は、ほとんど消し去ってしまったわけだ。こっちはいよいよ分からなくなってきた。この結果来年僕らの目の前に登場するマシンは、果たして僕らが愛してきた「Macintosh」なのだろうか?ジャクソン5時代のマイケルと今のマイケルは同じマイケル・ジャクソンなのか?

 いや。とりあえず完全移行が完了するという2007年末に、どんな情勢になっているのかこの目で見てみたいので、もうしばらく生きていることにしよう。これでハードの性能・価格面において云々する必要がなくなるとすると、完全にOSの使い心地がユーザーの選択判断の基準になるわけで‥。同じCPUを使ったマシンで、パフォーマンスの比較が出来ちゃうわけだ。

 現時点でMacOSX 版とWin版の両プラットフォームに対応するアプリを提供しているベンダーは、どちらに注力していくことになるんだろうか?僕はこれが非常に気になる。

 例えば、「デジカメから8MBのRAWデータをコピーし、その画像をPhotoshopで開き、必要な加工を施した後にJpegで別名保存し、さらにGoLiveでWebレイアウトしてサーバにアップロードする」という仕事があったとする。この作業をこなすのにユーザーは、Wintelマシンで、Win版Photoshopを使い仕事をするのか、または、Intelの入ったMacで、MacOSX版Photoshopを使って作業するのか?という二者択一の状況が生まれる。そして当然気になるのは、後者だとしたらその割合は何%なのか、そして最終的に、それはビジネスとして成立するのか?ということだ。

 同じ頃に登場するMSの次期OS「ロングのほホ~ン」の出来映えによっては、かなりリスキーな賭けに出たと思う。MSの開発スタッフは決して、バカではないよ。今回のアップルの方向転換に一番刺激されたのは彼らかもしれない。

 その時が来るとき、まず最低限アップルが用意しておかなければならないのは、Winユーザーも苦情を言わない出来映えの「2ボタンスクロール付きマウス(あるいは機能的同等品)」だろうな。その次に、「同じクロック周波数なら、MacOSX版Photoshopの方が軽快に動く」と言えるレベルまでチューニングを施しておくことだと思う。

 どっちに転ぶか?いよいよ楽しみになってきた‥か?