連載第7回
2012年4月21日
新型MacBook Proは旧Mac Proを置き換えられるか?

 さて、短期集中企画として始まったこの『フリフリのThunderbolt大作戦』、その最終目的は何処にあるのかと言えば、前回も書いた通り「Thunderboltケーブルで既存のレガシーなケーブルを置き換えることにより、床をスッキリさせてルンバが床掃除する時に困らないようにする」です(ルンバ、持ってないけどな)。しかしThunderboltの能力を活かして、もしメイン作業をMacBook Proで行えることが可能であるのなら、これを機に乗り換えてみたい、と考えるようになりました。だいたいプロのミュージシャンでも今は多くの人がMacBook Proで制作を行っているようですし、今はCPUの性能もどんどん向上してもはやMac Proの存在意義さえ揺るがしかねない勢いです。しかしホントにストレスなく移行できるものなのでしょうか?

 仮に置き換えられるとしたら、これまでの人生、あらゆるものにカタチから入ってきた僕は今回もまた「古家具にMacBook Air」から「古家具にMacBook Pro」に更新すれば、さらに集中力が増して作業効率がアップするんではないだろうか…と思い始めました。賃貸アパートとは言え、この佇まいはどことなく「やる気」を起こさせてくれるものがあります。というのも、多くの人が言うように「カフェとか喫茶店だと、どういうわけか仕事に集中できる」という不思議効果を僕も認めているわけで、もちろんすぐ隣に大声で友人と会話に興じている人が居ると集中力はスポイルされるのですが、お客さんがみな独りで来ていて静かに読書とかしてる状況だとすこぶる作業がはかどるのです。あれは何なのでしょうね?

拡張性を引き継げるか?

 今、自宅でメインマシンとして活躍しているMac Proはもう4年前の製品とは言え、Proと名が付けられているデスクトップマシンだけあって拡張性がとても高く重宝しています。4つあるドライブベイは「起動用」「音楽作業用」「サンプル音源素材ストック用」「映像系作業用&その他」とそれぞれに役割が振られていて、それぞれにストレスなく高速にアクセスできますし、さらに4つあるPCIeスロットにはビデオカード以外にUAD-1eとUAD-2が刺さっていて音楽制作を大いに助けてくれています。こういう融通が利くメリットを高く買っていたワケですが、これから増えていくであろうThunderbolt対応製品によって、Mac Proの謳う拡張性が下位モデルでも実現されていくことになりそう。Mac Proの性能に完全に肩を並べるわけではないけれど、現行Mac miniでさえ外部HDを従来とは比較にならない高速スピードでドライブすることが出来るようですから、MacBook Proでも快適でしょう。例えば外部ストレージだとWDから「My Book Thunderbolt Duo」が2ドライブで比較的安価(2個のHDを内蔵)に発売されています(レビュー記事はこちら参照)。ではPCIeスロットはどうするのかと言えば、いくつかのメーカーが既に試作品を作っていて、例えば近日SONNETから「Echo™ Express PCIe 2.0 拡張筐体」という製品がリリース予定だそうです。しかし「拡張筐体」って直球な日本語訳どうにかならんか、アニメ?

 さらに、Thunderboltによって拡張機能を外部委託すれば、常に電力を消費し続けることもなく、必要な時にだけ電源を入れれば良いのですから、今夏懸念されている電力供給問題にも微力ながら貢献できそうです。

どうなる?新型MacBook Pro

 そろそろ登場しそうだと噂される新型MacBook Pro。大方の予想通り、おそらく光学ドライブを廃し、従来よりさらに薄くなった筐体でリニューアルされると思われます。ディスプレイはまだRetinaになるのは時期尚早かもしれません。しかし個人的に期待しているのは、拡張ドライブベイが起動ディスクとは別に「2つ」あったらなあ…と。昨年購入したMacBook Airは256GBのSSDが搭載されているのですが、起動ディスクは128GBもあれば十分です。しかし起動ディスクをそのまま作業ディスクも兼ねるのはちょっと怖いものがあるし、サンプル音源をストックしておくには逆に全く容量が足りない…。可能であれば光学ドライブを撤去して空いたスペースを利用してなんとか、ユーザーが後々必要が生じた時、簡単にSSDを追加出来る場所を2つ確保して欲しい。そうすれば、標準搭載の起動ディスクの他に「作業用ディスク」と「サンプル音源素材用ディスク」も自由に好きな場所へモバイルすることが出来ます。まさに理想の作業マシンです。

 果たして新型MacBook Pro、どういう仕様で登場するかとても楽しみです。もちろん、こんなに思わせぶりに書いておきながら、意表を突いて新型Mac Proが飛び出せば、これまでの話が無かったように、そっちへなびいてしまう可能性も有り得るのですけどね。