連載第61回
2014年1月25日
Macintosh 誕生30周年「Thirty Years of Mac」がステキ

 今から30年前の1984年1月24日にMacintoshが登場したということで、Appleのサイトに30周年記念の特設ページが公開されました。
 今ではすっかりiPhoneやiPadの会社、というイメージが一般的になりつつあるAppleではあるけれども、ここでちゃんとMacを押さえて前面にアピールしてきたのは個人的にやはり嬉しかったりします。早速ページ内をアチコチ見て回ったのですが、歴代のMacintoshが時系列に並び、さらに「クリエイティブな仕事」を通じMacと深く関わりあってきた方々のコメントも交え、ちょっと動作はもっさりしているが非常に見応えのある作り。完全網羅ではないものの、初代Macintosh から80年代90年代00年代を経て現在の全く新しいMac Proに至るまで、ジョブズが居た頃のMacも居なかった頃のMacも分け隔てなく非常に美しい画像で一覧出来るのもステキで、「そう言えばこのMacも知ってるし、コレも使った事がある」と懐かしい記憶が鮮やかに蘇り、思わず感動してしまいました。

「Thirty Years of Mac」

 たかがコンピューターに「感動」してしまうのも可笑しい話だけれど、どの分野であれ道具に過剰な思い入れをしてしまうのが世の男の常というか、自分の手足を拡張するような振る舞いを見せる優れたツール(車や絵筆や工具とか、その他諸々)に僕らは夢中になってしまうものなのです。いや、女性でも同じですよね。

僕のファースト・マック

 ところで「ちょいとあんたのファースト・マックを教えてよ」なんていう、Appleにしては珍しいアプローチのアンケートを行っていたので、僕も参加してみようかなと思ったのですが…。

SE/30が見当たりません。

 SE/30が発売されていたのはちょうどこの辺り…とその場所を辿ってみると、Macintosh IIxの両脇にMacintosh SEが。おそらく右側がSE/30であるべきと思うのだけれど、30周年なのに30を忘れてしまったのか、それともSEとSE/30をまとめてSEシリーズにするところをミスしてダブらせてしまったのか。この記事を書いている時点でまだ修正されていないようなのですが、今後の動向に注目です。

 そのアンケート結果を元にした動的インフォグラフィックも楽しい。Macintoshをどんな用途に使っていたのかそのジャンル&比率を視覚化しているのですが、僕は音楽ツールとして認識していたMacintoshも「Music」が全く出てこないのが不思議。インターネットは1989年から現れます。意外だったのは当時から「教育」の占める割合が非常に高かった事。

シンプル過ぎるだろうソレは

 この30周年記念ページを閲覧していて気付くのは、各機種の紹介ページで使われているMacのアイコン。それはフォントとして作成されているようで、そのフォントセットをダウンロードして自分のマックにインストールすることが出来るようです。

mac-icon-standard.ttf
mac-icon-simple.ttf

 ダウンロードしたttfファイルをダブルクリックして開いたウィンドウのインストールボタンを押すと、新しいフォントとして追加されます。Font Bookからコピペなどして使用出来ます。

 しかし、この記念ページのアイコンに注目した人はみな気になったハズ。あのマシンのアイコンに。iOS 7に合わせた細い線で描かれているシンプルなアイコン達は見事にそれぞれの機種の特徴を捉えているのだけれど、あの最新最速最強マシンのアイコンはどう表現しているのか。

シンプル過ぎやしないかコレは。

 全く新しいMac Proは、確かに、こう描くしかないような気はするが(真上から見た円形でも良かったような気もする)、しかし、これが新しいMac Proだと認識出来るのは他のMacアイコンと並んでいる時に限られるのではなかろうか。つまり抽象度が高すぎるというか、汎用の大海に沈んでいるというか…。じーーーっと眺めていると、ジワジワと笑いがこみあげて来てしまって仕方がないのだけれど、たぶん、誰も見ていない所で密かに一番大笑いしたのはこれを描いたデザイナーさんじゃなかろうか。「他にどうしろと言うんだ!」。

’Mac’という略称が一般的になりましたが、個人的には’Macintosh’と呼ぶのが大好きな古い人間です。