連載第114回
2016年10月23日
なんなら来週の話でもしよう

 前回、来年のハナシをしたあとでAppleからスペシャル・イベントの告知がありました。ここ数年、大きな変更もないまま地味にアップデートを続けてきたMacファミリーの、その中でも売れ筋であるMacBook系の新型発表になるとの大方の予想ですが、確かにタイミング的にはそんな気もします。ただ個人的には、前回にも触れたように「必ずしもPCが全ての人々に必要なわけではない」と世間一般が気付いてしまったこの時代にどのような提案をしてくるのか、その一点が気になります。

 だからもう「ファンクションキーの代わりにタッチパネルを置きました」とか「Touch ID指紋認証をサポートします」とか「さらに薄くしました」とか、割りとどうでもいい。それくらいのものが「hello again」というApple好き、中でも昔からのMac好きには分かる、かなり凄みの効いたキャッチに値するかと言えば、全然そんな気がしません。

新機軸は出るのか

 繰り返しになるけれど、最早MacやPCなんて今のチューインガムのように、一部の物好きしか買わないモノになりつつあります。一体誰が、将来チューインガムが全然売れなくなるなんて予想したでしょうか。そこに「hello again」とは「Appleも大きく出たな!」と思いました。
 とすると、古くからのMacファンとしては何に期待すればよいのか。凡人なりに予想にもならない願望を並べ立ててみます。

1.新機軸:MacBook系はもちろん、Macですらない何か。
2.低価格ARM Mac:これからは新興国でMacやPCが売れる、というのも怪しくなって、技術が成熟してからの新興であるが故にスマホやタブレットで十分事足りてしまう時代。その要因の一つに導入コストがあるのなら、価格で攻めてみようではないかという方向。
3.思いっきりプロ指向に振り切る:実は今、AppleはiPad Proのことをさりげなく「コンピュータ(汎用機)」と呼んでいます。将来的にMacBook系を置き換えるという目論見を持っているのなら、コンシューマーが今後手にすべきはちょっと高性能なタブレットとしてのiPad Pro、もう年賀状をプリントアウトするのにパソコンを買う必要はありません。ならば今後Macが向く方向は思いっきりプロシューマーであるハズ。その一歩としてまず、ラインアップからMac miniが消滅です。個人的には「hello again」を言うなら、ただちにiMacを置き換えるモノが出てきても良いと思っています。

 …と書いてみた。1番目の新機軸はとても期待するけど難しいかも。2番目はとても面白いし、業界に衝撃を与えるだろうけど僕には必要ないし。3番目は自分に買える値段かどうかはさておき、最も現実的というか、パソコンはいずれそうなるのではないかと思うのよね。

 で、もう少し現実味のある範囲で楽しいことを考えてみました。

A.ブラック・カラーにチェンジ:スノーホワイト、スケルトンを経てこれまでの屈強なシルバーカラーから、さらに力強いへ。告知のイメージ画像を見れば、これは普通に導けるかと。赤いのは来ない。
B.「Macintosh」の復活:僕の中ではコレが今回の本命。コンシューマーの方を向いた略称を捨て、ついにMacintoshという本来冠すべき名の復活。高級・高価格路線に舵を切るなら、安っぽいMacという略称は止めてしまう方が良い。「名前変えた(戻した)だけかよ」というツッコミは無し。

 Macintosh、来て欲しい。Macintosh Quadra700とか、音の響きだけでもカッコ良かった。今後名付けるとしたら例えば、ディアブロとか、レヴェントン、ガヤルド、セスト・エレメント、ヴェネーノ、ウラカン、アヴェンタドール…とかどうでしょうね?

 実は懐古趣味が来ています。