連載第19回
2012年4月28日
Godot(ゴドー):合作2のその5「ギターリフ重ねる」

 タイトルの「ゴドー」について語ると前回予告して終わったのですが、長くなるのでそれは後回しにすることにして、とりあえず何か作り始めた時は何でもいいから仮タイトルを付ける、つまり絵でも小説でもいいのですが、とにかく名前を与えてやるとそれが自然と動き出すような気がします。自分以外の人とやり取りする際にも便利ですし、まあ当然だけれど、そもそも名前を付けないとデータをコンピューターに保存出来ない、という理由もあります。


Godot ― piano texture ―
Godot ― DEMO / SAMPLES ―
flfl.me

 さて、そのゴドーですがAパートは何というか、舞台はもっと北緯にある感じとでもいいましょうか、そういうイメージを持っているので、そんな雰囲気を醸す音をピアノで作ってみました。素材は「その2」で紹介したピアノパートそのまま使い、聴けば分かりますけどSoundToys Crystallizerで変調して、さらにもう1つ別のプラグで広げてます。いい感じ!

Aパートでも例のリフを使う


Godot ― GTR rif ―
Godot ― DEMO / SAMPLES ―
flfl.me

 実はこのAパート、これも@fuzz244さんが最初に送ってきたギターリフ素材をバックにループさせながら作ったので、当然それを重ねるのですが、改めてちゃんとループを作るにあたり、ガリガリ編集しました。


Godot ― GTR rif 2 ―
Godot ― DEMO / SAMPLES ―
flfl.me

 さらにそこへプラグを3つばかり通してみたのがこれ。リフ頭の「チャカ!」という部分を強調したかったので、Teletronix® LA-2Aでリミッティングしたり、Decapitatorで暴れさせて調整、さらに少しリバーブを足してみました。でもこれらは仮なので、最終的にどうなるか分かりません。リバーブはやっぱり外すかも。

ところで「ゴドー」とは

 ところで「ゴドー」の由来なのですが、当たり前のようにベケット著『ゴドーを待ちながら』のゴドーです。しかし由来はそうでも根拠はまるで無くて、とりあえず@fuzz244さんとデータをやり取りするにあたり、何か名前を付けなきゃという時にたまたま思い付いたのがこの「ゴドーを待ちながら」という本だったのです。しかしそのままの書名を使うのはアレですし、二人の男がゴドーをずっと待ち続ける…という本の内容も曲に合わないような気がする。というのも、この曲はAパートこそ脱力系でほんわかしていますが、後半そこそこに荒れるのです。そんなわけで若干改変して「ゴドーを待ちすぎた」というのはどうかと提案してみました。二人のホームレスが道端でゴドーをずっと待ち続けていたら、やがて空から大魔王が降臨、ホントは救済者・ゴドーが相手しなければならないのにいつまで待っても来ないから、代わりに二人が大魔王と戦う羽目になる(ハリウッド的SFX満載のバトルシーンをイメージしてください)…という作り話です。まさに曲の印象にピッタリのストーリーではないか。そんなわけでしばらく「ゴドーを待ちすぎた」というタイトルでやり取りしていたのですが、当然のようにやがてそれも長くて面倒になり「ゴドー」に収まってしまった…という次第。分かりやすい展開です。

 そんなゴドー、仮Bパートを合わせたラフを@fuzz244さんに送ってみたら、さらに色々ギターパートを重ねてきてくれました。それをさらにこちらでエディットしてラフにミックスしてみたのがコレです。(↓)。前回採用したテルミン風の音の上に重なるギターが泣けます…イイっすね!


Godot ― Aパートその5 ―
Godot ― DEMO / SAMPLES ―
flfl.me

 個人的に前回差し替えたチューバは失敗だったな…と反省してるのですが、それは追々対処するとしてAパートは大体こんな感じで置いて、先へ進みましょう。え?ベースが無いって?気にするなそんな事。つづく。