連載第104回
2017年8月15日
P-S#424:パート毎の部分修正作業その1
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 前回でメモしておいた、曲全体の通し試聴を繰り返して洗い出した幾つもの改善点をチマチマと潰していく作業を始める。まずは「無限音階」のバックで滴り落ちている水滴の音のトリミングと再配置。音数をかなり間引いたが、予想外に時間がかかりほぼ半日かけた作業になった。いわば、音のハンドピッキング(珈琲の焙煎前に粗悪な豆を取り除く作業)という感じだった。

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 続けて「オーケストラパート」のブラッシュアップ。前回でメモの通り、「GATEパート」からコーダ部をピンポンし、オーケストラパートの冒頭に重ね合わせる。

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 冒頭は、リバースしたエンディング部を重ね合わせて印象の切り替えを促す。全体に粒度が増し、かつ迫力が出た。ただし、このパートは迫力を出すことを主眼とした部分ではないが。

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 「ロカビリー」は何度も聴き返して尺を若干縮めた。またボコーダーライクな音色もここではカットして、世界観の崩れを回避。一番難しかったのは、当初ドライにしていた呼吸音に僅かな空気感を与えようとしたところ。手持ちのリバーブ系プラグインを幾つか試しつつ、空気を醸し出す為に全く用途の違うプラグインを重ねたりした。

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 試行錯誤を経て、かなり理想の音色が作れたと思う。上図は作業途中のもの。

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 「Outtake-2」のボリュームを微調整して再度書出し。雨天が続くが、夏とは思えない涼しさで作業が捗った。耳が疲れたので本日はここまで。