連載第110回
2020年9月22日
P-S#424:「overture」作業再開はほぼリテイク

2020年の夏は猛暑が続いた。気候温暖化の傾向がますます強まり、各地で異常な高温を記録したり、大規模な森林火災が発生したりした。ようやく真夏日(30℃以上の日)が昨日で終わり、今週末からしばらく30℃以下の日が続く。この週末を活用して作業を再開。

しかし作業内容をすっかり忘却している

ところがプロジェクトを開いてみると、一体何をどうしていたのかすっかり忘れている。かすかな作業イメージが残滓としてあるだけである。ひとまず何度も繰り返し再生し、マスターフェーダーのレベル調整などを行う。
序盤のドローンパートはさらに細かくボリュームフェードを描き、高音、低音の切り替えを丁寧にしていく。結末の断ち切りも丁寧に描く。ペンシルツールの使い方もすっかり忘れている。

全く記憶に無い隠しトラックを発見

しばらく気付かなかったが、トラックセレクタで選択解除されていて表向きにはハイドされていたトラックの存在を確認。この「チェロ・コントラバス(序曲)」とな何だったか。ミュートしていたトラックをソロで聴いてみると、どうやらドローンに改造した初期段階での素材のようである。今聴くと、なかなか生っぽくて鋭さがあって良い。この時は別章でインタールード的に使うか、弱い箇所の補強に使うくらいしか思わなかった。

引き続き9月20日、この隠しトラックを何気なくフェーダーで小刻みに突いてみた。すると、途端に閃きが舞い降りてきた。これだ!と感じる。これまでのovertureとは別物の何かに変身する予感がする。

映画鑑賞後、すぐにピンポン録音を行う

21日、クリストファー・ノーラン監督『TENET』をレイトで鑑賞。画による説明が複雑だが構造はシンプル、パンフを読んでから幾度か観ないと得心できない感じがするが十分に面白かった。しかし感傷に浸る間もなく、帰宅してすぐにプロジェクトを開いて例のインスピレーションをピンポン録音する。パターン・ゲートで2種類の刻みを作っておき(16分割と32分割)、手作業で配置していく方向で進める。

切り貼り手作業の日

注:見出しを書いたまま、ここで原稿の作成が一旦終わっている。