連載第99回
2014年9月7日
BackWPup 不具合と、WP 3.9.2 への手動アップデート

 前回に引き続き、データベースやそれを内包するサイトを丸ごとバックアップしてくれるWPプラグイン「BackWPup」のレポートです。まず結論から書くと、flfl.meへのインストールは問題なく行えたものの、肝心のバックアップ処理は辛うじて3分の1のみ成功したという感じで、残り3分の2は失敗。
 以前経験した「HTTPエラー」の時のような、自分の施したポート周りのセキュリティ対策等がここでもまた引っ掛かっているようです。
 成功した3分の1というのは、BackWPupの機能のうち「Backup to Folder」という、自サーバー内の任意のディレクトリにバックアップ・アーカイヴを保存するタイプ。これは自分自身がアクセス出来ているサーバー内に複製するのだから成功するのも分かります。しかし、DropboxやFTPを介しての外部ストレージへのバックアップを試みるといずれもエラーが出てしまい、いろいろ設定変更してみたのですが、トラブル解消には至りませんでした。

エラー状況その1:Backup to FTP

 失敗した事案の簡単な状況説明。まず、flfl.meから当サイトflipflipflip.comへFTP接続してバックアップする方法。flfl.meのバックアップをflipflipflip.comへ、flipflipflip.comのバックアップをflfl.meへ相互に行うことが出来れば、同時に2つのサーバーが障害発生することは無いだろうから安心かなと思ったのです。そこでまず、バックアップに「Backup to FTP」を選んだのだから21番ポートを開かないといけません。現時点で21番ポートは閉じているので、それをwebminのファイアウォール設定画面で設定するのですが、いろいろ試行錯誤の結果、INPUTとOUTPUTに加え、転送パケット(FORWARD)の「宛先ポート」と「発信元ポート」も通過させるようにしたらアクセス出来ることが解りました。

 しかし、アクセスしてアーカイヴを保存しようとするのだけれど、それがどうしても途中でエラーを起こしてしまう。指定ディレクトリにはちゃんとファイルが作成されているので、プラグイン上の接続設定は問題ないと思うのですが、バックアップが終了する前に中身が0KBの状態でエラーを起こして処理が中断してしまうのです(↑画像)。どうも自分が行っているサーバー側の設定の詰めが甘い気がします。

エラー状況その2:Backup to Dropbox

 気持ちを切り替えて、次に「Backup to Dropbox」を試してみると、初回のアプリ認証の時点でAPIエラーが出て先に進めないという状況。ちなみに前回の記事内には書かなかったけれど、ローカルMAMP上でのテストではこれらの動作は全く問題なくスムーズに行えたので、やはりサーバーに設定したファイアウォール絡みでつまずいているのではないかと思っています。ちなみに転送パケットで80番と443番を開いても別のAPIエラーが出てダメでした。

 結局さっさと諦めて、唯一成功した「Backup to Folder」で自サーバー内にバックアップを取った後、続けてローカルにそのアーカイヴを手動でダウンロードしておく…という、ほとんど手作業運営で行くことにしました。要は「自動スケジュール設定して定期バックアップさせるか否か」という話なんだけれど、普段、自宅で外付けHDにローカルのデータを手動バックアップ作業するのは楽しんでやってるところもあるので、手間とも思わず全く問題ありません。今回、不具合を起こしたネットを介した自動バックアップについては、いつか解決方法が解ったらまた試してみることにします…たぶん、このまま放置。

「まわるフリフリのフリ」へのインストール

 以上はflfl.meでのお話。では、当サイト「まわるフリフリのフリ」が使用しているレンタルサーバーでBackWPupはちゃんと動作するのかとても気になります。これまでも幾度か書いたように「まわるフリフリのフリ」は共用レンタルサーバーなので、WordPress 3.1.4 、かつPHP 5.1.6 で更新は打ち止め。今後、これ以上のアップデートは出来ない仕様です。

 そこで最新版のBackWPupをインストールして有効化しようとしてみたところ…。

 WordPressは3.4以上、PHPは5.2.6以上であることが必須というわけで、全然使用条件に合わないのでした。そこで最新版の3.1.2はダメでも、一昔前のバージョン2.1.17ならイケるんじゃないかと試してみると…。

 もう全くダメである。PHPのバージョンが必要条件に達していない。BackWPupをflfl.meとflipflipflip.comの双方にインストールして、相互バックアップするという華麗な計画は崩れ去りました。

「WP-DB-Backup」プラグインを試す

 別に僕は、常に最新版にアップデートしないと気が済まないタイプではないのだけれど、データのバックアップという最低限必要な事が出来なくなってきた…という状況はマズイかなと。どうにか古い環境でも、せめてデータベースのバックアップくらいは簡単に取ってくれるものを探してみたところ「WP-DB-Backup」というプラグインの存在を知り、試してみることにしました。何せWordPress 2.0.3 からの対応ということだから、3.1.4でも大丈夫なハズ。

 早速インストールして有効化してみると…。まずどこからWP-DB-Backupにアクセスするのか判らず、しばらく探した後「ツール」メニューの下の方に隠れているのを見つけました。
 それをクリックすると、自動的に作成されるバックアップ用のフォルダのパーミッションを変えろと警告されます。なのでFTPソフト「Transmit」でアクセスして変更。

 パーミッションを変更後に再度ダッシュボードにアクセスすると警告が消え、「バックアップ設定」というエリア内に「バックアップ!」ボタンが現れます。

 「テーブル」エリアで、バックアップ項目の選定を行います。スパムと、投稿リビジョンは除外しておきます。
 WordPress以外に、データベースを使用しているプラグイン等がある場合は、その項目がグレイエリアの右側に表示されるので、必要であればそれらにもチェックを入れておきます。

 今回は「あなたのコンピューターにダウンロード(MacBook Airへのダウンロード)」を選択してバックアップ!ボタンをクリック。

 プログレスバーが進んで、無事SQLファイルがMacBook Airのダウンロードフォルダにバックアップされました。ひとまず「まわるフリフリのフリ」のサーバーの方はしばらくの間、この「WP-DB-Backup」プラグインで簡素にSQLファイルのみバックアップすることにします。

WordPress 3.9.2 へのアップデート

 先日、WordPress 3.9.2 のセキュリティ・アップデートがリリースされたので、flfl.meの方をアップデートしてみることにしました。実はこの記事を書いている時点で既に4.0のアップデートがリリースされているのですが、それはスルー。
 で、「今すぐ更新」ボタンを押してみたのですが、「更新を展開しています…」から一向に先に進まない。

 そこで、一旦ファイルをダウンロードして、手動でアップロードする方法を試してみました。しかし何せWordPressのアップデート作業と言っても、3.1.4で最後だったので手順をすっかり忘れています。ググりました。

0.念のため使用プラグインを停止しておく。
1.WordPress最新版のパッケージをダウンロード。
2.wp-config.php と wp-content/以外のファイルとディレクトリを上書きアップロード。
3.wp-content/内のlanguages/ ディレクトリのみ上書きアップロード。
4.http://サイトURL/wp-admin/update-core.php にアクセスして、WordPress のアップグレードを実行。
5.プラグイン有効化。

 以上を行い、無事3.9.2へアップデート出来ました。

これにてシーズン2の終了

 第99回まで続いた「ServersMan@VPS & WordPress 音楽制作日記の引っ越しメモ」のシーズン2は今回で終了です。次回の100回目から新たにシーズン3が始まるのですが、flfl.meの引っ越し作業自体はデザイン面の細かな調整を除きほぼ済んでしまったので、これまでの作業で得た初歩的ノウハウを「まわるフリフリのフリ」へフィードバックする内容を考えています。個人的にも楽しめそうな企画です。つづく。