Intellijel DesignsのAtlantis。昨今なぜか名機(?)と呼ばれるようになったRoland SH-101の構成を模した、自己完結型のセミモジュラーアナログシンセで、もしかしたらSH-101の代替になるかもしれないと、だいぶ昔に購入。
しかし、僕自身の考えるSH-101の音というものをこのAtlantisで再現出来たかと言えばそれは明確にNOで、オシレーターやフィルター、レゾナンスなどの微妙な振舞いにおいて、それはブロック構成を似せただけの全く別物という認識に留まりました。ちなみに僕の中での「SH-101の音」というのはただ2つ。PWMのオシレーターに、LFOのノイズで変調をかけた、いわゆる「ソナー音」と101ファンの間で呼ばれるもの、そして、それをベースにフィルターでレゾナンスを自己発振させ、キーフォロワーで音程を揃え、なんとなく金属音っぽいニュアンスを加味した「ソナー音バリエーション」だけです(鋭いリード音、太いベース音なんてものを、この101に対し自分は一度も感じたことはありません。そんな音は出ない)。大衆向けの低価格なシンセ入門機として設計された、各要素が甘い作りのSH-101だけが出せる個性的な音が、残念ながらAtlantisでは再現できませんでした。その点で見ると、低価格商品と企画された製品ではありつつもRolandの施した各部位の絶妙な設計が如何に音楽的であったか再認識させられます。
となると、別物とは言えこれはこれでAtlantisの個性として認め、それに相応しい扱いを心掛けるべしと意識は変わるのですが、そうこうしているうちにディスコンとなり、しばらくして本機の後継モデル「Intellijel Designs Atlantix」が発表されました。Atlantisの持っていた機能を大幅に拡張したアップグレードバージョンで、中途半端だったSH-101の模倣を止め、独自路線を突き詰める方向へ舵を切ったことを、僕はポジティブに受け止めました。それこそハードウェアメーカーの正しい態度ではあるまいか。
と言った経緯で、Atlantisを新しいオーナーの元へ送り出すこととなった次第です。これまでありがとう。
2026-04-05 > シーラ・ラパーナ浄化作戦

