連載第26回
2024年3月20日
MDR-1Aのイヤーパッドを交換しただけ

冒頭いきなり酷い画像を掲載してしまった。これは昔から愛用していたソニーのヘッドフォン、MDR-1Aである。ここ8年くらいは、音楽を聴く際は耳にストレスのかかるヘッドフォンではなく、A5Xモニタースピーカーを使い、ごく小さなボリュームで部屋に漂わせるスタイルである。そういうわけで、ふと気が付いたらヘッドフォンのイヤーパッドやヘッドバンドの身体接触部分が劣化し、無惨な状態になっていた。合成皮の部分はひび割れて剥がれ落ち、白い粉を吹いているように見えるのはカビなのか何なのか…詳しくは調べないことにする。

交換用イヤーパッドを購入

実はバックアップ用にもう1つMDR-1Aを所有しているのだが、それも物置の奥にしまい込んでいて開封するのが怖い。発売が2014年10月24日ということだから、既に10年近く経っており、箱の中で劣化している可能性もある。捨てようとも思ったが、音の鳴りには全く問題がないのに不燃ゴミで処分するのも忍びない。というわけで、交換用イヤーパッド(購入時1299円)とヘッドバンドカバー(購入時1444円)を購入した。

左右それぞれ専用のイヤーパッドと取り外し用工具のセット。関連商品として、ヘッドフォンにカチッと嵌めるバックルが付属しているバージョンもあるが、現品のMDR-1Aのバックルをそのまま流用すれば良いのでバックル無しの安い方を選択した。純正ではないけれど、クッション部分を触ってみるとかなり良い感じで、決して雑な作りではない。

それぞれ左右専用の作りになっているのだが、見分け方はラバー内側の色である。赤が右側専用。

取り付け作業工程

では早速パッド交換に入る。

1. 付属の工具を使ってパッドを取り外す

どこから攻めるのか?正攻法が分からなかったので、とりあえず上部斜めに工具の先端を差し込んで捻ってみる。バックルの爪が折れたりしないだろうか?と心配したが、本体側もバックルも使用しているプラスチックはかなり頑丈だったので、ここは思いっきり力を込めても問題ない。

パカっと、上部の爪が外れた。

すると連動して、中央部の爪も外れる。

下部の爪も、工具を差し込んで捻ればすぐに外れた。


ちなみに本体側のパッドひっかけ部分は上図のような構造。普通に爪。上部がオスで、中央部はメス、下部はオスになっている。丈夫なプラスチックなので、折ろうとしても難しいと思う。

右側が交換用の新しいパッド。

2. 交換用パッドにバックルを装着する

まず、劣化したイヤーパッドの内側に装着されているバックルを取り外す。これは再利用するので、パッドと一緒に捨ててはダメ。

写真中央の新しいパッドに、取り外した左側のバックルを装着する。右側の劣化した純正パッドは不燃ゴミ処分へ。


バックルをパッドにはめ込んだところ。穴の位置が微妙だが、多少ズレていても気にしないでおく。

3. 本体側に交換イヤーパッドを嵌め込む

取り付け順序が分からなかったので、とりあえず爪位置を合わせて上部から嵌め込む。

中央部を嵌め込んだところ。


最後の下部はちょっと力が必要だった。両手の親指でグッと力強く押し込んでカチッ!と嵌め込んで完了。爪は折れないので大丈夫。

4. 続けて右側のイヤーパッド交換

右側の赤い方に移る。

純正のバックルを交換用パッドに当ててみたのだが、バックルのサイズよりパッドがかなり小さいような…気がしないでもない。

いや、小さいだろう!交換パッド!!どうするんだこれ!

無理矢理はめ込みました。何とかする。
※実は今回の工程で一番苦労したところだったりする。

真新しくなって、予想外にかなりいい感じである。

5. ヘッドバンドにカバーを取り付ける

残念ながらヘッドバンドの皮の交換品は見当たらない。元々取り外し可能な設計になっていないのかもしれない。

取り付け用カバー。ジッパーで取り付ける発想。



以上で交換終了。ブログ記事作成を想定しつつ、カメラ撮影しながらのゆっくりした作業で小1時間ほど。作業だけに集中すれば15分ほどで終わるのではないだろうか。

結果、装着感も向上し、予想以上の満足度

さて、それでは実際に装着してみる。メチャクチャ気持ち良いではないか。放置する前までの数年間の、劣化し始めた状態で装着していた印象が残っているのだが、その時の感触とは全く違った爽快感である。

パッドのサイズも小さ過ぎず大き過ぎず、僕の耳のサイズにちょうど良くて、パッドと頭部に耳介が挟まれて長時間かけていても痛くなることがない。音も気に入っているが、装着感の良さもMDR-1Aを長く愛用している理由の1つである。パッド内部のクッションの弾力も程良くて、容易に型崩れを起こす心配も、今のところは無さそうである。
また、ヘッドバンドのカバーも、現品を覆うタイプではあったが全く違和感なくて安心した。

買い直そうかと、最新のヘッドホン事情などを調べてみたが、最近は楽器も鳴らしておらず、利用頻度も落ちているし、景気も悪いままだし、手元にあるものを使っていこうと考え直した。捨ててしまおうかとも思ったヘッドフォンだが、パーツ交換を試みて正解だった。

物置に仕舞い込んだ、バックアップ用MDR-1Aのイヤーパッドが気になる。