連載第35回
2022年8月21日
MOTU MachFive 3 からのクロスグレードで UVI Falcon 2.5 を入手したが思想が独特過ぎて全然慣れない

公にはなっていないがMachFive3ユーザーはクロスグレードで後継のUVI Falconを購入することが出来る

大昔に買ったMOTU MachFive 3がアップグレードを止めて放置されてから長い年月が経った。たかが趣味程度の音楽制作だったにも関わらず、ここ数年は全く手を付けづに、ほとんど引退した状態になっているから、そんなに必要性は無かったのだが、ふと、初代MachFiveを購入した時に付属してきたベーゼンドルファーのピアノの音を鳴らしたいと思い、プリセット互換性のある後継の「UVI Falcon 2.5」の購入を考え始めた。少し前にM1にも対応した。
そこでネットで情報を集めてみると、公には謳われていないのだが、かつてのMOTU MachFive 3ユーザーはクロスグレードが設定されているらしいと知った。今思うと、そんな話があるという情報源によくリーチ出来たなと思う。

手続きは簡単だった

そこで直接UVIに問い合わせてみた(本家サイトの問い合わせフォームを利用)。するとすぐ翌日には返信がきて、まだMachFive 3からのクロスグレードを受け付けているとの事。正規ユーザーであることを証明するために下記の書類を提出するように言われた。

・MachFive 3付属のXtreme FXのシリアル番号
・MachFive 3とUser IDを確認できるiLokアカウントのスクリーンショット

押入れの中をひっくり返して探し回ると、Xtreme FXのDVDパッケージが見つかった。シリアルもテープで貼ってあった。よくこんなものを捨てずに取っておいたなと過去の自分に感心する。iLokのアカウントは昔オーソライズした状態のまま、すぐにキャプチャー出来た。

優待価格で購入

担当となったUVIスタッフにメールで必要なものを提出し、そこから日本語によるメールを何通かやり取りして、UVIが不定期的に行っている各種キャンペーン割引よりも、ほんのちょっとだけお得にFalconを購入することが出来た。実はそれが4月のことだ。

最初のハードルが予想以上に高い

しかし、これを書いている今はもう8月下旬で、つまりここまでほぼ放置していた。いや、インストールした後は外付けSSDにバックアップしていたMachFiveのプリセットと、自作サンプル音源を読み込めるかどうかテストはした。そこまでは大昔の記憶を辿り、MachFiveの操作手順を思い出しながら何とかなった。しかし、ピアノの音にフィルターをかけて曇らせたり、リバーブを追加したり、つまりは自分でオリジナルのプリセットを作成しようとして思考が停止した。これは一体、どういう思想のユーザーインターフェースなのか?さっぱりメーカーの開発者側へ歩み寄ることが出来なかった。

そして今日、一念発起してユーザーマニュアルで要点に目を通し、既にFalconユーザーである人達による操作方法説明ブログなどを参考にしながら、ようやくノコギリ波をオシレーターにしてフィルターを通し、LFOやエンベロープをアサインしてモジュレーションさせてみたのが上のキャプチャーである。たったそれだけのシンプルな構造のシンセ音を作るのに半日かかった。画面の鍵盤をマウスでクリックすると、「ぴー、ぷー」と鳴るだけだ。