連載第16回
2012年11月13日
初のThunderbolt対応機器 LaCie LCS-LB240TB:購入編

 嘘か真か分からないけれど、某オンラインストア限定販売(コレのことかしら?)と謳われていたLaCieラシー社の外付けSSDドライブ「LCS-LB240TB」が10月下旬に突然投げ売り状態で市場に出回りました。何せそれまでの本来の定価が88,000円ですからこの投げ売りが行われた裏事情はいったい何なのだろうと色々詮索してしまいましたが、放出された時の値段が値段だけにとりあえず買っておいても全く損はなかろう、そんな軽い気持ちで入手した次第(本記事執筆時点では在庫品がこれくらいの値段になっている模様)。現在僕の所有しているMacの中では、ちょうど1年前に購入したMacBook Airが唯一のThunderbolt搭載マシンなのですが、これまでAirの外部ストレージとしてはUSB2.0経由で外付けHDドライブを使用していました。そんなわけで今回の製品がThunderbolt大作戦始まって以来、初のThunderbolt対応ストレージということになります(確かに以前Universal Audio Apolloを導入しているけれど、Thunderboltオプションカードはまだ未装着なので)。個人的にこの製品に魅力を感じたポイントは3つ(もちろん激安だった事もありつつ)、1つはThunderbolt対応機器という点、そして2つめは2.5インチSSDを「2台内蔵」しているという点、3つ目は「このケース、中身を換装して後々も長く使えそうだな」という点(←コレ最重要ポイント)。以下、さらっとレポートしてみます。

こぢんまりして凝縮感がイイ

 まず配達された箱パッケージを手にした時に感じたのですが、何やら予想してたよりも重さが感じられます。そして実際のモノ単体を取り出して持ってみると、これが実際に重たい。実はLaCie製品を買うのは初めてということもあって、このケース、勝手に金属っぽい塗装を吹きつけてるだけのただのプラスチック製だと思い込んでいたのだけれど、驚いたことに前面・背面も含め全体がアルミ製なんですね。持つとひんやりと冷たくてずっしりと重量感もあり、何となく「良いモノを買った」という感じがしてきます。その感じを強調しているのが筐体のコンパクトさで、↑上の写真ではそのイメージが伝わりにくいけれど「やはり2.5インチですしね」という感じ。比較にちょうど良いと思い、3.5インチの内蔵HD(WD製2.5TB)と並べてみました(↓)。容量も少ないし、厚みもあるけれど、これで中にはSSDを2台内蔵していると考えれば全体としてはスマートな印象。ハードディスクも3.5インチ時代が随分長かったけれど、もう戻れないな(いや、まだ活用しますけど)と思いました。

電源まわりでちょっとビビる

 開封したらまずは電源を入れてみようと思うのが普通。その当たり前の感覚にしたがって付属のACケーブルを繋ぎ、さて電源ボタンを入れようと思ったとき「ありゃ?」となりました。背面には電源ボタンらしきものが無い。そこで箱パッケージにある簡単な部位説明を見ると、ラシー製品一連を良くも悪くも特徴づけている正面にあるあの青くてデカい「目玉」、これが電源ボタン&LEDランプを兼ねているとあります。そこで押してみましたよ何度も何度も一生懸命に。でも何とも反応しない…というか、まるでボタンのような気がしません。確かにほんのわずかながら後ろに凹むような気もするけれど、背面にある空冷ファンも回らないし、なにせLEDが点灯しない。「久々に不良品に当たってしまったか!」と思ったのですが、もしかしてこれ、Thunderboltと連動しているのかしらん…と少し冷静になって考えてみました。実はこのLCS-LB240TB開封時点でまだThunderboltケーブルが届いてなかったのです。ちなみにThunderboltケーブル、以前の記事に書いた通り、やはりまだ値段が相当に高い。Applep純正の2mで4,800円という価格はとてもじゃありませんが手が出ません。そこで色々探してみたら、0.5mで4,000円という微妙なところを突いたものを見つけました→住友電工 Thunderboltケーブル(0.5m、白)。ブランドがまんま「住友電工」というのに少し斬新さを感じたりして。まあ、そんなに値段は変わらないけど、でも現時点で2mも長さは必要ないなあ、ということで今回はお試しということでソレをチョイスしてみました。

 そしてケーブル到着後、LCS-LB240TBをMacBook Airと接続してみたら問題なく電源が入り青色LED点灯。背面の空冷ファンも回転を始めました。なるほど、Thunderboltのストレージ機器って、もちろん全部じゃないだろうけど、ホストコンピューターに接続しないと電源が入らないんですね(ちなみにMacBook Air本体をスリープさせると、このLCS-LB240TBも電源が切れます)。ただ、届いてから思ったのですが、ケーブルの長さ0.5mというのは最初の1本目としては短すぎたかもしれません。11インチのAirだと、端子からモニタを回って逆側にギリギリで置ける感じ(↓)。0.5mは複数台のThunderbolt機器を互いに近く並べている状況で、背面でケーブルをデイジーチェーンする場合に適してるかなと思いました。ちなみにこの住友電工製Thunderboltケーブル、予想以上に柔らかくて取扱い易く好印象です。昔、質の悪いUSBケーブルなどは、ほとんど形状記憶してしまっていて取り回しの融通が利かないモノがあったりしましたが、このケーブルは質感が良い。ただ0.5mと短かったこともあり、Thunderboltには端子の向きがあるので、頻繁に取り外しを行う状況ではこの「差し込む際の端子の向き」に煩わしさを覚えるかもしれません。

試してみたかったアレ、2つ

 さて、このLaCie LCS-LB240TB。もちろんMacBook Airや、来春以降に導入するであろうMacBook Pro(希望)、あるいはもしかしたらそこまで薄くしなくてもいいんじゃないかという新しいiMacの導入(ほぼネタ)を見越しThunderbolt対応外部ストレージとして購入したのですが、ではThunderboltを搭載していない古いMac Proでは使えないんだろうか?という疑問は、たぶん誰にでもあるでしょう。そこで試してみました。以前購入したApple純正のFirewireアダプタにFWケーブルを繋ぎ、Mac Proに接続。結果は当然ながら撃沈、電源さえ入りませんでした。ホストとなるコンピューターがThunderboltを搭載していて、それが電源オンのトリガーになるんですから、残念ながら旧式のMac Proでは使えないのですね。

 では試してみたかった事その2。Thunderboltの特徴として6台まで(ホスト除く)のデイジーチェーンがあります。繋げられる周辺機器に外部モニタも含まれるのですが、ホントにこの細いThunderboltケーブルの中をあの映像信号が走っているのでしょうか、他の大量に流れるデータ信号に混じって…。
 そこでAirからLB240TBを中継してmini Displayportアダプタを介し、普段使用しているナナオの24インチ液晶モニタにDVIケーブルで繋げてみました。嬉しいことに問題なく認識され、ナナオを外部モニタとして使用することが可能でした(感動した)。こうなるともうVGAとかDVIケーブルとか、あの接続コネクタ部分のデカさが古くさく感じられてきて、モニタは少なくともDisplayPortあるいはHDMI対応、もちろんベストはAppleのThunderbolt Displayということになるのだけれど、ただあの新しいそこまで薄くしなくてもいいんじゃないかというiMacを見てからは現行のThunderbolt Displayが若干古くさいデザインのように思えてきて、しばらく様子見といったところです(もちろんモスアイ希望)。というわけでいつものように無駄に長くなったので、外部ストレージとして実際に使ってみたレポートはまた次回。