フリフリのThunderbolt大作戦!

フリフリのThunderbolt大作戦! ― 第38回

春、新しいiMac(を持ち帰って見た風景について)

 2013年3月26日

 「iMacに決めた!」という、その決め手になったところをもう少し説明させてもらうと、これまで5年も使ってきただけあると思うけど、ナナオの液晶モニタの発色具合等が信頼性の面でかなり不安になってきたというのがあります。例えばこのブログのイメージカラーに使用している「ピンク」の発色。果たして僕が今ナナオで見ているこのピンクは、貴方の見ているモニタのピンクと同じなのだろうか…という、印刷業界では昔からあるアレの事です。それはレポート記事に掲載している写真でも同じ、僕好みで調整したこの写真の色味(Aperture 3で現像しています)は果たして誰の目にも同じように見えているのだろうか…というソレ。悲しい事にこのジレンマは僕が自宅に所有している他のApple製品間(iPad等)でも生じていて、ナナオで「Very Good」と思って決めたピンクがiPadでは違ってしまうという、それはそれは残念な状況です。

 印刷・液晶モニタ等の表に出る部分を、単一のメーカーが全ての製品を独占して製造するなら良いのでしょうが(それでもロットやFab、使用年月で差異が生じるでしょう)、僕は昔から頭を悩ませているこれらの問題に関してはもう完全に諦めてしまっています。仮に世の中に存在する全てのディスプレイで完璧な同一発色の技術的保証が取れたとしても、根源的に「僕の網膜が感じて脳内で解釈されるピンクは同様にして貴方の解釈するピンクと一緒なのか?」という例のアレに問題は移行するでしょう。もうお手上げです。

 そんな永遠に解けそうもない問題は、早々に諦めてしまえば幸せになれます。そこで新しくモニタを調達するノリで今回のiMac。ホントかウソか分からないけれど、製品発表時の「個別にカラー調整している」というアピールを信じてみる事にしたという次第。最低でも同じiMac(Late 2012)であれば僕のピンクは貴方のピンクと同じピンクなハズです…たぶん。

注:この記事を書いている3月26日の時点ではまだ当ブログで使用しているピンクはナナオ時代に設定した値から修正していません(なので今、新しいiMacで作業しながら見ている当ブログの色味は僕自身も相当違和感を覚えています。特に右上にある「FLFL」ロゴのFのピンクが気に入らない)。後日、ピンクの色味が変わったら「あ、ヤツめ修正したな」と思ってください。

キャンセル品+オマケをゲット

久々に前置きが長くなりましたが、ここから今回の本題です。長らく納期3〜4週待ちだったiMacも今は普通に在庫アリの状態になって、待たずとも即購入出来る状況にあるのですが、発売開始直後からあれだけ長期間も納品待ちが続くと、必然として「キャンセル」が出てくることになります。待っている間に「他に欲しい物が出てきてお金使っちゃった」ことなんて十分あり得るでしょう。そういうキャンセル品が正規Apple製品取扱店に流れることがあって、今回は通常アップル・ストアでしか扱っていないCTO製品を秋葉原のお店で手に入れました。主な仕様は次のようになっています。

■iMac 27inch 購入マシンのスペック
  • Intel Quad Core i7 3.4GHz
  • 8GB (4GB×2)
  • 1TB Fusion Drive
  • NVIDIA Geforce GT 675MX (1GB)

 値段はアップル・ストアでカスタマイズして購入するのと同じで変わらないけれど、5%ポイント還元とオマケでノートPC用の汎用8GB (4GB×2)メモリをゲットしました。当日は上記仕様のさらに上の「3TB Fusion Drive & Geforce GT 680MX」というカスタマイズモデルの在庫もあったのですが、さすがにiMacにそこまで必要ないなと思いました。

iMacを手で持ち帰ってみた

 さて、支払いを終えてこのiMacをどうするかしばし考えました。発送を依頼すると配達は翌日となるので、今日一日を有効活用できません。時間が勿体ないし早くセットアップしたいので、「今日はお車ですか?」と尋ねてくれるスタッフに、ここは気合いを入れて電車を乗り継ぎつつ手で持ち帰ることを伝えました。しかし、いざ輸送用の段ボールにハンドルを取り付けてもらって、店員さんから手渡しされると予想以上の重量が…思わず「うぉほっほ!」と苦笑いしてしまい、店員さんが少し心配そうな顔をしながら「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれます。ちょっと不安がよぎりつつも「たぶん大丈夫でしょう」と応えると「まあ、電車に乗ってしまえば楽ですから」となけなしの勇気を分け与えてくれました。しかしまあ、別に自宅までずっと歩いているわけではありません、言われる通りほとんどは電車での移動時間。この店から秋葉原駅までの徒歩、新宿から私鉄に乗り換えるまでの徒歩、居住地駅から自宅までの徒歩、せいぜいそれくらいです。5年前、ナナオを購入した時も新宿から持ち帰ったのですが、相当重いなあと思いながらも無事帰宅できたじゃないかという甘い記憶が残っていて、それからだいぶ身体も年を取ったけどまだ大丈夫だろうとタカをくくったのですけど…。

しかし、それは予想以上にキツかった。

 そこそこの重量があることは想定していたのですが、誤算だったのは段ボールの大きさです。27インチで高さが結構あって、移動中に肘を伸ばしきって楽することが出来ません。常に肘を曲げて段ボールが地面に着かないようにする必要があります。そして休日午後の路上をゆく人々の歩行速度の遅さといったらもう!
 僕は普段から「歩くの速い!」と仲間に注意される程度には早歩きな人間で、この時は少しでも徒歩の時間を短縮するため一層、急ぎ足で移動したいのですが、歩道を埋め尽くす人々のノロノロとした歩きにはホトホト辟易しました。手荷物がなければスルスルと合間を縫ってゆけるのだけれど、生憎巨大な段ボールを片手にしています。途中、前をゆく人たちの踵にぶつけちゃったりして「あ!すみません!」と謝ったりとか無駄に時間がかかってしまい、そのうち右腕がしびれてきたりで、左、右、左と途中何度も持つ手を換え、ようやく秋葉原のきっぷ売り場に辿り着いた頃にはすでに気力・体力の40%を失っていました。脳内に暗雲立ちこめた。

バリアフリーに助けられた…

 切符を買って改札を通り抜けたところで「これはまともに歩いていたら生きて帰れない」という予感が。普段、秋葉原からの帰りに使うエスカレーターまでの動線を行く途中で決断し、ついに未だかつて使ったことの無い、地上から階上のホームまで直行のエレベーターを利用することにしました。エスカレーターや階段だと、当然ながらこの大きな段ボールが通行人の邪魔になってしまうし、この時点でかなり草臥れてきた腕が階段上り途中での荷物持ち替えを非常に困難なものにするという予測がありました。たった2階分をショートカットするだけのエレベーターなぞ、今まで使おうと思ったことも無いのに、この時ばかりは本当に助かって「エレベーターすげえ」とマジで感心しました。

 そんなこんなでホームに辿り着いて電車に担ぎ込み、お茶の水で乗り換えて新宿に到着。電車を降りると、そこで再び「これまで全く使おうと考えた事など無い」エレベーターの前まで移動。秋葉原の時と同様、初めて使うこともあって、入り口の反対側がそのまま出口になっている事に改めて驚いたりなどしながら、地上改札口を出て、今度は階段を息を切らせながら徒歩で2階分降りつつ私鉄駅ホームへ。もうこの時点で腕は完全に感覚マヒしたただの棒に変わり果てています。

 そしてホームで待機していた電車に乗り込む際、ふと、バリアフリーの意味に気付いたのでした。

 ホームと電車の床面の高さが同じ位置に設定されていることの何と有り難いことか!(ここに段差があったら、段ボールの下部が当たらないように、さらに持ち上げなければいけません)。そしてさらに、座席に着いてようやく一息ついてから、さっきは不思議に思った「エレベーターの入り口と出口が対面になっている理由」が突然理解出来たのです。車椅子で移動している場合、あんな狭いエレベーターの中で進行方向を転回できるわけがありません。だから、入り口で入ったそのままの体勢で直進して目の前にある出口から出られるようにしてある。それを利用する人の立場で考えれば、そう設計するのは当たり前なのです。

 数年前から各社各駅で一斉に行われたバリアフリー対応工事。その時もさほど気にすることも無く、改良後もそれら設備について考えた事など一度も無かったのですが、今回無謀にも「iMacお持ち帰り」をチョイスしたことで、これまで辿ったことのなかった動線を移動しつつ初めて見る風景に「この目線は持ってなかったわ」と軽く衝撃を受けました。これは本当に貴重な体験でした。

 そしてようやく帰宅し、一体このiMacを包み込んだ段ボールの重さはどれだけあるのだ?と計ってみると…。

15kg。

 つまり、あの重量級Mac Proから5kgを引いた重さを手にぶら下げて帰ったのかと。その後、2日間はまるで両腕が役に立たなかったのですが、かなり大規模に破壊されたであろう筋肉細胞を有効再生させるためにプロテインをしこたま飲んでおきました。ビルドアップした。

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