とてもお気に入りだった、真っ白な皿があって15年ほど使ってきた。ある日、冷やしておいたご飯を盛り、そこへ熱々に湯煎したお気に入りのヤマモリ「タイグリーンカレー」をかけている最中に「ピキッ!」と小さな音が聞こえた。普段なじみの無い音で気になったものの、目に入る周囲にこれと言って変化もないのですぐに忘れ、グリーンカレーで遅い昼食を済ませた。
食べ終わって食器を洗っている時に異常に気付いた。お気に入りの皿に細いヒビが入っている。カレーのスープが染み込み、ひび割れの部分が着色していたせいで気付いた。念入りに水洗いしても落ちず気落ちした。ひび割れは見た目よりも深いようである。試しに皿の両端を手で持ち、少し捻りを加えると「ミシッ」と音がした。そのまま力を加えて捻り続けると割れそうだった。危険なので破棄すべしと判断した。
記憶では15年ほど前に、新宿南口方面にあるFrancfrancで買ったのではなかったか。KAHLAはドイツの食器メーカーで、真っ白な陶器でラインアップを揃えていて、この皿意外にも直径10cmほどの小鉢やコーヒーカップなども買った。小鉢は今でもオニオンスライスや冷奴を入れて食事で使っている。とにかく「真っ白」という印象が強い製品である。割れてしまった皿も、この15年間、カレーやパスタ、肉野菜炒めなどなど、いろんな料理を乗せてきた。愛着のある食器だった。
割れてしまったので、同じものが手に入らないかネットで探してみたけれど、当時はいろんな小売店やネットショップなど、ググればすぐにKAHLAの製品を見つけられたのに、メーカー自体は存続しているらしいものの、今ではもうほとんど取扱店がなくなってしまったようである。割れてしまった皿は既にディスコンになっているらしい。たかが食器なのに、この悲しさは何なのだろうか、不思議である。
代替品を探して、軽いものを選んだ
とにかく代わりのものを買わないと不便なので、近所の雑貨ショップやスーパーの食器売り場を巡回しあれこれ物色。やはり同じ直径と深さであることが希望だが、様々な食器を持ってサイズや手触りを確認している時「もう重たい陶器は嫌だな…」と考えていることに気付いた。いかにも日本製らしい渋い見た目の分厚い皿は、普段使いするにはもう重過ぎて忌避している自分がいた。
そこでチョイスしたのが、アメリカ産の強化ガラス製の食器、CORELLE(コレール)というブランドの「ウインターフロスト」というシリーズ、その中の【大ボウル】である。直径は割れてしまったKAHLAと同じだが、高さは深めのボウルタイプにした理由は、持った時の「軽さ」にあった。これは陶器ではなく、強化ガラス製でパっと見は如何にもアメリカ製らしい、どこかしらチープなデザインではあるのだけれど(微妙な曲線の取り方で見栄えが大きく変わることに驚かされる。KAHLAのデザインは優れていたと思う)、陶器のように密度が高くて詰まった感じがなく、料理を乗せて運ぶにも手軽そうに感じられたのである(つまり老体に優しい)。深いボウルでもKAHLAより軽かったので、大は小を兼ねるだろうということでコレにした。しばらく使っているうちに、違和感は霧散し、これまで通りパスタやカレーなどに使っている。汁が多くてもこぼれにくくて助かっている。
気になる強度だが、一度、ある程度の重さのある陶器のぐい飲みを30cmほどの高さから、このコレールのボウルの上にうっかり落下させてしまった。「あ!割れたか!」と思ったが、なんと無傷だった。余程の事がない限り、割れてしまう事態にはならないような気がする。
深いボウルではなく、KAHLAと同じような普通のプレートも後日追加で買ってみた。やはり、デザインがアメリカらしい微妙な安っぽさがあり、改めてKAHLAのデザインは優れていたなあと思わされた。でもしばらくすればコレールの皿にもそのうち慣れてしまうのだろう。この流れで、普段使いの食器についても、重たい陶器類からゆっくり浄化している最中である。もう、必要最低限の食器だけ残して他は全て処分してしまおうと思っている。
2025-09-27 > シーラ・ラパーナ浄化作戦




