連載第12回
2005年6月19日
1.5GHzマックミニ雑感 & さよならG4 MDD

 クロックアップして1週間。元気に働いてくれているミニ。その使用感やベンチマーク、今後の展望、そしてPowerMac G4との別れについて。

 これを書いている19日午前4時の時点で、アップルストアでのMac mini在庫状況が再び即日出荷となった。当分の間スペックの更新はなくなったわけで、今回の1.5GHzクロックアップがしばらくは有効となりました。次のミニ更新は最短で来月11日から始まるEXPO近辺かな~、と予想しているんだがどうなることやら。

クロックアップの恩恵

 というわけで1.5GHzにクロックアップしたMac mini を1週間使ってみた。動作は極めて良好、何の不具合もなし、日常業務は実に快適になった。例をあげてみると、

1.5GHz Mac miniクロックアップ後

  • アプリケーションの起動が速い。
  • ファイルのオープンが速い。
  • アプリケーションの動作が速い。
  • アプリケーションの切り替えが速い。
  • ファイルの保存が若干速い
  • エクスポゼ時にコマ落ちしてたニュアンスが改善。3コマから5コマになったという感じ。 MDDと同レベル。

 とまあ、こんな具合で全体的なパフォーマンスが上がり、使っていてより楽しくなった。コンピューターを使う限り、そのマシンが速いのは正義だと言っていい。僕の環境では特に、GoLiveの動作が向上したのが最大のメリット。GoLiveはホントに鈍くて重く、WEB制作を仕事にしているなら使うマシンは最高速のものを選ばないとキツい。っていうか、仕事ならGoLiveを選択するのは間違っていると断言してもいい、かも。とにかくファイルを開くのが速くなっただけでも精神面で大いにプラスになっている。
 アプリケーションの切り替えもキビキビと変化したのが体感できるので、気持ちが非常に楽。特にPhotoshopからImageReady、さらにGoLiveとSafariへ相互に切り替えて作業するときはとても助かる。

(6/26追記)僕はさほど多用していないので気付くのが遅れたのだけれど、iPhoto5の動作が格段に向上した。起動も速いし、特にブラウズが全くストレス無く、気持ちいいくらいに軽く閲覧できるようになった。1.25GHzの時はカクカクする時があったので、これは素晴らしい。

ベンチマーク

 それではXbenchによる測定結果を主なところだけ抜粋して掲載。まずはノーマルの1.25GHzと比較。

 さすがに250MHzアップしただけあって、CPU、グラフィックの数値がグンと伸びている。特にOpenGLの伸びが凄い。今、僕は使っていないけれど、3DCGのアプリケーションをメインに使っているユーザーは、仕事の効率があがるのではないか。まあ、そもそもMac mini をメインにすることは無いと思うケド。

 次はPowerMac G4 MDD(1.25GHz Dual)との比較。

 CPU総合でMDDを抜いた。さすがにスレッドはデュアルにかなわないけれど、これまでと同じ作業内容ならイキオイでこなせると思う。グラフィックはメモリが半分だけど、差分はイキオイでカバー。HDは5,400rpmという回転速度が足をひっぱている状況だけれど、ここは外付けHDに7,200rpmのものを選んでカバーできると思う。それは後日テストしてみる予定。

 速度アップが体感できたのは、ベースとなったMac miniのスペックが1.25GHzだったからに他ならない。もし1.42GHzを選んでいたとしたら、たかが80MHzのクロックアップはほとんど影響を与えなかったろうと思う。とにかく最初の決断がうまくいって非常にラッキーだった。金銭的にも1万円以上浮かせられたワケだ。ははは。

デメリットもある

 当然デメリットもあるので、ここで公平に書いておくと、まずはお約束でメーカー保証が受けられなくなるということが一つ(まあ最初にメモリ交換した時点で、既に保証外になってるけど)。次に、CPUを冷却するための内蔵ファンが頻繁に高速回転するようになるということ。重い作業を開始してしばらくすると「ひゅーーん」とファンが勢いよく回り出す。1.25GHzの時は一度もなかったのだけれど、さすがに250MHzもアップすればかなり発熱するに違いない。ただ、作業が落ち着いて負荷が少なくなると、すぐにファンの回転も収まって、購入時の頃と同じレベルまで静かになる。こんなにコンパクトでも、ちゃんとCPU温度をモニターしてるのが感心。まあ、先月に比べてかなり暑くなったこともあるだろうから、また冬になれば大人しくなると思う。

 後はそうだなあ~、電気代がちょっとアップすることかな。

G4 MDDとお別れ。その理由

 告白します。実は先日、PowerMac G4 MDDとお別れしました。

 MDDは2003年の5月に購入。それから2年ほどメインマシンとして使ってきた。G5発表直前にOS9最終起動マシンとしてその価値を認めた上で手に入れた。それ以前はMac互換機を使っていたから、性能面では全く不満もなく(もちろん騒音には憤慨だけど)、2003年10月にはMacOSX 10.2に移行もでき、作業環境もゆっくり整いはじめ、半年ほど経ってMacOSX 10.3にアップデートしてからは、その完成度の高さもあって全く不満なく、むしろOS9時代より快適な日々を送れるようになった。程なくしてHDからClassic環境を削除してしまった。

 でも、MDDを愛せなかったんだよなあ‥。何故だろうか?

 もうOS9に戻ることはないと確信したからだろうか。いや、そうじゃないんだよなあ、たぶん。OS9には戻らないことは確実だけど、それが原因じゃない‥。
 これまでに僕が購入してきたMacintoshは、順に

これまでの所有Macリスト

  • SE/30
  • Quadra700
  • PowerMacintosh 8500/132
  • PowerMacintosh 8500/150
  • Mac互換機S900
  • PowerMac G4 MDD
  • Mac mini

 で、今も手元に残してあるのはSE/30 ・Quadra700・Mac互換機、そして新参のMac miniの4台だけになった。8500は急ぎで入ったやっつけ仕事をこなすのに必要に迫られ2台中古で購入、今は亡きインタウェアのアクセラレータを装着しLightwave3Dも2ライセンス買ってレンダリングでガンガンぶん回した(もちろん1台レンダリング中にもう1台でモデリング&アニメーション作業)。その後落ち着いて、より基本性能&拡張性の高いMac互換機に買い換えるため2台とも手放した。 

 普通に考えるとG4 MDDを残してMac互換機を下取りに出すのが順当なんだろうけど、互換機は手放せないんだよね。見栄えからして互換機よりMDDの方がずば抜けてオシャレだし、性能も倍以上いいんだけど。でもやはりMDDには愛着がわかなかった。

 理由をよ~く考えてみたら、僕と一緒に何か満足するようなモノを創り出してきたか、ってことにあるんだと気付いた。特に最初に購入したSE/30 とMac互換機の2台は、活躍した時期は違うけれど自分の中で最も活発な期間を共に過ごし、産み出した作品も(未完成を含め)他人に認められようが認められまいが実に大量だった。だからこれからも絶対手放せない。壊れても可能な限り傍に置いておきたい。
 反面、MDDを使ってきた2年はまるでダメだった。素直に認めるけれど、何一つ自分で満足のいく作品を作れなかったばかりか、手をつけた数さえほんの僅かだった。まったくもって人生のブラックホール、袋小路のスランプど真ん中。

 なんだ結局は自分の調子じゃんかよ。MDDに責任は無ぇ。

 僕はMacが大好きだけど、ただデザインが可愛いからだとかカッコイイからだとかいう理由だけで選択してるわけじゃなくて、やはり基本的に「道具」として良き相棒になってくれなきゃダメ。最近なんとなく気分が上向き気配にあるし、そんな時にどういうわけかMac miniはバッチリのタイミングで現れた。もちろん今の時代、道具としてパワー不足も甚だしいのは分かっちゃいるが、自分もパワー不足なんだからちょうどお似合いのカップルってわけだ。ま、理由なんてだいたいそんなもんだよ。お気楽人生で行こう!