連載第13回
2005年7月4日
周辺機器を揃えよう

 Mac miniは本体だけで販売されていて、マウスやキーボードは付属していないんですよね。G4からの移行にあたって新たに調達したモノ、流用したモノ、まだ悩んでいることなど、フリフリが普段使用している周辺アイテムについて紹介。

 暑くなったり寒くなったり、雨降らないなあと思ってたら一気に雨が降ったり、昨年から気候が乱れてますな‥。どうせ雨が降ってどこにも出かけられないなら、せっせとミニのカスタマイズに励むのも一興ではあ~りませんか。

まずは入力系

 何はともあれ、入力デバイスを用意しなければ何事も始まらないのがパソコンといふもの。僕が愛用しているのは懐かしのアップル拡張キーボード2。これはMac互換機の頃からのお気に入り。今の時代、ちょっとサイズがデカいけれど、デザインは大好き。G4 MDDを購入したとき付属していた純正キーボードは、ペコペコした感触のキータッチが馴染めなくてほとんど使わず、箱の中にずっとしまっていた。微妙にキーの配置角度が違っているのもダメだった理由かも。

 キーボードは直接人体と機械の接点になる部分なので、選ぶときはその人に適したモノに限るんだけど、初めて使うキーボードが現行のキーボードなら気にならないのかもね。要は慣れかもしれないし。最近はちゃんとキータッチに凝ったサードパーティー製のものもたくさん出てきているので、これしかダメ!というわけではありません。もっと良いものが出てきたら乗り換えますよ。

 この拡張キーボードで使われている端子はADBというアップル独自仕様。なのでこれをMac miniに繋げるには、Griffin Technology社の「iMate」というADB→USB変換アダプターを使う。特にドライバは不要で、繋げればすぐ認識する。ただ残念な事に、キーボードに付いている電源ボタンは未対応。昔のマックはキーボードから起動できて、とっても便利だったんだけど。

トラックボール派

 キーボードの次はマウス。僕は2年ほど前、それまで使っていたマウスの調子が悪くなったのを機会にトラックボールへ乗り換えた。今愛用しているのはKensington社のExpert Mouse。乗り換え当時は同社のTurbo Mouseという製品を使ってたんだけれど、このExpert Mouseは、4つのボタンに加えボールの周辺にリングが付いていて、それを中指でクルクル回すとホイールマウスのホイールのようにウィンドウを上下にスクロールしてくれる。
 僕は右上のボタンにエクスポゼ(F9ボタン)を割り当てていて、中指でパチン!と叩いてやると、散らかっていたウィンドウがパッ!と展開する。キーボードのF9キーまで手を伸ばさなくていいから、とても便利(ちなみに左上のボタンは指が届かなくてほとんど使いません)。

 さてこのトラックボール、マウスと違い見た目がごついので抵抗あるかもしれないけれど、マウスよりはるかにポインタを細かい場所へ正確に素早く移動できる。なおかつExpert Mouseは赤外線でボールの動きを追っているので動作が軽く、楽チン。マウスは肘を軸に手首全体を動かすけれど、トラックボールの場合は手首を軸に指先だけ動かせばOKなので、長時間作業していても疲れないんだよね。
 難点を言えば、トラックボールは3DCGの作業には全く使えないということ。僕はもう自宅でCGの作業をしないから大丈夫だけど、モデリングやグラフィック関係で画像のレタッチをメインにしているユーザーは、やはりマウスでしょうな。

群がるUSBケーブル

 G4 MDDは標準でUSB端子を2個持っていたけど、当然2個で足りるわけはなくて、5端子USB2.0対応のPCIカードを装着してた。ミニにも同等品が必要というわけで4端子のハブを用意。

 僕はシネマディスプレイを使っているので、ディスプレイ背面に装備されている2個のUSB端子も合わせ、とりあえずギリギリ間に合っている状態。内訳は簡単に、キーボード・トラックボール・デジカメ・ドングルキー・外付けHD・MIDIインターフェース。これでもういっぱいいっぱい余裕なし。必要なときは付け替えてUSBメモリなどを挿す。

 だからせめてキーボード&トラックボールはBluetoothにして机上をすっきりさせたいという欲求はある。アップルからは無線のキーボード&マウスが出ているけれど、拡張キーボード2が現状ベストなので、自分にあったサードパーティー製品の登場待ち。

PCIスロットが無くなった影響の大きさ

 iMac登場以降にパソコンに触れた人、いわゆるiMac世代の人たちには普通なんだろうけれど、当時は僕のようなオジさんにとってフロッピードライブが無くなってしまったことや、SCSI端子が消失したことの衝撃は凄いものがあった。おいおいフロッピー無くなったら不便極まりないよ、って思った。が、アップルのその決断がUSBを広く普及させることになり、今はまったく問題ない状況になったんだけど。

 G4 MDDからMac miniへの移行に際して、それと同じくらいインパクトのあった環境の変化は、PCI拡張スロットが無くなったこと。これはもう物理的に大きな変化を強いられる。まず過去の資産は時折必要になることがあるので、中古のUSB対応MOドライブを買った。6000円。滅多に使わないけど、いざというときの為に保有しておくことにする。これまではSCSI端子のMOドライブをG4のPCIスロットに挿したSCSIボード経由で使ってたんだけど、USBは楽チンだー。SCSI機器は接続するたびに、マックの電源を切らなければならなかったからね。オマケにUSBだとドライバ不要、便利な世の中になったものです。

意外に使えるFirewire

 さて、PCIスロットが無くなったことが与えた一番大きな変化は、音楽用のインターフェースをこれまでのPCIタイプからFirewireタイプに変更したこと。ケーブルの取り回しなど、劇的に作業環境がシンプルになった。趣味の音楽制作のために、これまで使っていたオーディオIFはMOTU社の2408mk3&24I/O。それはPCIボード経由だったんだけれど、これを同じMOTU社の828mk2に置き換えた(↓ラック一番上の黒いヤツ)。
 Firewire経由にすることで、もしかしたらオーディオ信号に遅延とか生じるのかなと思ったけれど、それは杞憂に終わったみたい。チャンネル数は32chから8chに激減したけど、もはや物理アイテムも数少なくなったし、使うトラックも少なくなったのでコードの抜き差しで対処できる。

 それどころか使ってみてびっくりしたけど、2408mk3より置き換えた828mk2の方が断然音の元気が良いじゃないか。な~んだ、もっと早くミニに切り替えておけば良かった。それとFirewire対応の外付けHDのレスポンスも意外によかった。数値的には当然G4 MDDに内蔵させてた追加HDより劣るけれど、実用面では今のところ問題なさそう。

悩みどころもあり

 ところが悩んでいることもある‥。PCIスロットに挿していた、t.c.electronic社のPowercore PCIというボードが使えなくなること。これは音楽制作ソフト上でCPUに負担をかけることなくエフェクターを使用できるようにするDSPボードなんだけれど、これもFirewire版に置き換える必要が出てくる。

 つまりFirewireにオーディオIFやDSPボックスやらが直列に接続されることになるんだけど、果たしてオーディオ信号の遅れとか大丈夫なんだろうか。PowerBookであればFirewireバスが2経路あって、信号がバッティングしないけれど、Mac miniはFirewireバスが1つしかないんだよね。これはハブを使って端子を増やせばいいという単純な問題じゃなくて、2つに分けてたものが最終的には1つの入り口に集中することになるから、やはりシビアに検証する必要が出てくる。

 で、早速メーカーに問い合わせてみたところ、現状では828mk2とPowercore FW版の直列であれば問題は無いとのこと。ただし、ミニの内蔵HDを使うんじゃなくて、FWの外付けHDを繋げると遅延が生じる、と注意を受けた。
 むむむー。ということはUSB2.0接続の外付けHDか、もしくはそれが上手くいかなければ内蔵HDをより高速の7,200rpmに換装することになるのか‥。
 さすがにそう単純ではなかった音楽作業環境の移行。でもそこはお気楽スタンスのMac mini ミニ大作戦。当面は放談ラジオ音響系mp3で使うくらいだから、一気に機材を置き換える必要も無いし、あ~だこ~だ言いながら検証していくのも楽しみのうちですな。

 次回はタイミング的に7/7の発表会についてコメントすることになるのかな、と思ったりしたんだけど、大方の予想通りiTunes携帯だけだったら、あまり関心が無いのでスルーしちゃうかも。