まわるフリフリのフリ
音楽とか

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音楽とか ― 連載第11回

番外編:Roland RSP-550の電池交換

2012年2月27日 

 今やほとんどの音楽制作がコンピューターを中心としたソフトウェア上で行われている(iPadでも可能になりつつあります)のは誰でも知っていることですが、昔愛用していた楽器やエフェクターをそのまま取っ払って完全移行出来ているか…というとまだ頷くことが出来ない所もあったりします。例えば使用頻度はかなり低いのですが、フランジャーやフェイザーといった変調系はもちろんソフトウェア上でも幾つものプラグインがリリースされてはいるものの、「ここぞ!」という部分に自分の求める激しいエグさで掛かってくれるモノに未だ巡り合えてないという現実があったりするのです。そこで未だ手元に置いているのがRoland RSP-550。

 このエフェクター、うろ覚えですが発売当時は定価11万8千円くらいしてた気がします(高くて買えませんでした)。「同社SBF-325よりエフェクトの掛かりがエグイ」とそこそこの評判でした(実は以前、そのSBF-325も所有していて、確かに指摘通りと感じました)。それが生産中止になって数年経ち中古5万円くらいで出回っていたものを購入。しばらく愛用していたのですが、思うところあってハードウェアを一気に手放しはじめた時に一度さよならしました(よくある話です)。それからまた数年を経て精神的に元気が戻り始め、またゆっくりとマイペースで音楽を楽しみはじめた時、あのエグい味わいのフランジャーが手元にあるソフトウェアで再現出来ないということに愕然。どうしても代替品の掛かりに納得出来なくて、再び中古でそこそこに程度の良いものを5千円ほどでゲットし今に至ります(安いな!これもまたよくある話)。

生産完了してから16年…

 しかしもう何年使われてきたのか分からない製品、久しぶりに電源を入れてみると「Battery low ! Please change !」の表示が出ました。このままでも起動時にメーカープリセットを読み込むので使えないことはないのですが、自分オリジナルのプリセットを作った場合、それを保存しておくことが出来ません。そこでローランドの修理受付に質問してみると、生産完了してから既に16年を経ていることもあって電池交換含め修理は受け付けていないとのこと。というわけで自分で電池交換することにしました。

 本体のネジを外して外側のケースを開封してみると、ずっしりした重さの割には意外に中身はスカスカ。ハードウェアのエフェクターとは言えどデジタルですからこんなものなのでしょう。さて、ボタン電池のソケットを探しますが、それらしいものが見当たりません。

 「電池は電池ソケットに装填されている」との思い込みがあったので気付くのに数秒かかったのですが、見つけた電池は何と言えば良いか、基盤から伸びた2本の端子に直付けされてました。見た目に反してガッチリとくっつけてあり、軽く手で外すことが出来ません。萎えた。交換するときのことを考えるとソケットにしておくのが普通だと思うのですが、こういう装着の仕方も一般的なのでしょうか。
 そこでまたいつものように珈琲を飲みながらアレコレ考えました。久々に秋葉にでも出向いてソケット買ってきてハンダゴテ握って工作しようか…とか。しかし年に1度使うかどうかというエフェクターの電池のために時間をかけてそこまでするのもどうかと。今回電池交換したら、次に交換するまでこのエフェクター自体が手元にあるかどうかという疑問もある。というわけで今回は力技で解体することにしました。用意するのはカッターナイフとかマイナスドライバーとか。

 ここから10数分かけ、そこからボタン電池を引き剥がすべくガリガリと接着部分を攻撃。カッターで切り込み、精密マイナスドライバーで隙間を広げ、ピンセットでねじ曲げる等々。基盤から端子が抜けてしまわぬように注意しながら、ようやく電池を開放することができました。やはり電池はソケットにお願いします。

 交換する電池は一般的なCR2032。近所の100円ショップで買ってきました。使用期限は2016年6月までとあるのですが、これはその期限まで電源がもつという意味なのか、それともその期日までに使用開始しないとダメ、ということなのか今一つよく分からなかったのだけれど、まあこれから使い始めるのだから十分でしょう。

 電池を取り外すためにグニャグニャにひん曲がった端子を適当に伸ばしてそれなりに曲げて(バネのようにして)電池を挟み込みます。それだけだと心許ないので、電池と基盤の設置面に少し瞬間接着剤をつけて固定。
 改めて電源スイッチを入れ動作確認してみると、先ほどの「バッテリーもう無いよ!」表示も消えて、そのままスムーズに待機状態になりました。これで大丈夫、またしばらく使えそうです。

その掛かり具合や如何に

 せっかくここまで記事にしたので、そのエフェクトの掛かり具合をアップしてみます。まずは参考として一番分かりやすい音源にホワイトノイズを用意。最近この「ノイズ」を搭載しているハードやソフトがめっきり少なくなって用意するのに一苦労する場合がありませんか?そういう時、僕は手っ取り早くSH-101のノイズ音源を使います。


SH-101 WhiteNoise & RSP-550
RSP-550デモ
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 まず上のサンプルでは、何も掛けていないノイズの次にRSP-550プリセット55番の「Deep Swell」。その次は74番の「Jet Phasing」。最後は75番「Jet Flanging」です。どれもプリセットのまま。

 次のサンプルではドラムトラックを用意。先ほどと同じプリセットを順に適用してみました。少々歪んでいるのはご了承ください。


Drums & RSP-550
RSP-550デモ
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 最近この手の変調系ではUniversal Audioからリリースされた「MXR® Flanger/Doubler」がとても素直な感じで好感が持てるのですが、全体的に上品というか綺麗で控えめ、盛り上がりの場面で楽曲全体に薄くかける用途に向いている感じがします。その点RSP-550のフランジャー系はやたらレゾナンスが誇張されていて(もちろんここまであからさまな誇張が他のプラグインで再現出来ないところが良いのですが)、ドラムのフィルやダブミックスなんかで使うと楽しめそうです。また、今回の変調系以外に助かっているのは、今となっては昔懐かしいレトロ感もある「ゲートリバーブ系」。どういうわけかソフトウェアになってからこのゲートリバーブを再現しようとすると凄く面倒なことになってしまったのですが(リバーブ系プラグインでゲートを備えているものが極端に少ないのです)、RSPがあると一発です。