連載第53回
2014年8月17日
4年前のデータを発掘する

今夏は9月末まで、なかなかまとまった時間を確保できない状況なのだが、少し自由に出来る合間に過去データをバックアップしているHD内をアチコチ探っていたら、Night Headのアレンジ発展バージョンを幾つか発掘。発掘とは言っても大昔ではなく、最終版で4年前のものだが、存在をすっかり忘れていた。

関連ファイル発掘

すぐに発見出来無かったのは、フォルダの名前をNight Headから変更していたせい。中身のDPファイル名はそのまま。オリジナルから2004年〜2006年〜2010年と段階を経ているが、いずれもデモとして試聴出来る2ミックスが存在しないということは、納得できる状態に仕上げられないまま途中で放置していたということか。僕の性格なら十分に有り得る。

トラックレイアウト

まず最初期のDPトラックレイアウト。DP7.24で開いた状態。実質10トラックというシンプルな構成。アウトプットにMPU-101が表示されているということは、後半のJet NoiseはJD-990ではなくて、CV+GATEでコントロールしていたSH-101のノイズである。いろんなことをすっかり忘れている。20年前だし。制作開始当時のサンプラーはe64だったけれど、途中でE6400にリプレースした。

オリジナルのトラック

2002年のファイル。T-1のPianoやProphet-5が追加されているが、僕自身そんなバージョンを聞いた覚えが無いからボツだったのだろう。それ以外はほぼオリジナルのままで、例の蒸気系Prophet-5などをオーディオとして録音、配置している程度の変化。

2002年のトラック

次に2004年のファイルを開くとTC Powercoreプラグインが見つからないというアラートが表示(Powercoreはもう手元に無いけれど、今後はUniversal AudioのUADプラットフォームで展開するらしい)。DP4形式でファイル保存されているということは、ここからMacOSXになったという事で、その当時のMacはPowerMac G4 MDD。O2Rを使ったフィジカルなミックスからMOTUのオーディオIFで構成したDAWへの移行過渡期。サンプラーはE6400を手放して、ソフトサンプラーのMachFiveへ移行。E6400で作成したオリジナルのサンプルライブラリ等は、フォーマット変換してそのままMachFiveで使用。

2004年、その1

同じく2004年のトラック。新たにハードウェア音源のNord Lead 3がトラックに追加されている。Bassなどの音色の置き換えをしているのかもしれない。アレンジはこの2004年バージョンから大きく変化。

2004、その2

続けて2006年に保存されたファイルを見てみたが、内容は上述の2004年のままだった。つまりファイルを開いたものの、何の進展も無く上書き保存されたらしい。ちなみにそのファイルはDP4.61で保存されていて、当時のDPは動作も重く不安定だったから、PowerMac G4のパワー不足も相まって創作意欲が大きく削がれていた時期だったのではないか…たぶん。

2010年バージョン

最後に現時点での最新版である2010年のファイル。Mac Pro(2008)になって、ハードウェア音源、ソフトウェア音源双方共にオーディオに取り込み、DP内でミックスを完結させようと試みていた気配。アラートウィンドウの中身を見ると、時流に乗ってかソフトウェア音源の比重が大きくなっていた模様。

2010年、その1

同じく2010年のトラック。右側のチャンクリストを見ると、2004年から実に6年間放置して、2010年に作業再開したようである。我ながら気の長い性格だと思うが、しかし5月の2週間ほど作業しただけで、現在に至るまでまた4年間放置していたということは、実は気が短い(長続きしない)のかもしれない。よく分からない。

2010年、その2