ギターとは違い、パネル表面に突起物の多いシンセサイザーの類いは外観上のカスタマイズを施しにくい。もちろん、ペインティングするのは所有者の自由だけれど、ツマミやボタンの下にはそれぞれ固有のパラメーター名がプリントされていて、それを残しつつ塗装するのはかなり難しい。ただ個人的に、シンセサイザーの外観上の個性はそれら「ボタン」や「ノブ(ツマミ)」のデザインに拠るところが多いと思っていて、よく見れば、ただのボタンやノブに驚くほどメーカー毎の個性や主張が出ているのが分かる。
残念なオリジナルのノブ
Prophet’08 Module PEの購入時の状態は上のような見た目である。機能的にはとても充実しているのに比べ、全体的に安っぽく野暮ったい感じがするのは、そのノブのデザインに拠るのだろう。
キーボード版と同じノブを取り寄せる
身体を使って操る楽器はもちろん、見た目も重要なのである。ツマミを回す際の粘り気のある重さは良いのだが、どうしてもオリジナルのノブの見た目に我慢できなかったので、DSIのオンラインストアでノブを注文して交換したのは今から3年前、2013年の事。今更だが、何となく日記カテゴリに備忘録として残しておく事にした。
送られてきた箱の内容だが、3年前の購入時は封印シールに印字されている通り、3種類のノブのセットになっていた。37個あるのが、黒のキャップにインジケーターのあるタイプ、14個あるのはインジケーター無しの黒いキャップのノブ、そしてこれが重要なのだが、1個だけあるのはシルバーのキャップにインジケーターの印字があるタイプ。当然、それぞれどこに使うか決まっている。
ノブ交換
手始めにMaster Volumeのノブを取り外し、たった1個だけあるシルバーのキャップのノブと交換する。何故、このMaster Volumeだけシルバーなのか?それはかつてのProphet-5と見比べてみれば分かるが、Prophet-5はボリュームとマスター・チューンのノブのみがシルバーキャップなのだ。Prophet’08もその流れを踏襲しているのである。たぶん。
インジケーターの位置情報が重要になるパラメーターには黒キャップのポットタイプのノブ。
ロータリーエンコーダーには印字無し黒キャップのノブ。
ところどころ、抜くのも挿し込むのにも苦労する、非常に固いノブがある。当然、抜く時には使えないが、そういうパラメーターにノブを挿す場合は先に内側へCRE 5-56を軽く塗っておく。
たかがツマミ、されどツマミ。ProphetもMOOGも、もちろんその他のメーカーもそれぞれに個性溢れるノブをデザインしている。最近のお気に入りは、E-muの元エンジニアが興したモジュラーシンセ・メーカー「Rossum Electro-Music」のモジュールが採用しているノブ。これはかのE-muモジュラーを彷彿とさせるデザインになっており、またエンコーダータイプのノブは美しく差別化させていて全体に高級感もあり、非常に良い。
交換完了して貫録が出た
ただツマミを交換しただけだが、精悍な面構えになった。ツマミやボタンの与える印象は無視出来ないのである。
残念なことに、現在オンラインで販売されているProphet’08 Module用ノブ・セットは、シルバーのインジケーター付ノブが廃止されてしまい、黒キャップに統合されてしまった。現行のProphet-6でもシルバーキャップのノブは復活しなかった。
2016-05-22 > Musical Instruments & Gear