連載第15回
2023年4月30日
青い部屋にAES/EBUケーブルを敷設する

QUANTEC YardStick 2496、どうしてその存在を忘れてしまうほどの長期間にわたり放置していたのか?その訳が思い出せずに色々手元に残していたメモなどを探っていたら、理由の1つが判明した。このドイツ製のルームシュミレーターの音声信号の入出力は「AES/EBU」オンリーなのである(上図背面)。入手した当時はAES/EBUに対応したオーディオIFを持っていなかったのが導入遅延の原因だったらしい。

さらに調べてみると、AES/EBUを装備しているIFという条件で「apollo 16」が適当だと分かったものの(上図)、当時既に所有していた初代のノーマルな「apollo(AES/EBU未装備)」から「apollo 16」に買い換えるまでに、また数年かかっていた。

そしてもう1つの根本的理由は、この長いモラトリアムの間に創作意欲が全く喪失してしまったことである。

ここに来て、シーラ・ラパーナ浄化作戦の開始により、多くの機材の処分が始まった中で、不意にサルベージされたQUANTEC YardStick 2496。一度も電源を入れないまま捨て去るのも不憫に思い、前回電源が入ることは確認出来たので、そのついでながら、青い部屋にAES/EBUを敷設する。

apollo 16 と QUANTEC YardStick 2496 をリンクする

apollo 16の背面にあるAES/EBU入出力にそれぞれAES/EBUケーブルを接続。ケーブルはQUANTEC入手当時に購入したカスタムメイドのAES/EBU専用デジタル・ケーブル。

QUANTEC YardStick 2496のAES/EBU入出力にケーブルを接続。ここで3つ目の理由が分かった。このQUANTEC、上の写真を見て驚くかもしれないけれど、奥行きが短くてメチャクチャ細いのである。その名の通り、棒状のスティックである。サイズ的に全く目立たないので、一度、押入れの奥にしまい込むと積読の山に隠れて視界から消失してしまうのだ。

次回、実際に動作するのか、MOTU DP10.13を使って音出しテスト。