連載第68回
2015年11月7日
水滴
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 一般にドローンという楽曲スタイルから想起されるのはどのような風景なのだろうか。広々とした空間か。この「P-S#424」には、ここ地球ではないどこか、全く生命が存在した痕跡すら皆無の名も無き宇宙の片隅の何処か、というイメージを持っている。そこに「水」を思わせるような音をちりばめたいと考えたのは、水(もしくは何らかの液体)は、たとえ生命を誘発することはない環境だとしても、そこにあり得る状態の一つであるということ。岩石や砂、真空や炎ばかりでない、宇宙を多彩にする物質の形態バリエーションの一つとしての液体。それを音で具象化したいのだが、自然音のサンプリングはしない。

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 Nitroには幾つかの水滴プリセットを作成して、4本のバリエーション違いのオーディオファイルを作成。

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 EQで不要な中低域をカット。

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 「ポツン」という感じになるよう、トランジェントを短く調整しておく。