連載第24回
2017年4月23日
MOTU DP9.13 アップデート

DP913_1
 どんどん世界の片隅に追いやられている感のあるMOTU DP。もうそろそろ「DPX」とかいう取ってつけたようなネーミングで(Oberheimのアレじゃないよ)、いつものようにバグ満載のメジャーアップデートを発表するのではないかと思っていたら、ちょいとばかりの機能向上とバグFIXを施した9.13がリリースされた。今回は非常に珍しく、企業としてまともな対応を見せたのではないか。「10」に上げる前に、ひたすら「9」をバグの無い正常な状態にまで洗練させて欲しい。とは言え、個人的にバグの悪影響を受けるような作業はしていないのだけれど、とりあえずアップデートしておく。

でもダメだった

 早速インストールし「Overture」のプロジェクトを開こうとしたが、レインボーのグルグルが永遠に止まらない。Macを再起動したりしたけれどダメ。一旦9.12で問題なくファイルが開く事を確認してから再度9.13で読み込んだら無事展開したので、たぶん何かタイミングが悪かったのだろうと思ったが、外出のためにMacを落とし、帰宅してから作業を再開しようとしたらまたグルグル…。
 おそらく、何かのプラグイン読み込みがうまく行っていない感じがするのだけれど、9.12では問題なく作業を進められるので残念ながら9.13は封印することにした。今回もやはり安定のMOTU DPアップデートだった。

バージョン9.1.3の改良点

・ハードウェアインサートプラグインのレイテンシー認識を強化。レベルメーターを追加し、設定ペースト時のバグを解決。
・32,000以上のMIDIトラック/プロジェクトを実現。
・Softube対応を強化。
・Melodyne対応を強化。
・VST2プラグインのレイテンシー補正を強化。
・VEPと可変レイテンシーを持つバーチャルインストルメントの対応を強化。
・RME Firefaceドライバの対応を強化。
・あるプラグイン(MX4等)でサイドチェインバス名に数字が付かないバグを解決。
・フェードを持つサウンドバイトを含んだリージョンを削除する際に起こりうるクリックバグを解決。
・フェードを持つサウンドバイトの最初をエディットした際に起こりうるフェードのテールに発生するクリックバグを解決。
・イベントチェイシング機能でフェーダーや他のウインドウ上のコンポーネント表示が正しく更新されない問題を解決。
・既存プロジェクト起動時にメインカウンターのフォーマットが正しく再現されない問題を解決。
・タイムスタンプが> 0x7FFFFFFFのWaveファイルが正しく機能しないバグを解決。
・ポップエディット時のサウンドバイトのインサーションポイントへデータをペーストした際にデータが正しい位置に配置されない問題を解決。
・トラックセレクタ表示中のチャンクを削除した際に起こりうるクラッシュ問題を解決。
・ポップアップメニューの動作問題を解決。
・ピッチベンドデータ削除直後のMIDIノートのエッジエディティング時に起こりうるクラッシュバグを解決。
・サウンドバイトボリュームでスケールツールを適用した際、再生時に変更が正しく反映されない問題を解決。
・エディターウインドウを閉じる際に起こりうるクラッシュバグを解決。
・ミキシングボードレイアウトの読み込み問題を解決。
・ピッチバーエディット時のマウストラッキングを向上。
・ムービーバウンス時のフィルムスコアリングイベントのフレームレート問題を解決。
・Windowsインストーラーのコード署名問題を解決。