デイヴィッド・シルヴィアンの写真展「abandon/hope」が青山のスパイラルガーデンで開催中ということを先日聞きつけて、ちょっと足を運んできました。僕としては数年振りと思われる表参道界隈、原宿からテクテクと大通りに沿って歩いたワケなのですが「おお、これがあの表参道ヒルズか」と、10年前とはガラリと変わったような、しかし本質的なところではまるで変わってないような、そんな街並みに気を留めることもなく、その写真展が開催されているというスパイラルに向かいました。たぶん同じ場所にスパイラルホールってのがあったような気がしますが、遥か大昔、そこでダムタイプ(dumtype)のライブを観たことがありましたっけ。重低音と照明とスクリーンに投影された映像が強く印象に残ってます。
閑話休題。昨年の「glowing enigmas」からほぼ1年、比較的短期間で再び写真展開催となったのですが、作品自体は90年代にずっと撮り続けていたものだとか。なので前回がポラロイドでの撮影(必然として近距離の対象を捉えることになります)という明快なコンセプトで統一されたものだったのに対し、その点で今回は割と自由な感じがします。僕は写真についてうまく言葉で感想やら解釈やらを書く事が全く出来ないし(その不可能性が僕自身とても興味深いんだけれど)、またシルヴィアン本人による今回のテーマへの言及もうまく咀嚼出来ないのですが(しかし「希望が沈黙しなければならない…」というくだりは、とても興味深いんだけれど)、展示されている作品を見て気付いたのは
人がまったく写っていない
ということだったりします。いや、確かに写真やTV画像、絵画などを中継してフレーム内に人型は居たりはするのだけれど、でもやはりリアル感はありません。もしかして人への希望を失ったのかしら(abandon:断念)…とまでは思わないが(いや、案外その可能性はあるかも)、全体を統一している色調からしてここには情熱のようなものは希薄です。
作品は購入可能ですが、僕は庶民らしく写真集(スペシャル・ヴァージョン II)を買いました。
■スペシャル・ヴァージョン I 限定50部
写真集2冊組/ハードケース+5×7インチオリジナルプリント2点(hope/abandon各シリーズより)+プレイボタン。作家のサインとナンバリングが入っています。
38,850円
■スペシャル・ヴァージョン II 250部
写真集2冊組/ハードケース+プレイボタン+作家サイン
7,400円
■写真集2冊組/ソフトケース 400部
5,040円
嬉しい直筆サイン入りだけど…辛うじて「S」が識別出来るに留まっています。
2013-07-31 > 放談ラジオ