連載第46回
2013年9月1日
8月の電気代3,663円ナリ

 あまり気にかけていなかったのだけれど、聞けば記録的猛暑だったという、うだるような暑さがひたすら続いた2013年の夏も、ひとまずピークは過ぎた模様。先週は何となく秋めいた気配がそこかしこに感じられたり…とは言いつつも引き続き残暑の厳しい夏になりそうだという予測の通り、一日の最高気温は未だに30℃前後を推移、たまに33℃近くまで上昇する日もあったりするのですが、あれだけの長期に渡って猛暑が続けばとりあえず30℃前後なんて全然涼しいものよ、と感じてしまったり。肉体的にちょっぴりスーパーマン化したような気もして、まあ、何にせよ強靱になるということは良いことじゃあ〜りませんか、たぶん。

 しかし忘れてならないのは、少なくとも僕が生きている間は今後もじわじわと地球の平均気温は上昇し続け、もはや下がるということは無い、という事です。今夏程度の暑さで参っていたら、残りの人生にやがて必ず訪れるであろう「もっと凄まじい夏連続攻撃」を生き抜くことなど出来ないのではないか。

 この半恒久的(?)温暖化の原因がCO2にあるのなら、そして「ならばもっと強力なエアコンを!」というイタチごっこに自ら飲まれて行くのなら、そのCO2発生の抑制&効率的に電力を供給するためにお手軽な原子力発電はいかが♡という流れを作りやすいということは、以前観たドキュメンタリー映画『不都合な真実』の裏テーマだったりしたのですが、いろいろ考えた末、僕にとって最も速効的で効率的な温暖化対策は「手っ取り早く暑さへの肉体的耐性を付けてしまう」ことだった…というのは件の映画感想文に書いた通りです。それを実行に移してから早6年ほどの年月が過ぎ、今ではそこそこに期待通りの肉体改造は進んだように思います。早くその事に気付いて、まだヌルいうちに始めておいて良かったというわけ。で、今夏も自宅では全くエアコンなしで8月の電気代は

3,663円ナリ

 今年は4〜6月それぞれ2千円台半ばだったのだけれど、7〜8月に3千円台にアップしたのは、冷蔵庫・冷凍庫の温度設定を「強」にしたこと(豆乳がすぐに傷んでしまうので)、iMacをCPUフルパワーで酷使した日が少し続いた事が原因と思われます。

風を味方に

 しかしこの夏を、いくら肉体的に耐性を付けたとは言え、エアコンはもちろんのこと、扇風機や団扇さえも使わずに、どうして自宅で過ごせていられるのか?今回はその理由をタネ明かししちゃおうと思います。分かってしまえば答えは実にシンプルです。

風を味方につけているから。

 猫を飼ったことのある人ならすぐ思い当たるでしょうが、彼らは夏は涼しい場所、冬は暖かい場所を良く知っています。単に僕も部屋の中で居場所を変えているだけなのです。夏の季節はズバリ、窓際待機です。
 開け放った窓、そこから吹き込んでくる風で、十分に身体の火照りを冷ますことが出来るのです(まあ、部屋ではトランクス一枚だけど)。実は正直に言うと、今年の夏は凄く過ごしやすかった、というか涼しい夏だったなあという印象の方が強く、数年前に経験したような夜中にも汗をダラダラかいてタオルでしぼれるくらい拭きとっているような日は一度もありませんでした。ほぼ毎日、涼しい風が吹き込んできて気持ちよかったくらいです。今、古家具机を窓際に移動させて、Airタンでこの記事を書いているのは9月1日の夜なのですが、今夜もやはり涼しくて気持ちよい夜。これも風のおかげ。

さらに加えて「アレ」が無いおかげ

 さて、これから今回の記事の本題です。この「部屋のレイアウトを季節に合わせて変更するだけ」という、聞いてしまえば脱力してしまうような簡単な避暑対策を可能にしているのはそもそも何なのだろう?としばらく考えていたら、答えが分かりました。

TVが無いから。

 大抵の場合、部屋のレイアウトを決定し、その状態を長期間固定させている要因はTVにあります。まずはTVの位置を決め、それを眺める場所(多くの場合、それはベッドなのでしょうか?)が自動的に決まる…すると、それを変更することはままならなくなる。それでなくてもTVを移動させるのは億劫なのに、その他全ての調度類もまたテレビを中心として配置し直すことになる。そんな面倒な事を半年毎の短期に行うのは、かなり気合いが必要な気がします。TVが無いと、普段は気付きもしないそんな縛りから見事に解放されるのです。

 僕はTVを手放してから10年以上経っているのだけれど、当時はブラウン管の33型という巨大かつ高画質&重量級のものを持っていたので、やはりその支配下におかれていたと思います。しかし今では薄型の液晶テレビが主流となり、重量も軽くなっているような気もしますし、昔に比べたら女性でも部屋の中を移動させるのは簡単なのではないでしょうか。一度、目には見えない風を探して、気分転換を兼ね部屋のレイアウト変更など楽しんでみては如何でしょう。

最近、天気予報を見るとき、天気や温度以外に、風向きと風速もチェックするようになりました。今は分かる、風って、重要です。