まわるフリフリのフリ
放談ラジオ

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放談ラジオ ― 連載第67回

久々に土に触った

2014年11月29日  

 このブログでは常連とも呼べるカネノナルキ。黙として語らない、数少ない友人の一人である。彼らは10年前に買ったゴッツくて重い、それはそれは頑丈な木製の植木鉢に入れていたのだけれど、先日、陽の角度も変わってきたから少し移動させようと持ち上げてみたところグニャリと歪んでバラバラと崩れ、空いた穴からボロボロと土がこぼれ落ちてきた。長年雨風にさらされ、あんなに屈強だったものが知らぬ間に朽ち果てていた…そこでお引っ越し。

 カネノナルキをサイズに合わせて選分け、適当な鉢に移動させ、しばらくスコップでこぼれた土をすくい上げて詰めていったのだけれど、そのうちスコップを使うのが面倒になって直接手で掴んでみたところ、その手触りにハッとした。

メチャクチャ気持ちいい。新鮮。

 土いじりなんて子供の頃は日常だったのに、気がつけばもう土に触る事自体が非日常と化していた。久々に触った土があまりに気持ち良くて、しばし土遊びしてしまった。

 すると長さ10センチほどのミミズが小さく固くなっているのを発見。おそらく寒くなってここで冬眠状態に入っていたと思うのだけれど、はて、このミミズは一体どうやってこの植木鉢の中にやって来たのだろうか?以前、スコップでいじった時には見かけなかったし、ものすごく不思議である(もしかして卵の状態で混じっていたとか?)。この長さになるまで、植木鉢の土の中をグルグルと這回っていたのだろうが、栄養はちゃんと足りていたのだろうか。
 雑草などは、風に種が運ばれて偶然ここに着地したものが根をはるというのは理解出来るけれど、このミミズがどのように移動してきたのかまるで想像出来ない。時折りアスファルトの上で干からびているのを見かけるが、ああやって冒険に旅立った中から幸運にも新天地にたどり着いた者が、世界を押し広げているのかもしれない。新しい鉢に入れておいた。

 ミミズはともかく、適度に湿って粘度もあり、そして良い塩梅の粒度を持った土を触ると心がとても和らいだ。あの世には天国も地獄もなく、人は死んだらただ土に帰るのが至極当然なのだと思った。