連載第113回
2024年6月3日
Sugakiya スガキヤのインスタントラーメンを近所のスーパーで発見して我が青春の日々を思い出す

去年、2023年の5月に、近所のスーパーで偶然「サッポロ一番 元祖ニュータンタンメン本舗監修」というサンヨー食品サッポロ一番ブランドのコラボ企画食品を見かけ、個人的にはこれまでの人生において坦々麺にはまるで関心がなかったのだが、たまには「塩らーめん」以外のものも食べてみようかと思い試しに買ってみた。早速食べてみたら、自分にはなかなか挑戦的な辛さのスープと硬めの麺が旨くて気に入り、30℃超え連発の夏に突入してからはさすがに食べる意欲は無くなったが、少し涼しくなった10月下旬以降から復活し、この初夏まで2週に1度くらいの頻度で食べてきた。

ところが最近、近所のスーパーでの取り扱いが無くなり、さらに隣町のスーパーへ遠征しても5食パックが商品棚から消えて、代わりに物価高&実質賃金低下時代に適応した3食パックが若干置かれているという感じで、次第にタンタンメンの入手が難しくなってきた。

偶然目の前に現れたスガキヤのインスタントラーメン

そんなある日、近所のスーパーの商品棚に溢れる競合他社の強力なブランド袋ラーメン達の端っこに、「Sugakiya」の文字とキャラクターのプリントされた商品がひっそりと置かれているのを発見した。驚きである。何より、袋麺として商品化されているのを初めて知った。

まさかこの土地で「寿がきや」のインスタントラーメンが手に入るとは!

上京して間もない頃、たまたま訪れた神奈川県日吉の街で、偶然「寿がきや」がテナントとして入っているところに出会し「関東でスガキヤとは珍しい!」この機会を逃したら次はないと思い早速お店に入って食べたことが1度だけある。その後、日吉に出向くことは無かったし、その他の近隣地域でもスガキヤの看板を掲げた店を見かけることもなかった。

▶︎懐かしい味に記憶が引き出される

ノンフライ麺を簡単に2分ほど茹でてスープとかくし味をまぜ、記憶が裏切られたらどうしようかと恐る恐る食べてみた。ああ、なるほど、こんな味だったっけ、懐かしい。塩なのか豚骨なのかよく分からないスープもうまく再現できていると思う。かくし味で添付されていた粉末の香りを嗅ぐと、ああ、これは鰹の風味だったのかな?と数十年を経て初めて気付いたりした。

まだ中学〜高校生の頃、住んでいた田舎町の駅前に寿がきやがあり、そこで何度もラーメンを注文して食べた。高校の部活帰りには、仲間と一緒に入って、少し小遣いに余裕があれば玉子入りを注文したりした。基本のラーメンの値段は、当時で190円だったように思う(それ以前は180円だったような気がする…)。卵を1個追加すると210円だったのではないか。麺の歯応えもスープの味も旨くて大好きだったし、何より値段の安さが貧乏学生にはとても助かった。なかなか奇妙ではあるが、ラーメンを食べ終わった後にまだ小遣いに余裕があれば、ソフトクリームも注文して食べた。懐かしい。

この3食パックは、近所のスーパーで398円(税別)で売られていた。単価はサッポロ一番より高いけれど、それに見合う満足感は得られる。袋ラーメンの商品棚は激戦区なので、いつまで取り扱ってくれるのか分からない。そもそもスガキヤ本体の経営は大丈夫なのだろうか?リアル店舗は関東からは完全に撤退済みで、本拠地周辺でも急激に数を減らしているように見える。

ただ、定期的なスーパー買い出しの度にチェックしていると、Sugakiyaの袋ラーメンは地味に売れているようで、棚が空になっている時も幾度かあった。自分と同じ生活圏の何処かに、僕と同じく「寿がきや」の味を懐かしく思っている人が居るのだ。