まわるフリフリのフリ
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フリフリのThunderbolt大作戦! ― 連載第70回

MacからFLASHを引っこ抜いたらネット世界はどう見えるか?

2014年11月4日

 定期的に新しい脆弱性をインストールしに来るのがお仕事になって久しいFLASHプラグイン。忘れた頃にやってきて更新しろ!さもなくば悪意に憑依されるぞ!と迫ります。思えば僕は何のためにこのFLASHプラグインをインストールしているんだっけか…?今更そんなことを確認すべく、一度Macから引っこ抜きたいと思います。さてそうすると世界はどう見えるのか?という実験。

システム環境設定をチェック

 実はこれまで全く気にしてなかったシステム環境設定内に佇んでいるFLASH。今回の実験を始めるにあたり、初めてそのアイコンをクリックしてみました。

「サイトごとのローカル記憶領域設定」というボタンが気になるのでクリックしてみると…。

 見るからにこれはヤバい!というURLの数々。全く記憶に無いのだけれど…と下手な言い訳をしつつ画像加工は必須。

 ひとまず閉じて「すべて削除」をクリック。もうアンインストールしてしまうのだから、徹底的に削除。とは言ってもこれまでFLASHコンテンツを買ったりダウンロードした事は皆無なんですけどね。

 そんなワケでよく分からないけど認証とやらも解除。

 そしてローカルに置いてあったFLASHのインストーラーユーティリティでアンインストールを実行。

 とまあ、こんな感じでFLASHプラグインのアンインストールは問題なく完了しました。

 では、これから新しい世界を目の当たりにするワケなのですが、FLASHのお世話になっているサイトと聞いて「はて?」と少し考えてしまいます。つまり、そのサイトがFLASHを使っているのかどうかなんてこれまで全く意識したことが無かったから判らないというか…。とりあえず思い付く順に疑わしいサイトを訪問してみます。

bandcamp

 まずはイチ押しのサイトから「bandcamp」全然問題ない。最近、知らない音楽との出逢いに利用するのはもっぱらこのバンドキャンプ。ただ、登録されている楽曲が大量で、スムーズな未知の音楽との出逢いの仕組みがまだ練り切れていないところが難。なので、まずはジャンルレスにトップページに掲載されている週替わりの「Bandcamp Weekly」という1時間強のプログラムを聞いて何か心に響くものはないかサクッとチェックします。その後、個人的には主に「実験音楽(experimental)」のカテゴリーを彷徨っていますが、やはり自分の作る曲を自分で聴いているのが一番イイ。

Radiko

 対してのラジコは…ダメですねえ。未だFLASH必須だそうです(たぶんプレミアム会員になっても状況は同じでは?)。でも、ラジコのiPhone用アプリをiPad 2 で使っていて全然問題ないというか、iPadの内蔵スピーカーでチープな音を出しているとラジオっぽくてノスタルジーに浸れます。ただし当然ながらiPhoneアプリだと小さくて使い難いので、有料で構わないから早くiPad専用アプリを別途用意して欲しいとは思います。

Youtubeとvimeo

 動画サイトの両雄。本家サイトは両方とも全く問題無し。庶民向け動画のYoutubeに対して、業界セミプロ上級者向けのvimeoと棲み分けが出来てます。というか、この2つは自分から積極的に見に行くことはほとんど無くて、twitterやネット記事内での紹介など、ワンクッションを置いてそのリンク先を見てみるという感じ。最近の小学生なんかは、聞きたい音楽があればYoutubeで探すのが当たり前になっているらしいけれど、世代的なものなのか僕にはその感覚は無いですねえ。そう言えば一時期「Silverlightプラグインをインストールしてください」という警句が頻繁に見られた時期もありましたが、今はもうすっかり見かけなくなりましたな。

 ただし、ユーザーがブログなんかに埋め込んだものに対しては不具合の出る場合有り。

 例えば上図のように、動画をobjectとしてエンベッドしてるのはダメみたいです。flfl.meのサイトでは<iframe>で埋め込んでいますが、これだとFLASH無しでも大丈夫。

 余談ですが、最近見た動画だとこれがとても素晴らしくて感動しました。自然に笑いが込み上げてきて、何かツライ事があってもこれを思い出すと全て吹っ切れるというか、何かしら得体の知れぬパワーを持つフッテージです。決して中の人達が頑張っているワケでもなく、また視聴者に元気を与えてくれるワケでもなく、つまりそこにはどうしても世の中の不条理と向き合って生きねばならない、そういう時に必要な諦念があると。いや、ホントに素晴らしいです。

映画公式サイト

 その昔、FLASH前提で作成されていたコテコテ劇重サイトの印象が未だに強くて、たとえ興味のある映画であっても、いわゆる公式な映画作品サイトにアクセスしようとはもう全く思いません。サイトを作る方も苦労しただろうし、ユーザーとしてアクセスし、その「コンテンツ(←あえてこう言わせてもらいます。サイトコンテンツ、という文脈と解釈してください)」の中身を探し回るのにも苦労する割には、得られる情報は少ないという映画公式。そんな感じで今回の企画の為に初めて『GODZILLA ゴジラ』の日本版公式サイトを見てみたら…意外にも普通に閲覧できました。

 これはFLASH有り・無しを判別しているのか、端からFLASH不要でこういうサイトなのかは判らないのですが、しかし映画公式サイトに求められているものって何なのでしょう…と改めて考えてしまいました。「全世界興収No.1」という情報など全く必要としていないことは確かです。ところで来年の2月25日に発売の決まったDVD・BDなんだけれど、いろいろ言いたいこともあった作品ではあるものの、好きなキャラクターであるのは違いないし、とりあえず売り切れて後悔しちゃう前に【Amazon.co.jp限定】GODZILLA ゴジラ[2014] 3D&2DBlu-ray3枚組(スチールブック付き)を予約しておきました。フィギュアには全く興味が無いので最上位パッケージはスルーです。

東京アメッシュ

 他に何かそれっぽいサイトはないだろうか…と考えていてココを思い付きました。なんか見た目にFLASHっぽい感じがありましたし。でも全然ノープロブレムでした。

大人なサイト

 主要大手大人ビデオメーカーのサイトをザックリ見て回った印象では、大半のところでサンプル動画再生にはやはりFLASHのインストール(あるいはwmvプレーヤー)が前提になっていて、多くが動作不可のような感じがしました。まあ、これ以上深堀りはせずにおきましょう。見た目がスーパーのチラシサイトな世界はどんな分野であれ苦手なのです。ただこのジャンルでも、パッケージ販売からダウンロード販売に軸足を移している意識の高いサイト(?)ではHTML5で再生可能にしているところもあるみたいで(でもまだ半々かなあ)、そういうところは見た目もシンプルかつフラット化しているのが興味深いです。

レディースファッション通販【チェリースプーン】

 ここさえ無事なら大丈夫。モデルのミントちゃんの笑顔を見ると明日も頑張れる。上図は季節的に秋バージョンということで若干憂いのある表情ですが、笑顔はホントいい。というかこのサイトは端からFLASHなど関係なく、長大な画像をボン!と貼り付けているだけという骨太さが潔いです。

まとめみたいなもの

 今回、MacからFLASHプラグインを引っこ抜いた状態でネット世界を眺めてみて一番驚いたことは何か?

特に問題ない

 そもそも今回の企画の発端はブログ記事を書いている最中に「最新のFLASHにアップデートしてください」のアラートに迂闊にも応えたら、それまで記事の参考に開いていたSafariタブを全部閉じられ、しかも再起動後に復帰しないという最悪な仕様に激憤したからです。しかし実験前はかなり閲覧不可なサイトが溢れるのかなと思っていて、必要に駆られまた再インストールするハメになるという展開も予測していたのだけれど、いざ蓋を開けてみると普段チェックしているサイトは全然普通にブラウズ出来ることに驚いてしまいました。まあ、上のチェック例から見ても分かるように、これは僕自身の視野が狭いことも理由にあるかと思うのですが、例えばテレビ局関連とかゲーム関連等の専用サイトは普段全くアクセスしないので、日常ではFLASHの有無による影響を端から受けないのです(そういうサイトは既にFLASH不要なのかもしれないけど)。また、Macからだと蹴られてしまうサイトも、iPadでアクセスすると普通に見れちゃったりする場合もあるので、FLASHが無いと世界に絶望しちゃう…というような状況は既に過去のものになっていたようです。知らなかった。

 あのジョブズの一撃以降、iPadの発売開始もあってか予想以上に脱FLASHの動きは進んでいたようで、主軸はスマホ・タブレットに移行しているんでしょうね。これに気付いてしまうと「なんで毎回律義にプラグインの更新してたんだろう」って拍子抜けしてしまいます。今はとてもスッキリして清々しい気分、このままFLASHとはおさらばしてしまうことにします。みなさんも一度お試しあれ。

以上は、あくまで僕個人の日常でブラウズしている範囲での判断です。よく分かりませんが、人伝えにaction scriptは割と評価高かったような印象があります。