連載第54回
2014年5月17日
AirたんにMAMPをインストールしてみる

 前回、MacBook Air用のCSSをザックリ作ってみたところで早々となんちゃってRWD作業を一旦終了させてしまったのですが、第51回で作ってみたiPhone用のレイアウトを眺めていると「これからはもうウェブじゃなくてアプリ」というのも頷けます。基本的に写真とテキストだけなんですよね、ウェブは。たぶんこれから一般ユーザーは、リッチなアプリの提供する、よりターゲティングされた情報に囲われてゆくのでしょう。そこで方々で指摘されているように、アプリとウェブの間には柔らかな断絶が生じるのだろうけれど(Flashで構築された映画公式サイトのような感じ)、その変化の中で旧態然としたブログ日記を成り立たせるにはどうすればよいかと考えると、まあ、ほぼ備忘録用途の日記なので別に自分以外の読者のことを考える必要もないのですが、差し当たっては、よりオタクになればなるほど醸成され良い日記になってゆく気がします。自分が偏愛するものに集中しろ!と言うわけです。

MAMP?

 さて。今回からしばらくは、すっかり忘却の彼方へ消え去ってしまったWordPressの使い方を思い出すシリーズとなります。まずは前回までに作成したRWDっぽいモノをWordPressに落とし込むのですが、3年前に当ブログflipflipflip.comを組み立てた時は何百回もサーバーを行き来して非常に疲れました。そこで、公開するまでの準備作業はローカルのMacBook Air内だけで行いたいと思っていたところ、以前Coda 2の日本語取説代わりに購入した『CodaでつくるWebサイト制作入門』に面白そうな作業環境の構築法が紹介されているのを発見。説明によると「MAMP」というパッケージをMacにインストールすれば、Apache・MySQL・PHPがMac内で動くようになるので、わざわざサーバーにアクセスして制作途中の動作確認をする必要が無くなるらしい。そう言えば、Mac自体をサーバーに見立てて作業してる記事をたびたび見かけたりしたけど、こういう事なのですね、たぶん。

MAMPインストール

 早速「MAMP」にアクセスしてフリー版をダウンロード。普通に進めて行くとPro版も同時にインストールされてしまうので、カスタマイズで「Pro版」のチェックを外しておきます。Pro版は複数サイトの管理・設定変更等が可能な高機能版らしいのですが(6千円弱します)、今回はまずフリー版のみで作業を進めてみます。

 フリー版のインストールが終わると、MAMPフォルダがアプリケーションに入り、その中にサーバーで見慣れたbinとかcgi-bin等々が確認出来ます。MySQLなどはdb以下に収められているようです。
 htmlやphpファイルは「htdocs」フォルダの中に保存するように、と「お読みください」に書かれていました。

MAMPの設定

 MAMPアプリを起動すると、画面のようなウィンドウが表示されるので(↑)まずは諸設定を。とは言ってもよく分からないのですが、何となく適当に設定しておきます。問題があれば随時変更。

 スタート/ストップはこんな感じ。

 とりあえずポート番号はMAMPデフォルトのままにしておきます。

 PHPのバージョン。当ブログのサーバーは5.1.6で動いているのだけれど、ServersMan@VPSの方は5.3.3です。ちょっと悩んで、PHP 5.5.10にしてみます。
 Apacheタブはドキュメントのルートディレクトリを設定出来るのですが、特に変更せずデフォルト(htdocs)のままにしておきます。

 OKを押してMAMPウィンドウに戻り「サーバーを起動」ボタンを押すと、Safariが次のページにジャンプしました。なるほどウェブサーバーが起動して「http://localhost:8888/」の仮想URLにアクセスしているんですね。このページにはMAMPのウィンドウにある「スタートページを開く」でいつでもアクセス出来ます。

 そのページのメニューにあるツール・タブから「phpMyAdmin」を選ぶと次の画面が開きました。データベースを管理するツールで、DBの追加やユーザー設定などを行えます。以前、サーバーにwebminをインストールする時に、このphpMyAdminとどちらにするか悩んだんですよねえ。

MAMPとCoda 2を組み合わせる

 次にCoda 2でMAMPフォルダ内のMySQLを使えるように設定します。Coda 2を起動して、ローカル作業用の新規サイトを作成。

サイト・タブ設定例

  • サイト名は適当なものを入力。
  • ローカルURLには「http://localhost:8888/」。
  • ローカルルートにはアプリケーションフォルダ>MAMPフォルダ>htdocsを設定します。

 次にMacBook Airのローカル内で起動しているMySQLのデータベース接続先を指定します。サイト設定タブからデータベースを選んで次のように設定。

データベース・タブ設定例

  • タイプをMySQLソケット。
  • ソケットには「/Volumes/(HD名)/Applications/MAMP/tmp/mysql/mysql.sock」を入力。ソケットを指定するとポート番号って指定不要なんですね。
  • ユーザー名とパスワードには初期設定のままデフォルトの「root」を入力。

 次にCoda 2のファイルメニューから「新規タブ」>「MySQL」を選んで、データベース用ウィンドウを開き、プルダウン・メニューから新規のデータベースを追加します。ここでは適当に「My_DB」とでもしておきます。エンコーディングはUTF-8で。

 ブラウザで表示中のphpMyAdminをリロードすると、Coda 2から追加した新規データベースが表示されているのが確認出来ます。今後のWordPress作業はこのMy_DBを使います。つづく。

長くなってしまったのでWordPressのローカル作業環境設定は次回に。