連載第46回
2012年9月30日
蝉時雨:その3「ピアノに残響」

 この曲もいつもの僕のスタイルに沿ってAパートとBパートに分かれていて、Aパートはピアノのフレーズが適当に繰り返し鳴っています。その鳴りをどう響かせるか、というのがピアノに限らず最近すごく興味があるというか楽しくて仕方ない工程なのですが、ここのところ活躍の場面が多くなっているAtiverb 7に今回も登場願いました。「部屋で子供がピアノ(もちろんアップライトです)練習している風景」というイメージなので、その名も「Guest Room」というそのまんまのIRを使ってみました。こういう古くさい感じの響きが以前から大好きです。


蝉時雨 ― working in progress ―
蝉時雨 ― DEMO / SAMPLES ―
flfl.me

 そして時折「カーーーーン!」と遠くに響いているのは相変わらずFLUX VERBなのですが、これは後でもうちょっと修正するとして、今回はピアノの音場のほとんどをAltiverb 7で構成しました。とてもリアルに響いてくれて良いです。2010年にミックスしたときはDP7付属のProVerbを使っていましたが、今回全部差し替えました。いやあ、こんなチマチマした作業がとても楽しい。まだまだつづきます。