連載第35回
2013年6月2日
梅酒2013

 普段、お酒は全く飲む習慣がなくて、せいぜい暑い日に仕事でぐったりしちゃった時なんかに、ビールを一缶買ってきて最初の一気飲み(だけ)を嗜む程度なのですが、梅酒はどういうわけか子供の頃からサイダー割りなんかで飲むことがあって、まあ、甘いから単純にジュースっぽくて美味しく感じたからなんでしょうが、お酒を買うということ自体が稀なので高校以降はしばらく離れていたのだけれど、ここ数年またよく飲むようになりました。とは言ってもガバ飲みするわけでもなく、睡眠導入的にお猪口2杯くらいがせいぜい、しかし昨年漬けた梅酒4リットル×2瓶分のうち1瓶が残り少なくなってきたので、補完として今年も2瓶分作ることにしました。

 週末、スーパーに買い出しに出かけたらちょうど店頭に梅が並んでおり、値段もかなり手頃感があったので今年は3袋買いました。

しかし全くコダワリは無い

 では、かなり素材の品質などにこだわりを持っているのかと言うと、全くそんなものは持ってなくて、作り方なんてチョーテキトー。とりあえず大きな失敗を避けるためにネットで紹介されている作り方などを2、3参考にして既成のパーツを合体させるだけです。まず梅を簡単に水洗いして半日ほどかけて乾燥させ、爪楊枝でヘタを取り除くのですが、割と爪楊枝はすぐに先がヘタってくるので、結局精密マイナス・ドライバーを使いました。しかしこの作業をしている間に部屋中に梅の香りが充満してそれはそれは幸せな時間を過ごせます。たぶん近親だからでしょうか、桃の香りにとても近くてウットリします。

お酒でいつも迷う

 梅酒を漬ける時にいつも迷うのがお酒。お酒のことはまるで詳しくないので、どういう種類のものを選べばよいのか全く見当も付きません。昨年は結構豪華な感じのする焼酎をチョイスしてみたけれど、梅と砂糖がいっしょくたになって混合してしまうのだから結果として出来上がったのはただの「梅酒」だったりして、それが正解だったのか残念だったのかよく分からなかったりします。もちろん、その方面に拘りのある人なら違いがすぐに分かるのだろうけれど、まあ、僕の舌の感度なんてたかが知れている…というわけで、今年は梅と瓶と一緒に併売されていた紙パックのお酒を買って済ますことにしました。

 1.5kgの梅に氷砂糖1kgを投入し「サントリーブランデー果実の酒用」という1.8リットル、アルコール分35%のものを流し込みました。すると、紙パックから出てきたのは意表を突いて琥珀色の液体ではありませんか。一瞬「完成品の梅酒を買ってきてしまったのか!」とビビりましたが、これはブランデーの色だということに気付きました。しかし、これだと色味で梅酒の出来具合が分からないではないか。

透明のヤツも用意

 店頭で売られていた2種類のお酒をそれぞれ1つずつ買った結果、片方がブランデーだったわけですが、もう片方は宝酒造「果実酒の季節」という、これもまたリーズナブルな価格設定のもの。普通に透明だったので、こちらの方の色味の変化を見ていれば大丈夫でしょう。とは言え、昨年漬けた分の1瓶がまだ手付かずなので、それを普段のペースでチビチビと消化していれば1年は十分持つでしょうから問題ないと思います。
 これで現在、僕のアパートには12リットル分の梅酒が待機。今回漬けた2瓶はそれぞれ使用したお酒の種類が異なるので、味の違いが出るのかどうかが楽しみです。

でも、梅酒なんて既製品が普通に売られていて、絶対そっちを買う方が安くて美味いんじゃないかと思うんだけれど、何となく「梅酒は自分の家で漬けたものを飲む」もののような気がして、今度は来週か再来週に、梅干しを漬けます。