連載第42回
2014年4月27日
レスポンシブWEBデザイん…。

 前回とは直接関係ない話題。数年前だったか「レスポンシブデザイン」というフレーズをネットでたびたび見かけたことがあって、何となくイメージとして「ブラウザのウィンドウ・サイズを変えると追従してグニャグニャ変形するサイトの事かな?」と勝手に思っていたのですが、今回のサイト引っ越しの事もあって最近のネット界隈でのトレンドを後追いしてみたところ、どうやらブラウズするガジェットの画面サイズに合わせて最適化された見栄えに変更するサイト・デザインの事を指すらしい…。
 と、そこまでようやくキャッチアップしたのだけれど、でも「viewport」を使って画面解像度に合うようCSSを変えるっていうのなら、すんごい昔にやってたよな〜と。そこで古いバックアップ・データを深く深く掘って行って拾い上げて来た画像がコチラ(↑)。

 WordPressでブログを始める前、Mac miniをメインマシンにして、まだ手打ちHTMLでホームページをやっていた頃(書き込みの日時を見ると、2008年2月になっています)の、これは掲示板BBSを初代iPod touchで眺めている場面。初代iPod touchを日本発売開始と同時に手に入れたのが2007年ですから、割と早い時期に「viewport」でサイトを最適化していたようで、BBSも文字の大きさとか横幅とかiPod touchの画面解像度(縦向き、横向きそれぞれ)に合わせていろいろ変更させていた記憶があります。もう6年前になるんですね…。しかし、そのうち細部の手入れをせず放置したままとなり、やがて全く興味を無くしてブログに移行し現在に至ります。その理由は実に明白です。

モバイル・ガジェットでWEBサイトを見ないから。

モバイル・ファーストらしい

 世間一般の男子に見られるように、僕も自分が興味を持っている物事以外への関心は極端に低い人間です。なので、iPod touchを買った物珍しさでWEBサイトを見ていたのはほんの短期間。当然外出時にはネットに繋がらないし、自宅であっても画面は狭いし、動作も当時はまだもっさりだったし、とにかく積極的にサイトを見に行くようなガジェットではなく、もっぱら音楽プレーヤーとしての役割に終始していました。そこに自分のサイトをモバイル・ガジェットでも快適に閲覧出来るように改良してゆこうという動機は皆無でした。補足すると、ウィンドウズPCのIE各バージョンでこのサイトがどう見えているのかなんて事にも興味が無かった。しかもブログになった今でも「全く」無い。

 ところが関連記事を読み進めてみると、世間はどうやらモバイル・ファーストらしい。つまり、モバイルなガジェットで見られることをまず念頭に置いてサイトをデザインしなけりゃいけないらしい…。そう言われると、まず電車の中で人々が食い入るように凝視して指でガンガン液晶を突いているのはスマホの類。歩いている時も、食事をしている時も、(おそらく)恋人と一緒にTVを見ている時も肌身離さずカッと目を見開いて凝視しているのはスマホの方…という風景が見えてきます。ああ、なるほど、モバイル・ファーストですわ。

Retinaディスプレイの中毒性

 しかし、先日ようやく第5世代 iPod touchを購入し、改めて方々のWEBサイトを閲覧してみたのですが、そのサイトがモバイルに最適化されているかどうかは抜きにして、Retinaディスプレイの液晶画面で見るということ自体が気持ち良い、という事に気付きました。全くテキトーにデザインされている僕の当ブログですら、iPod touchでクセスし「リーダーボタン」を押してテキスト優先にした状態のものをRetinaディスプレイで見ると、見た目のバランス等はともかく、すごく読みやすいんですね。

 時間潰しには幾つか選択肢があるのに、多くの人が携帯ゾンビになってしまう理由のひとつではあるんだろうな…と思いました。Appleのトレーラーサイトでも、iPod touchのRetinaで見ると動画が凄く綺麗。食い入るように眺めてしまうワケは理解出来そうです。

 ギミックやその他の外部へ広がって行くような仕込み等を無視して、単にテキストを読んで写真を見てもらいたいだけなら、特にレスポンシブWEBデザインなど配慮しなくてもイケそうな気がしないでもありません(リーダーボタンで十分と思う)が、しかし、モバイル・ファーストが「最初にモバイル・ガジェットでの見え方をデザインし、それを少しリッチに拡張してPCでの見え方を考える」というのなら、取り入れても問題ないというか、逆にメリットがあるような気もします。つづく。

次回は、レスポンシブWEBデザインの教本を買うお小遣いが無い、というお話。