連載第6回
2020年8月23日
FLFL ついに扇風機を買う

かつてPowerMac G4 MDD(2003)をメインマシンに据えていた時期、そのあまりの爆音に辟易した経験がある。まず新品段ボール箱を開封してからの初回起動音が心臓が止まるくらいのボリュームのデカさで仰天し、続けてせっかく音楽制作目的で購入したにもかかわらず、常時盛大な冷却ファンの騒音が室内に充満するので気が散って仕方なかった。市販の静音ファンに交換などしてみたものの改善したとは言い難かった。

その点、Mac Pro(Late 2013 ※以下、黒Mac Pro)の素晴らしいところはコンパクトさや軽量だけでなく、Appleらしい「静音性へのこだわり」が引き続き徹底していることである。通常使用時では動作しているのかも判別つかない程気にならない。重い作業を行うとようやくファンが高速回転し始めるが、それでも全く気にならない。アイドル時はたったの12dBA、高負荷時においても20dBAほどらしい。

コロナ禍での屋内待機時に決断「BIGFAN120U for Men」冷却ファン購入

この8月の盆休みの際、今だ収束の兆しが見えないCOVID-19感染状況の中で屋内待機を余儀無くされた。活力の漲る若者と違い、年齢体力的に発症するとまず際どい状態に陥るのは目に見えているので、安全を期して(また既に自身が感染しているものと想定して)極力外出行動は控えていたのだが、この状況下で追い討ちを掛けるような猛暑が続いた。グレタさんは圧倒的に正しいと認識せざるを得ない酷暑で、悲運にも熱中症で倒れてしまう人が続出した。PCR検査拡充の遅れによりCOVID-19による発熱と熱中症その他による発熱の見分けが付かない体制下で、迂闊にも自分が発熱してしまうと非常にまずい。まだ窓を開放して風が入り込んでいれば大丈夫だったが、ここは安全を期して禁忌を犯すときが来た。グレタさんごめんなさい。

ついに扇風機を購入した。

『BIGFAN120U for Men』である。一辺12cmの汎用冷却ファンの電源ケーブル末端をUSB端子に置き換えた安易なアイデア商品。「シーンを選ばないUSB扇風機」とのキャッチコピーだが、たぶんシーンは限定されていると思う。製品名にある「for Men」という謎のフレーズは今の時代ちょっとアレなところがあるかもしれない。誰が何のために買ってもいい、性別関係なく必要な人に届いて欲しい。

以下、参考までに適当な写真を載せておく。

お気に入りのiPad用スタンドを活用する

一辺12cmというサイズを大きいと見るか小さいと見るか、人それぞれと思うが、購入後に案外困るのは「角度調整機構をどうするか?」であることは明白だった。個人的に風量は一定で構わないのだけれど、風向き調整をどうするかは最重要。購入検討時の脳内では段ボールとガムテープでスタンドをこしらえようかと考えたが、自在に角度を決めるのに難儀しそうである。顔だけではく、時と場合によっては背中や足下に当たって欲しい時もあろう。必要に応じて可変できるようにしたい。

そこで昔購入したiPad専用スタンド『Just Mobile Encore for iPad JTM-PD-000008』を使い回すことにした。最近、iPad用には全然使っていなかったのである。

作りは非常に丁寧で高級感があり、背面の角度可変な支柱のトルクも適度な重さがあって15インチくらいの汎用液晶モニターくらいであれば固定できそうである。当然、今回の冷却ファンには丁度良い。

以下、参考までに適当な写真を載せておく。

上京以来、初購入となる扇風機の使い心地は?

ところでこの『BIGFAN120U for Men』だが、扇風機としての性能は、一般人が沖縄より暑いと言って憚らない東京の不快極まる湿気&暑さを凌ごうとするには完全に間に合わないものだと思う。もちろん当商品も端から人間を冷却しようとは考えていないと思われる。ただ「とりあえず空気が動いていれば大丈夫」という自分に限っては必要十分である。

風量より注目すべきは「騒音値31dB」をどう捉えるか。MacBook AirやシルバータワーのMac Pro、そして現在の黒Mac Proに慣れている身としては、風切り音のノイズ31dBはかなりうるさい。Macでの作業中はヘッドフォンなどで音楽を鳴らし、紛らわすしかない。

思うに、Appleは静音を売りにした高効率な扇風機を開発・販売すべきではないだろうか。カーボンフリーな扇風機を再発明しないAppleは嫌いである。