連載第10回
2020年10月4日
やっぱりカスタマイズは楽しい

前回は多少挑発的な前文を長々と書いてしまい、記事を公開した後、将棋ファンやPC自作派の人達の気分を害してしまったかもしれないとちょっとばかり反省した。

その後、最近のApple製品はどれくらい分解し難くなっているのだろう…と思い、数年ぶりに分解記事で有名なiFixitのサイトを「Mac mini」と掛け合わせてググってみたところ、ストレートに日本語版が出来ていて驚いた。

Mac mini Late 2018の分解

さらに驚いたのは、画像に添えられた日本語の文章がメチャクチャ面白い事である。久々にカスタマイズ系記事を読んで笑いながら、笑える分解記事というものに感動した。

例えば

私たちは素晴らしいツールを作るのが好きですが、一番良いのはツールなしで何かを修理できることです。これほど幸せなことはありません。

2014年miniに搭載されていたチップは半田付けされていたため、ひどい落胆を味わいました。

記事のまとめのコーナーでは普通のユーザーにはどうでもいい、こんな重要な事柄にもきちんと言及している。

Mac miniやその部品は、強力な接着剤で固定されていません。

このブログが凄い

そしてハードとソフト両側から挟撃作戦に出ている下記のブログ記事を読んでまた感動した。

電子辞書は組み込みLinuxの夢を見るか?(Zopfcode)

なぜ素直に普通のノートパソコンを使わないのかと言えば、たぶん、こうやって「想定外の使い方をする」という行為自体が、創作意欲旺盛なタイプの人間にとってエンターテインメントなのだ。違法じゃない限り。やっぱりカスタマイズは楽しい。

藤井聡太棋士も楽しいのだ(そしてどうやら買いそうだ)

だから、藤井聡太棋士の自作PCの話も、自分の職業に役立つからというより、そもそも将棋についての研究自体が楽しく、その複雑な世界を切り開き紐解いてゆく冒険を共にする有能な道具として愛してしまうのだと思う(愛しているかどうかは筆者の勝手な憶測)。

気持ちを改め、自分の身の丈に合ったつましいレベルで楽しんでいきたいと思う。