この記事を書いているのは今季一番の寒気が入り込んできた日で、室温も当然ながら16℃ほどを推移しており寒いのはもちろんなのだが、しかし気にしているのは地球の温暖化である。一体どれだけ貢献できるのか、意味があるのかどうか分からないけれど、電化製品の消費電力は昔から気になるたちである。Mac Pro(Mid2012)シルバータワーをメインに使っていた時は、作業中、常に途方もない電力を消費していることに小さな罪悪感が付き纏っており、それが心に引っ掛かり鬱陶しくもあって、Mac Pro(Late2013)に乗り換えた。そして2020年、AppleがM1を市場に放って驚異的な消費電力削減を達成したのは周知の通り。温暖化を抑制するためだけにM1 Macに乗り換える意味はあると思っている。…が、これまでの資産継承のため、中古のIntel Mac miniがここにある。Mac Benchmarksを見ると、自分の使い方では、2013年型の黒Mac Proより2018年型のMac miniの方が、パフォーマンスが良い場合が多い気がする。
比較機種
・Mac Pro(Mid2012)
・Mac Pro(Late2013)
・Mac mini(2018)
当然だけれども、最新の中古Mac miniが一番低価格だった。
競技内容
複雑なCGシーンのレンダリングで試合させたかったが、随分その趣味からは離れてしまい適当なアプリケーションやサンプルシーンを持ち合わせていない。
そこでごく日常的で一般的な用途として、1080pで撮影された75分程度の動画を720p mp4に変換。その際のおおよその消費電力ピーク値と処理時間。
競技結果
Mac Pro(Mid2012)デュアル 3.42GHz×12コア
メモリ128GB
- アイドル時の消費電力 ーーーーーーーーーーーー> 159W前後
- CPUフル稼働時の消費電力 ーーーーーーーーーーーー> 360W前後
- フルHD動画変換作業の処理完了までの実時間 ーーー> 54分36秒
ここでシングドーターカードに差し替え「3.42GHz×6コア メモリ32GB」の場合で測定してみたものが下記。
Mac Pro(Mid2012)シングル 3.42GHz×6コア
メモリ32GB
- アイドル時の消費電力 ーーーーーーーーーーーー> 112W前後
- CPUフル稼働時の消費電力 ーーーーーーーーーーーー> 240W前後
- フルHD動画変換作業の処理完了までの実時間 ーーー> 39分31秒
12コアよりも6コアの時の方が早く処理を終えており、計り間違えたかともう一度測定してみたがほぼ同じ傾向となった。そこで少し思うところがあり、ディアルドーターカードの8スロット全てに刺さっているメモリから、1ペア分の2枚を抜き取り、トリプルチャンネル(3枚×2セット)の96GBに落としてみた。その結果が下記。
Mac Pro(Mid2012)デュアル 3.42GHz×12コア
メモリ96GB
- フルHD動画変換作業の処理完了までの実時間 ーーー> 39分15秒
つまり、最初に測定した12コア24スレッドのMac Pro(Mid2012)は、メモリをフル搭載の128GBも積んでいたにも関わらず、そのために駆動周波数が800MHzと低下していたのが原因ではなかろうか。シングルドーターカードの場合、メモリは32GBであるものの1066MHzで駆動している。3回目の測定でデュアルドーターカードからメモリを1ペア抜き取り、トリプルチャンネルにすると96GBの1066MHzとなり、シングルよりも若干ではあるけれど、早い時間で処理を終えた。これまでは単純にCPUの速度を気にしていたけれど、これからはメモリの駆動周波数にも注目すべきと意識を改める出来事だった。
Mac Pro(Late2013)3.5GHz×6コア
メモリ32GB
- アイドル時の消費電力 ーーーーーーーーーーーー> 49W前後
- CPUフル稼働時の消費電力 ーーーーーーーーーーーー> 143W前後
- フルHD動画変換作業の処理完了までの実時間 ーーー> 36分08秒
ゴミ箱黒Mac Proは処理時間こそ僅差で早いくらいの同程度だったが、アイドル時の消費電力が49W前後、ピーク時でも2012年型のアイドル時と同じくらいの143W前後。通常使用なら電力の消費はシルバータワー型の半分くらいである。メモリは1866MHzで動作。
Mac mini(2018)3.2GHz×6コア
メモリ8GB
- アイドル時の消費電力 ーーーーーーーーーーーー> 27W
- CPUフル稼働時の消費電力 ーーーーーーーーーーーー> 70W
- フルHD動画変換作業の処理完了までの実時間 ーーー> 26分46秒
黒Mac Proから5年を経て登場した2018年型のMac miniは、モバイル向けCore i7の搭載でありつつも処理時間は黒Mac Proより10分ほど早く、そして消費電力はアイドル時でたったの27W、ピーク時でも70W前後だった。正直なところ、処理時間は先輩のMac Pro兄弟とどっこいどっこいかと思っていたので、まさか10分も早く終えるとは思っておらず、この結果は大変素晴らしい。
罪悪感、薄まる
ちなみに今回の測定では中古購入時のままのメモリ8GBだけ、2667MHz駆動である。Mac mini優勝。
目標はIntelからの卒業
以前の記事の通り、M1搭載のMacではピーク時でも30W弱というパフォーマンスを見せることが知れているので、現時点で罪悪感が完全になくなるわけではない。今回Intel搭載のMac miniを選んだのも、まずは黒Mac Proの作業環境をよりコンパクトで高性能なマシンに継承できないだろうかと思ってのこと。今回の比較テストでパフォーマンスには満足したので、あとはアプリケーションやプラグイン、ユーティリティなどをチマチマと整えることを楽しみに、毎日を過ごすことにする。目標はIntelからの卒業。来年以降、Mac miniがどうなるのか楽しみである。
次回は多分メモリ増設。
2021-12-19 > 僕はアップル様が嫌い