連載第62回
2024年5月4日
人生最後のMacは今のところ「M3 MAX」搭載マシンになる公算

前回書いたように、現在は上図(コアをキルした下位バリエーションは省略)で言えば左上に位置しているM1の基本モデルを使っている。そして2023年10月30日、M3が無印・PRO・MAXと3つのグレードで登場したものの、未だULTRAは発表されていない。これまで、上位バージョンは数ヶ月遅れて発表されるのが常であるし、高額な製品を必要とするユーザーの数も少ないだろうから今回も致し方なしとは思うものの、個人的な気分ではチップの世代が切り替わった時点でMacの全製品ラインナップを同時にフルモデルチェンジしてもらいたいとは思う。

ところで、これまでの流れで言えば、ULTRAはMAXの2倍の構成である事は容易に予想できるのだけれど、本当にそんな性能が必要なのだろうか?と、1庶民ユーザーとしては考えてしまう。というのも、M3 MAXの性能が凄いのである。

ベンチマークを比較してみる

M3 MAXの基本性能の高さを確認し易いよう、昨日の時点でGeekbenchに掲載されていた各ベンチマーク結果を抜き出して、チップ毎に並べてみた。

▶︎シングルコア

1コア単体の性能では、最新版のM3がトップである。2位につけているM2の動作周波数は3.7GHz、対してM3は4.1GHzなので当然である。

▶︎マルチコア

今はシングルコアの比較よりも、数の多さで勢いを付けるマルチコアでの比較が現実的かと思う。現時点ではM2 ULTARがトップ、僅差で2位にM3 MAXがつけている。しかしここでコア数の違いに注目すると、M2 ULTRAはCPUが24個もあるのに対し、M3 MAXは16個である。8個もの差があるのに、スコアは大して変わらない。M3の性能の高さが窺える。

▶︎OpenCL

GPU性能も加味した、チップ全体を1つとした場合でのパフォーマンス比較。大量に24CPU&76GPUを搭載したM2 ULTRAが頭1つ飛び抜けているが、2位に付けているM1 Ultraと比肩する性能でM3 MAXが3位につけている。MAXグレードであるにも関わらず、M1のULTRAと同等である。これを見て、もうM1世代をチョイスする理由は無いと思う。型落ちしてM1 ULTARの中古が大幅な安値になっていたとしても、である。

▶︎Metal

おまけでMetalも載せておくけれど、音楽方面ではGPUは使わないし、ハードウェアによるリアルタイムレンダリングとかも興味の範囲外だし、生成AIはもろに影響受けるけれど隙間時間の遊び程度にしか使わない分野だし…ということで、個人的には参考程度にしか見ていない。しかしここでも「もはやM1 ULTRAを選ぶ理由は無いな」という結果が出ている。

自分が狙っているのはM3 MAX

個人的に、新しいチップが発表される際に気にしているのはコア数ではなくて、基礎体力となる動作周波数だったりする。3nmプロセスを実現したM3世代は遂に4.1GHzへ到達した。土台となる基礎部分が向上すれば、MOTU DPのアラート表示も無くなるのかも?…しれない。懸念としてはやはり円安を受けた今後の価格設定である。人生最後のMacはノート系ではなく、やはりデスクトップ型のMac Studio(M3 MAX)を想定しているのだけれど、バカ高くて手が出ないブツになるのなら、型落ちして今後さらに売値が下落するであろう中古M2 ULTRAで手打ちするのが妥当なのかもしれない。生成AIを利用する視点から言えばGPUの数と性能も考慮することになるけれど、先日話題となった「1bit LLM」が本当に使える発見であるのなら、GPU性能やメモリの搭載量は然程気にしなくても良くなるのかもしれない。

もちろん、そんな悩みを一瞬で一掃してしまう「消費税廃止」が最も近道で、効率的な手段である。今後も声を大にして訴えて行きたい。