連載第65回
2024年6月10日
WWDC2024基調講演は退屈でつまらない予感しかしないのでG4ミニで第九世界の構築下準備

長年Macintoshに慣れ親しんだ末端おっさんユーザーとしてはWWDCのオープニングを飾る基調講演はささやかな楽しみの1つだったのだが、自分にとっては無駄機能の過剰な追加とそれに伴う複雑な「マナー」の押し付けばかりで次第に面白く無くなって行き、今年もかなり退屈でつまらなくなる予感しかしない。まず何より、末端ユーザーには未来永劫にわたり縁の無さそうな「メガネ(ゴーグルと言うのが面倒臭いのでメガネ)」を新しい製品セグメントとしてリリースしてしまったせいで、基調講演の決して短くない時間をその退屈なメガネの「OSアップデートのお知らせ(面倒な設定が必要な新機能の追加など)」に費やすことになるのだ。「富裕層しか買えないメガネ、そんな高価なメガネでしか出来ないオンリーワンな体験って何だ?」っていうデベロッパーの皆さんの困惑が見える。もし今から15年前の2009年に公開されたジェームズ・キャメロン監督『アバター』のインパクトを大きく超えるような飛躍が見られたら知らせて欲しい。

そして、多くのユーザーが期待しているAI関連の発表も、メガネとカメラと時計と自動車の開発にうつつを抜かし過ぎていたせいで後塵を拝する事になり、他社の技術を「お借り」して二番煎じなやっつけ感で終始する気配濃厚である。Safariブラウザがいつの間にか表示されている画像に含まれる文字を抽出できるようになっていたり、音声入力が比較的スムーズに認識されるようになっていたりと地味な成果は現状でも見られる。しかし、とどのつまり昨今の第四次AIブームの革新的なところは、何もない場所に何かを生成する事ではなく、端的に、ユーザーが辿り着きたい答えに、従来よりも極めて効率的な手法で到達することが可能になったという点である。要は、目的を叶えるために複雑な仕組みや技術(実作業)を習得するのではなく、「要望をきちんと口頭で伝える」と言う、まあ言ってみれば従来の人間らしい真っ当なコミュニケーションを介した高次のUIに移行したということ。先日リリースされたGoogleのNotebookLMにしても、個人がローカルに蓄えてきた大量の知見を手っ取り早く引き出すためのシンプルなUIにすぎない。現状の「やたら複雑なマナーや仕草を必要とする新機能」がどれだけダサいか…というか、これがAppleが嫌いになった主な理由の1つでもある。

だからAppleは今後も良質な土管屋稼業(パソコン&スマホ方面のハードウェア製造)に邁進してもらい、それとは別に次の成長を担う革新的な

世界があっと驚く発電技術&蓄電池を開発してください!

と、いきなり飛躍した願望を投げつけて、いつもの無駄に長い前置きを締めようかと思う。

G4ミニの第九世界

無事起動した中古G4ミニであるが、インストールされていたのは当時添付されていた10.3.7(Panther)のみで、残念ながらClassic環境のMacOS9はインストールされていなかった。今回はその不在のOS9が必要なので、インストールすることにした。

しかし添付の9.2インストールディスクは使わず、数年前にネットからダウンロードしておいた改造版OS9を使う。Mac mini G4でOS9単独起動を実現するため、OS9を至高とする海外のユーザーたちが気合を入れて作り上げたものである。