前回から2年と半年ぶりに、またもや「消費電力&性能対決」を行うことにした。賞味期限をかなりオーバーしてしまったが、今回の注目はやはり中古M1 Mac miniである。残念ながら自分が生きている間は地球の「熱帯化」を止めることが出来ないけれど、一番の関心事はやはり消費電力になる。
比較機種
・Mac Pro(2013)
・Mac mini(2018)
・M1 Mac mini(2021)
競技内容
最近購入した、サンワサプライのワットチェッカー機能付き電源タップ「700-TAP071」に、計測するMac本体のみ1台を接続して(ディスプレイや素材を保存している外部HDなどは別電源から取る)、約1時間の動画素材を1920×1080HDサイズのmp4に書き出すのに要した、おおよその消費電力ピーク値と処理時間。
競技結果
▶︎Mac Pro(2013)
Intel Xeon E5-1650 v2 3.5GHz (“Ivy Bridge”) 64GBメモリ(1866MHz)
- アイドル時の消費電力 50W
- CPUフル稼働時の消費電力 159W
- 動画変換完了までの実時間 1時間11分3秒
まず何より、何もしていないアイドル時で「50W」も消費していることが、今となってはもう耐えられない。これから電気代がさらに上げられてしまうことを考えると尚更である。政治。
1時間の素材の変換に、それよりも11分多く処理時間がかかってしまうのも、まあ10年前のCPUでは仕方のないことであるよ。
▶︎Mac mini(2018)
Intel Core i7 8700B 3.2GHz×6コア(”Coffee Lake”) 64GBメモリ(2666MHz)
- アイドル時の消費電力 16W
- CPUフル稼働時の消費電力 67W
- 動画変換完了までの実時間 1時間6分30秒
処理時間は黒Mac Proより若干早かっただけでさほど変わらない。よってMac mini(2018)のポイントは黒Mac Proと同等の性能をより少ない電力で達成できる点。アイドルで「16W」は許容だし、ピーク時でも「67W」と半分以下に抑えられているのは優秀。
しかし、コンパクトな筐体設計による弊害か、高負荷がかかっている最中の背面から排出される熱風と、風切り音の大きさは減点ポイント。
▶︎M1 Mac mini(2020)
Apple M1 高性能3.2GHz×4コア&高効率2.1GHz×4コア
16GBメモリ(4266 MT/s )
- アイドル時の消費電力 7W
- CPUフル稼働時の消費電力 31W
- 動画変換完了までの実時間 47分00秒
アイドル時の「7W」は凄い。ピーク時でMac mini(2018)のさらに半分以下となる「31W」である。素晴らしい。今回初めて、素材が持つ実時間よりも短時間となる「47分」で変換処理が完了した。空冷ファンが搭載されているのでピーク時はMacBook Airのように24Wで抑え込まれるのではなく31Wまで上昇するが、動作時の静音性は素晴らしく、排熱も低く抑えられており全く気にならない。文句なしの優勝。
圧勝のM1 Mac mini
以前までは、自宅サーバーは引退したインテルminiに任せれば良いかなと思っていたけれど、圧倒的な低消費電力でずば抜けた性能を発揮するM1 miniを、その他の雑務作業兼用で使う方が断然効率良いことが判明してしまった。複数台持ちは不要で、1台で全て賄う時代到来である。
「同じ処理をより少ない電力で行う」コンピューターがあるのならば、当然それを選びたい。人間の出来ることなんて年老いてからは伸びることも無いのだから、それならより少ない電気で動く道具を使いたい。地球熱帯化時代のARM Mac。
2024-05-26 > 僕はアップル様が嫌い