中古のiPhoneでデザリングとかいう、モバイル通信を共有する方法は便利なのだが、いかんせん500MBは心許ない。とは言っても全く常用していないので、モバイル通信のためだけに高額な契約プランへ変更する気はさらさらない。このような使い方だと、やはり1番便利に感じるのはプリペイド方式のSIMである。ただ、所有しているiPhone SE2はSIMカードを1枚しか装填できないので、必要が生じた場合にいちいち差し替える必要があり、それが非常に面倒である。と、いうわけで、少し趣向を変えてモバイル・ルーターを試してみることにした。
中古のhome 5G HR02を買う
1年前に2万円で買った中古のhome 5G HR02。サイズも形状も、いまだ部屋の片隅で現役稼働している「AirMac extreme」とほぼ同じ。どうしてこんなに数多く中古で安く出回っているのか、この記事の後半で何となく分かる。
プリペイドSIMを用意して本体に挿入
今回も、Nippon SIMの中から適当に安いものを選んだ。

利用開始から、期間180日間で15GBまでというバージョン。
底面にブラウザから設定画面に入る際の、初回ログイン用URLやパスワード、QRコードが記してある。蓋を開けるとSIMスロットが見える。
自分の爪先では取れなかったので、近くにあった耳かきを使う。
トレーにSIMを乗せて、元のスロットに挿し込んで戻す。
本体の設定画面に「http://web.setting/」で繋がらない場合は「192.168.128.1」を使うべし
まずは電源を入れて、LEDランプが問題なく点灯するかどうか確認。起動までにしばらく時間がかかるので、その間に封入されていた、かんたんセットアップマニュアルを開いて目を通す。
▶︎Mac miniの有線LANケーブルは抜いておくか、iPadでアクセス(とにかく無線で接続する)
まずはSIMのプロファイルを設定するための設定画面にログインしたい。それにはまずhome5GHR02本体にアクセスしなければならない。
Macから無線で接続するためにLANケーブルを抜き、Wi-Fiをオンにして、アクセスポイントは本体底面にあるシールに印字されている「HR02〜」始まるものどちらか表示されている方を選ぶ。その際にパスワードを聞かれるので、上図の黄色の箇所にあるパスワードを入力する。home5GHR02本体に接続できたら、前面のWi-FiのLEDが青色で点灯する。
※実は当初、Mac miniからLANケーブルを抜くのを忘れていて普段の有線LANで繋げている状態で「http://web.setting/」にアクセスしようとしたのだけれど一向に繋がらず、仕方なくiPadを持ち出して、底面のQRコードをカメラで読み取らせたらすぐ繋がった。
▶︎設定画面に入ってプロファイルを設定する
Mac mini(もしくはiPad)のブラウザから「http://web.setting/」で繋がらない場合は「192.168.128.1」を試して接続する。
矢印の「ログイン」を押す。

初回では、この時のパスワードは本体底面シールに記載されている「6桁の数字」の方を入力。

パスワードの変更を要求されるので、「8~32文字の半角英数字/記号」「英大文字、英小文字、数字、記号の4種の文字をそれぞれ1文字以上含める」の要件に合ったパスワードを決めて入力する。

改めて新しいパスワードでログインする。
ここで初めて詳細設定画面に入ることが出来たので、「設定>APNプロファイル設定」を選び、新規プロファイルを追加、購入したプリペイドSIMのパッケージに記載されているユーザー名やパスワードを入力する。
プロファイルの登録ができたので、「適用」をクリック。
「OK」で本体の再起動が始まり、各種LEDが点灯したら、再度Wi-Fiで繋げて、実際にデータ通信が出来るかテスト。
▶︎4Gでの接続テスト
本体の再起動が終わると、一番上のLEDが緑色で点灯した。これは「4G」で接続しているという意味。FAST.comで速度を測ってみると…。
56Mbps。住宅街だし、まあ、こんなものかと思う。おそらく計測した時間帯の影響も大きいのではないだろうか。現在メインにしている旧式の光フレッツでは「80Mbps」前後なので、無線で臨時に繋げる用途にはこれで十分だと思う。
5Gだとどんな感じなのか試してみた
しかし世間は5Gらしい。個人的には5Gと聞くと原宿駅前を連想してしまうのだが、それはさておき、プリペイドSIMで5G対応のものがないか探してみた。
なんか、すんごい適当なパッケージデザインのSofbankの回線を使った5G対応のSIMがあったので買ってみた。とは言っても、Softbankの回線の親はdocomoらしいので、とりあえず4Gと5Gの差異が知りたい。ちなみにこのSIMは、購入時から開通済みで、使用期限が決められており、その期日までに使い切るタイプ(…だと思う、たぶん)。期限が過ぎるとただのゴミになってしまう。上述の開通してから180日間というタイプとは異なる…たぶん。まあ、この手の製品は日本旅行者向けの短期使い切りが想定なんだろうか、さほどの違いは無い。
というわけで、SIMを差し込んでパッケージに記載されたユーザー名&パスワードを入力し、APNプロファイルを更新。本体再起動で無事接続。一番上のLEDは青色で点灯し、今度は5Gで繋がっているらしい。
おお、人生初の100Mbps超え、110Mbps。計測したのは平日の夜だったが、日中だったり、週末だったりするとまた微妙に変わるのだろう。かと言って、100Mbps前後だと従来と変化も感じられず、とりあえず保険として使えれば大丈夫。これでSIM関連で試してみたいことは全て試した。スッキリである。
ギガネットってそんなに必要なのか?
ところで、知らぬ間にフレッツ光はグレードアップしていて、1Gbpsとか10Gbpsがサービスとして提供されていた。つい最近まで全く知らなかった。1Gbpsって100Mの10倍。夢のようなスピードである。が、しかし。果たして自分がそのような高速ネットを手にしたとして、何か普段の生活面で劇的に変わるものってあるだろうか?と考えたのだが、パッと思いつかない。自分はNetflixのような動画配信サービスなどの契約は全くしておらず、YouTubeも日常ではほとんど見ない。TVerとかいうテレビの配信サービスもあるようなのだが(これも最近知った)、そもそもTVを見る習慣が無いので、わざわざそれをネットで見ようという気持ちがさらさら無い。その辺りの、重いデータを継続的に落とす文化にさほど触れていないのである。なので「80Mbpsが普通」という日常で差し当たり何の不満も抱いていない。たとえそれが200Mbpsとか400Mbpsになっても、今の自分の生活リズムや価値観はたぶん変わらない。
リモートワークや動画配信以外に1Gbpsの速度が欲しくなる生活って何だろうか?と考えたら、もしかして、iPhoneとかで撮影した大量の写真を、ネット上のストレージに保存している場合だろうか?と思った。だとしたらファイルのコピーなどで高速な回線が必要になるのかもしれない。僕の場合は、必要なデータは全てローカルのストレージに保存しているので、ネットを介してネット上にバックアップするという習慣が全く無い。iCloudもメモやテキストを扱うアプリを同期させているくらいなので、写真のアップロードはオフにしている。
そうなると、自分のことはさておき、世間一般では、home5G HR02の都市部の住宅密集地における「速度100Mbpsくらい」というのは、耐え難い遅さなんだろう。トラブル発生時や引越しの期間中と言った、短い期間での利用にはとても便利だけれど、常用するには不安定過ぎるのかもしれない。その割にはdocomoのhome5Gのサービスは(データ量無制限とは言え)、1Gbpsとか10Gbpsの高速サービスと同程度には月額料金が高いのだ。だから、短期の利用が済んだらすぐ手放すユーザーがいて、中古として多く出回っているんだろうな…と素人っぽく想像してみた。僕がこの中古を買ったのは1年前だが、今チェックしてみたら、さらに値段が下がって安価で出回っている。
2025-04-01 > 僕はアップル様が嫌い