連載第25回
2005年9月6日
僕の欲しいiPod

 来る9月7日にiTunes・iPodに関連する何らかの発表があるそうな。とはいえほぼiTunes携帯電話ということに話は決まっているようですが、そこはホレMac mini ミニ大作戦、無駄に妄想を書き連ねちゃいます。

iTunes携帯

 iTunes携帯ですか。そうですか。たぶんそうなんでしょう、携帯なんでしょう、携帯携帯。しかしですよ、未だに携帯電話を持ったことのない僕にとって、「これがiTunes携帯ですっ!」と声高らかに叫ばれたとしても、あんまりピンとこないわけです。でもそこはホレ、もはや世間では無くてはならない生活の必需品となったケータイへの進出は、必然といえば必然、というか当然あたり前。

 でも携帯にこれといって重要性を見いだせない僕は、満を持してiTunes携帯が発表されても、スルーしちゃいます。アップルブランドのケータイが登場するなら話題になるかもしれないけれど、それはちょっと無さそうだし、モトローラやその他とコラボっちゃう発表も、かなり以前からユーザーの間には浸透しているネタなので、さほどインパクト無い気がします。

 7日の発表は無いかも知れませんが、新型iPodについても、miniのカラーディスプレイ化とか容量アップ&フラッシュメモリ仕様に変更とか言われてますけど、やはりインパクト無いような気がします。ビデオ配信開始&ビデオ対応化だとしても、あんまり有難味が無いような‥。それは何でかな?と考えてみると、それらは消費コンテンツが拡張されてるとはいえ、これまでiTunes&iPodが築いてきた文化のレールの延長線上に乗っかったものに過ぎないからではないかと思うのです。

“発信”と”無線”

 そこで妄想するんですが。

 iPod文化を拡張する、あるいは再定義する、という視点で次の一手に期待するとすれば、「発信」だと思うんですよね。例えばiTunes携帯は、iTMSから音楽をダウンロードできても、常に受け身であって、こちらから何も発信出来ないじゃないですか(もちろん通話は出来るけど)。
 iPodは再生装置としてとても優れたガジェットだとは思ってるけれど、ユーザーのクリエイト魂を奮い立たせるところに直結するデバイスではなかった。多くのデザイナーやアーティストに支持されてきたアップルのヒット商品なのに、これほど創作行為に直結しないデバイスの存在ってとても特異だと思う。

 でもiPodが自己発信できるとしたら、ガラリとその存在意義を変えられます。アップル・ユーザーのクリエイト魂を再び触発する「自己発信」機能。発信するコンテンツはもちろん、ユーザーが自ら作成したポッドキャストです。そこへさらに、iPodの可搬性を活かした自己発信の在り方を探れば、必然的に「無線」へ繋がります。この組み合わせはまさに、夢の「パーソナルラジオ局」誕生ではないかっ!

 僕は無線関連の法律にはまるで疎いので、この妄想にどれくらい現実味があるのか分かりませんが、せめて半径10m~50mくらいの範囲で発信・受信可能になれば、とても面白いことが始まるんじゃないかと思うんです。例えば通勤電車の中で新型自己発信対応iPodを取り出し、ディスプレイを見てみると、同じ車両にポッドキャストを発信してる人がいる。タイトルで興味をそそられたら、そのチャンネルにアクセスして聴いてみればいい。目的地に到着するまでの時間つぶしにはなるだろうし、もしかしたらその内容に意気投合して新しい出会いに繋がるかもしれない。これぞ、新しいコミュニティ形成を予感させるiPod文化の第2ステージ。そんなiPodなら、僕は欲しい。

 ふう。妄想タイム終わりです。ところで先週からAirMacExpressとAirMac Extremeベースステーションの流通が滞ってる気配ですが、それが今回の妄想と何かしら関係があったら、嬉しい限りです。