連載第44回
2012年9月27日
蝉時雨:その1「2010年夏の蝉(素材たち)」

 久々に時間が出来て趣味の音楽作りを再開。しかしまっさらの新作を作る元気は体力的にも気分的にもまだ出てこないようなので、ここのところマイブームになっている作りかけ過去作品のリメイクに飽きもせず再び手を付けます。今回は2010年の真夏、アパートが震えるくらいの蝉の大きな鳴き声にインスパイアされた作品『蝉時雨』。当時、気持ちとしては一端完成させたのですが、最近耳の調子が変化したというか、音場の捉え方が以前からだいぶ変わったこともあって、リミックスするような感じで修正してみることにしました。まず曲作りのきっかけになった蝉の鳴き声。こうやってマイクを通した音で聴くと大して五月蝿くは聴こえないのだけれど、それはもうリアルな状況では気が変になりそうなくらいの大音響(実際のところ、蝉たちへの復讐のつもりで曲を作った、という理由もあったりします)。録音にはパナソニックのデジカメDMC-GF1(今もまだメインのカメラですが…)のビデオ撮影機能を使って、その録画した映像から音を抜き出しました(↓)。


蝉時雨 ― working in progress ―
蝉時雨 ― DEMO / SAMPLES ―
flfl.me

 これを元素材として、いろいろ加工してSE的に配置します。

メインはピアノ

 基本になるフレーズは当時のままPianoteq 3のモデルCを使ったピアノ。最近アップデートされたバージョン4に差し替えることもなく、当時のままの音色を使います。僕の中でこの曲のピアノはもうこの音色に確定してしまっていて、変更してもたぶん元に戻しちゃうのは十分に予想されることですし。


蝉時雨 ― piano ―
蝉時雨 ― DEMO / SAMPLES ―
flfl.me

 リミックス再開したのはこの前の日曜日で、その時はまだ辛うじて生き延びていた少数の蝉たちの鳴き声が聴こえていたのだけれど、この記事を書いている今はもうすっかり肌寒くなってしまって秋虫に主役の座を奪われてしまいました。秋虫の鳴き声は音色が優しいので、大音量でも復讐する気分になることはありません。つづく。