部屋。部屋が重要である。例えば『ブレードランナー2049』のサッパー・モートンの部屋は、まさに人生最終フェーズを独り静かに過ごすための理想の空間の1つである。なんと壊れたピアノまで置いてあるのだ。その他には生活に必要な最小限の物さえあれば良い。小さな、ドイツ製の青い箱の中で、自分の理想とする部屋の鳴りを響かせたい。
最終ファームウェア「バージョン4.2」のハイライト
QUANTECのサイトをじっくり眺めてみると、最終ファームウェアの4.2アップデーターが公開されたのは2014年1月4日である。今から9年前にもなるが、それでパッタリと更新が止まっている。アップデーターのパッケージをQUANTECでは「プラグイン」と呼んでいるらしく、YardStick 2496では「QRS SIMPLE」「QRS MEDIUM」「QRS COMPLX」というグレードのプラグインがあり、それぞれの最終版が4.2である。手元にあるYardStick 2496のバージョンが「2.3」だから、途中のメジャーアップデート「3.1」を経て「4.2」まで2段階改良されている。
各種プラグインの特徴
QRS SIMPLE – Highlights

QRS MEDIUM – Highlights

この “MEDIUM “バージョンでは、96kHzでDSPパワーが半減するものの、高音質と高効率を両立させたルームモデルを設計することに成功しました。QRS、XL、YARDSTICK 2402と比較すると、ルームモード(自然共振)密度は5倍、反射密度は20倍と、重要なパラメータが大幅に改善されています。さらに、最新の機能強化もすべて盛り込まれています: カクテルパーティー、ハレルヤ、などなど…。
QRS COMPLX – Highlights

「COMPLX」ルームモデルは、最先端のルームアコースティックシミュレーションを極めて高い品質で実現したモデルです。QUANTECの2つのコアコンピタンスである高モード密度、低変色をベースに、10E4までのルームサイズに対応する完璧なパルス密度を備えた「COMPLX」ルームモデルは、世界の著名なコンサートホールと容易に競合することができます。コンサートホールやオーディトリアムの典型的なサイズを超えると、ある種の本物の部屋(特に横穴が入れ子になっている教会)は、経験豊富なリスナーにとって最初のパルス密度でわずかなエッジを示し始めます。しかし、このような巨大な部屋の違いは、近い将来、「ROOM-IN-ROOM」モデルを拡張したプラグインが使用できるようになると同時に、消えてしまうでしょう。
もっとも高品質なグレードである「COMPLX」は、サンプリング周波数が54KHz以下になっており、一般的な使用においては48KHzまでの対応になる。ただ、自分はもう既にモスキート音などは聞こえない状態にまで聴力が衰えてしまったので、48KHzで十分な気がする。
さらに読み進めていくと、バグフィックスが多く行われているようで、どうせなら、ダメ元で最終版の「4.2」にアップデート出来るのかチャレンジしてみたい。
最終ファームウェア「バージョン4.2」へのアップデートは可能なのか?
空き家状態のサイトをアチコチ調べて、上図のページにじっくり目を通してみる。まさに冒頭の質問が現在の自分に該当する。
Q:How do I get a 249x, neglected for years, up to date again, in order to allow convenient future updates via browser?
(何年も放置されている249xを、ブラウザ経由で便利にアップデートできるようにするには、どうすればよいでしょうか?)
System Setup / Status / About / About Software
in the bottom line on the right (Screenshot: 4.2). If inappropriate, check for other plug-ins installed on this device – perhaps there is a more recent version that may save you an intermediate step. For the purpose of minimizing risk, you should always update from the plug-in with the highest version number.
Depending on the version of the plug-ins found, there will be different approaches:
Version 1.x: An update can only be performed via RS-232 interface. Continue with Update from version 1.x to version 2.x below.
Version 2.x: An update can only be performed via RS-232 interface. Continue with Update from version 2.x to version 3.x below.
Version 3.0 and higher: You can already use the easy update method via browser. Find suitable plug-ins here.
For some 249x devices, additional I/O device drivers are required. All device drivers have independent version numbers – there is no relation with version count of plug-ins.
Here is an overview of all 249x device drivers:
2492 and 2496 do not require a device driver
2493: supports the straightforward browser update procedure right away. You can find the latest device drivers here.
2498: A plug-in with version 4.1 or higher needs to be installed. Please check the version of the installed driver under:
System Setup / DIO2 / Show DIO2 Version
Version 1.2 or higher supports the update process via browser. You can find the latest device drivers here.
In version 1.1 and earlier, an update via RS -232 interface can be performed only. Continue with 2498 DIO2 driver update from version 1.1 to version 1.2 below.
システム設定 / ステータス / バージョン情報 / ソフトウェアについて
右側の下の行にあります(スクリーンショット:4.2)。不適切な場合は、このデバイスにインストールされている他のプラグインを確認します。おそらく、より新しいバージョンがあり、中間ステップを省くことができます。リスクを最小化する目的で、常に最も高いバージョン番号のプラグインから更新する必要があります。
見つかったプラグインのバージョンによって、異なるアプローチがあります:
バージョン1.x: バージョン1.x:アップデートはRS-232インターフェース経由でのみ実行可能です。以下の「バージョン1.xからバージョン2.xへのアップデート」に進みます。
バージョン2.x: RS-232インターフェイス経由でのみアップデートを行うことができます。以下のバージョン2.xからバージョン3.xへのアップデートに進んでください。
バージョン3.0以上: ブラウザを使った簡単なアップデートはすでに可能です。適切なプラグインはこちらで検索してください。
一部の249xデバイスでは、追加のI/Oデバイスドライバが必要です。すべてのデバイスドライバは、独立したバージョン番号を持っている – プラグインのバージョンカウントとの関係はありません。
ここでは、すべての249xデバイスドライバの概要です:
2492と2496は、デバイスドライバを必要としません。
2493: ブラウザの簡単な更新手順をすぐにサポートします。最新のデバイスドライバは、ここで見つけることができます。
2498: バージョン4.1以上のプラグインをインストールする必要があります。インストールされたドライバーのバージョンは、以下の項目で確認してください:
システムセットアップ / DIO2 / DIO2のバージョンを表示する
バージョン1.2以上では、ブラウザーによるアップデート処理をサポートしています。最新のデバイスドライバーはこちらでご確認ください。
バージョン1.1およびそれ以前では、RS -232インターフェース経由のアップデートのみが実行可能です。以下、バージョン1.1からバージョン1.2への2498 DIO2ドライバーのアップデートに続きます。
じっくり何度も何度も繰り返し読んでみた。脳内で要約した結論は↓である。
結論:まずはRS-232Cケーブルを使ってバージョン2.xから3.xにアップデートし、その後はWebブラウザを使って4.xにアップデートする
さすがに古いハードウェアだけあって、ちょっとハードルが高い…。現状でバージョン2.xの個体の場合、RS-232Cケーブル経由でのみ、バージョン3.xにアップデート出来る。残念ながら一気に「4.x」へスキップしてアップデートは出来ないらしい。
そうか、そうならば必要な機材を用意するしかない。あちこちネットを徘徊して、安価な年代物の中古Windowsマシンを買った。税込み&送料込みで5,000円以下で抑えた。庶民である。
2023-05-14 > Musical Instruments & Gear
これでもかというほどのクオリティを誇るルームシミュレーション。SIMPLEという言葉とは裏腹に、自然共鳴密度では2倍、パルス密度では10倍(192kでも)という、実績ある前身デバイスQRS、XL、2402 YARDSTICKのアルゴリズムを凌ぐことに成功したのです。また、最新の機能強化もすべて盛り込まれています: カクテルパーティー、ハレルヤ、その他多数。