紆余曲折を経て、ようやく前回でバージョン「3.1」で本体を起動させられるところまで来た。今回は、最終バージョンである「4.2」へのアップデートを、Webブラウザを使って行う。
まずは上図のようにQUANTEC背面のLAN端子へLANケーブルを挿し込み、自宅部屋のルーターにしているAirMac extremeに繋げてネットワークに組み込む。そして電源オン。
QUANTECに割り当てられたIPアドレスを探る
続いて、QUANTECに割り当てられたIPアドレスを調べる。英文マニュアルを見ると、System Setupから、まずはEthernetのブロックへ移動する。
ブロックに入ったら、今度は「Show Ethernet」に移動する。
「192.168.1.5」である。
満を侍してWebブラウザでQUANTECにアクセスする
「3.1」で起動しているQUANTECはEthernetを介してブラウザでアクセス出来るらしいのだが、現時点で自分のMac miniはMojaveで、Safariもバージョン14.1.2。果たして9年前の古い機材に対し、比較的新しめのブラウザでアクセスできるのか?という懸念があるのだけれど…。
来た!感動!
Safariで「192.168.1.5」にアクセスしたら、上図画面が表示された。本心では、まさかアクセス出来るとは思わなかった。中古PC購入に支払った5000円の事はもう綺麗さっぱり忘れた。
バージョン「4.2」のqycファイル読み込みはSafariでは駄目だった → FireFoxに切り替える
それでは、今回の目的である「4.2」へのアップデートに移る。
ブラウザに表示されている項目の中から「Software Management」をクリックすると、ポップアップウィンドウが現れる。
その中にある「Select Bank」でターゲットとなるバンクを選択する。今回はBank:1を上書きする。Bank:1にはRS-232Cでインストールした「SIMPLE 3.1」が格納されている。
※ちなみにここでは、不測の事態に備えてBank:7に再度インストールした「SIMPLE 3.1」でQUANTECを起動していて、その上でBank:1に上書きしようとしている。
続けてその下にある「Install software in this bank」をクリック。
しかし!ここで「4.2」へのアップデートに必要なファイル「2496_qrs_22x4_simple_42.qyc」「2496_qrs_26x2_medium_42.qyc」「2496_qrs_26x1_complx_42.qyc」を選択したいのだが、MojaveのSafariではサポートの制限がかかっているらしく、「qyc」ファイルが選択出来ない状態で、かつ「アップロード」ボタンがグレーになってしまっている。
しばし珈琲を飲みながら思案の後…ブラウザをFireFoxに切り替えてみた。
来た!!
特殊な拡張子である「qyc」ファイルが選択できた。満を侍して「Flash NOW」を押す!
バンクへの書き込み始まった!
上書きが終わった後に、再度マネージメントパネルを呼び出すと、無事、Bank:1が「4.2」に書き換えられていることが確認できる。
これを繰り返し、Bank:1〜3を全て最終バージョン「4.2」に上書きしていく。
「4.2」の全てのグレードをBank:1〜3に入れ替えて、次回からの起動先プラグインを切り替えてみる。
※ちなみにこの作業を進めている時点では、QUANTEC本体は、上図でグレーになっているBank:7の「3.1」で起動している。
「続けて良い?」と確認されるので「OK」を押す。
しばし待ってから本体の再起動。
バージョン「4.2」で本体の起動確認。これにてアップデート作業完了。ブログにするとかなり長くなってしまったが、実は今回の作業、想定していたよりはスムーズに進んだ印象。ファームウェアの書き換えに失敗すれば、QUANTEC YardStick 2496が文鎮化する可能性もあったし、途中でケーブルの買い替えもあったが、無事ゴールにたどり着けた。
次回は、バージョン「3.0」以降の目玉である、Webブラウザからの遠隔操作を簡潔に紹介する予定。つづく。
2023-05-21 > Musical Instruments & Gear