連載第21回
2023年5月21日
青い部屋のリフォーム計画その4:「ストレートか!?ここはクロスだろ!」3.1アップデートの微妙な成功

アップデートが失敗して脱力している間に珈琲を淹れて一休みする。失われた時間とPC&ケーブル購入費(格安だけど)が無駄になってしまった事に気持ちが乗っ取られないよう、なるべく気持ちをフラットにしてぼんやりとRS-232Cケーブルを見つめる。そんな状態で数分間、無言でケーブルを見つめていたら、ふと閃きが降りてきた。

もしかしてRS-232Cケーブルって、
ストレートとクロスの2種類ある?

LANケーブルでストレートとクロスを用途によって使い分ける必要があるのは知っていたが、RS-232Cってどうなんだろうか?
調べてみたら、何とストレートとクロスの2種類が存在した。たぶん、それ。

RS-232Cのクロスケーブルを新品購入

前回使用したケーブルはストレートだったせいで、QUANTECを認識できなかったのではないか。そこでサンワサプライのRS-232Cクロスケーブル「KR-LK2」を新規購入。追加出費は痛かったが、まあ、この値段なら許容である。それよりもまた物が増えてしまうことの罪悪感が強い。

結線図を見る。まごうこと無きクロスケーブル。

2mも要らないのだが、これが一番短かった。

再び、QUANTEC YardStick 2496とPCをRS-232Cクロスケーブルで接続。

第一弾ロケット「バージョン3.1」アップデート

「2496_QRS_22x4_SIMPLE_31.exe」を起動し、「Install PlugIn」を押す。すると画面のように「YardStickの電源を落として10秒待ってから、再度電源オンすべし!」と出る。指示通り、まずはQUANTECの電源を落として10秒待ってから、また電源スイッチを入れて様子を見る。

すると、QUANTEC YardStick 2496本体のディスプレイが全て消灯して真っ暗なまま待機状態になる。

動きがあった!ウィンドウにひと昔前のコンピューター動作画面のような、カクカクした感じで文字列が表示されていく。
そしてポップアップウィンドウが開き、「プラグインをインストールするバンク番号を入力せよ。nの場合は空いている番号にインストールするよ」と出た。先のウィンドウ内で表示されている内容を見てみるとBank:9までは埋まっているようなので、「10」と入力して「OK」を押す。しかしなんで「OK」の隣のボタンが「Abbrechen」ってドイツ語なのか。

指定したBank:10に対して、なにやら書き込みが行われているような表示がカタカタカタと進んでいく。

「Software Update Successful! Reboot Device!」というメッセージが表示され、アップデート成功した模様。指示に従ってQUANTECの電源を入れ直す。

QUANTEC本体を起動。しかし、バージョンが2.3のままである。「???」となる。「3.1」にアップデート成功したのではないのか?

注:実はこの時点で、QUANTEC YardStick 2496の仕組みについてまだ詳しく理解できておらず、不要な作業を続けてしまう。その顛末も含めて、以下、記録しておく。

プラグインが収納されているバンクをクリアしてみる

3.1にアップデートしたはずなのに、なぜ2.3のままなのか。インストールが失敗しているのか。再びexeを起動し、今度は「Clear Bank」ボタンを使って古いBankを消去してみることにした。「Clear Bank」を押して、QUANTECの電源を落とし10秒ほど待ってから再度電源を入れる。
先ほどは、空いていたBank:10に3.1をインストールしたが、数値の若いBank:1に、起動したいバージョン3.1のプラグインをインストールすべきなのではないか?と考えた(この時点では)。

Bank:1の消去が進んでいる模様。

Bank:1が消えたようなので、続けてBank:2も消去する。

Bank:1〜4を消去。さらにどんどん消去していく。

ほぼ消去し終えたところで再びBank:1にバージョン「3.1」をインストール。

作業の途中でふと、気付きが舞い降りる

クリアバンクとインストールプラグインを繰り返して、上図のように、Bank:1とBank:2へ「3.1」をインストールしてあるだけの、ほぼ真っさらな状態にした。
が、ここでふと気付きがあった。以前まで格納されていた古いBankはもう不要なゴミだと思って綺麗さっぱり消去してきたけれど、もしかして、それらBankのどれから本体を起動させるのか、あらかじめ指定出来るのではないか???だから「3.1」をインストールしても、それまでの「2.3」で起動していたのではないか。

そこで先にキャプチャーしておいた画像を確認してみた(上図)。これは、この機材の前ユーザーがすでにインストールしていたプラグインたちではないか!?ということは既に「3.1」はインストールされており、自分は起動時のターゲットを変更するだけでよかったのかもしれない。違いない。え?じゃあこれまでの手間や苦労はなんなの!?

急いでバージョン3.1の英文マニュアルに目を通す

これは…。イグジット&エンター同時押しの電源オンで起動プラグインを選択。次回起動時はAuto Bootで前回指定のプラグインを引き継ぐ、らしい。
実際に試してみると、無事、QUANTECはBank:1にインストールしたSIMPLEバージョンの「3.1」から起動した。愕然とする。

中古PCの購入を含め、その後の各種作業は、振り返ってみれば「壮大な無駄」であった。

しかしここはポジティブにシンキングである。QUANTEC本体は壊れてないし、最終バージョン「4.2」へのアップデートに必要な「3.1」の状態に持っていくことが出来たのである。他の誰からもアドバイスを受けられない状況で、ここまで来たのだから前向きに行こうではないか。つづく。

さらに思ったのだが、なぜ本機体の前ユーザーは古いバージョン「2.3」をデフォルトの起動プラグインに指定していたのか…?謎である。