まわるフリフリのフリ
フリフリのThunderbolt大作戦!

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フリフリのThunderbolt大作戦! ― 連載第23回

軽薄なMacたち2:我が腰を守り抜く、そんな気持ち

2012年12月29日  

 前回に引き続き、近ごろのMacにおける軽さと薄さの放つ魅惑について弛緩し切った年末感漂わせながら毎度の如くダラダラと書き連ねてみます。個人的に軽薄さについて閃きがあったのは、今年の10月に販売開始された新型iPod touchを店頭で手に持った瞬間でした。僕は既に5年落ちとなる初代iPod touchを発売初日に購入して以来、一度も買い替えずに今に至っているのですが、犬の時間で物事が過ぎ去ってゆく現代社会においてはほとんど化石と呼んで差し支えないその初号機の重さに慣れてしまった手に、幾つもの世代を経て正常進化した新型の「軽さ」は衝撃とも言えるものでした。画面が広くなっているにも関わらず先代機よりも薄くて軽いという見た目のギャップ。そう「ギャップ感」こそが重要なモテ要素の一つであることを今一度確認しておきましょう。そして間も無くデビューしたiPad miniも生存競争相手から意中の人の心を奪い取ろうと同様の進化を遂げます。それに触れた途端、今所有しているiPad 2(↑)がたちまち野暮ったく思えてきたのはやはり前回書いた通りなのですが、iPod touchもiPadも共に未だ買い替えずにいるのはまだ十分に機能するし愛着もあるから(いやウソ、主に経済的理由から)です。

 結局のところ「重い事はイイ事だ」なんて基準で評価されるのはパッと思い付くところでせいぜい金塊ゴールドAuとお相撲さんくらい、同じ事が出来るのなら技術は「より薄く、より軽く」を正解として突き進むのが運命づけられているようで、それは下のiMac進化図を見ても一目瞭然。「ギャップ感」も回を追う毎に増し、今回の新型で完全にモテキに突入した様子。果たして鶏が先か卵が先なのか、各パーツはコンポーネント化を極め→製造の効率化が促進され→結果的に薄く軽くなって販売価格がどんどん下がることになったのだけれど、その構造的な負の側面はひとまず置くとして、一消費者としてはホント助かります。

より良い人生を送るために(腰を守るということ)

 ところでつい先日、突然リスタートする等の不調が続いているMac Proの内部を久々に清掃しようと、気を引き締めないまま取っ手を掴んで持ち上げようとしたところ、すっかり忘れていたそのメガトン級の重さが腰関節の一点に集中。危うく重度の腰痛持ちになりかけました。高校の頃、短期間だけ軽い腰痛を患ったことがあるのだけれど、経験した人だけが分かるアレは生活の全ての行いにおいて臆病になってしまうという、それはそれは恐ろしいモノ。針で刺すような痛みが腰から背骨に走る強烈な不快感は思い出すだけで冷や汗が出てきます。自分の身体は今後ますます老いていくなか、もはやこの巨大恐竜Mac Proの重量は単に凶器でしかなく、まるでメリットなどありません。ところで肝心のその重さ、カタログスペックでおよそ20kg前後ということは何となく把握していたものの、正確な値を知らなかったので先ほど体重計で測ってみたところ、何と「21.8kg」という数値が!これは5kgの米袋が4袋分+α、10kgの米袋が2袋分+αです(そのままだが)。それを担いで近所のスーパーから運んでくることを想像してみるとよい。

 ちょっと興味が湧いて元祖コンパクトMacであるSE/30の重量も測ってみました。すると驚いたことに本体のみで「9.7kg」と結構な重さ。コンパクトなボディで持ち運ぶための取っ手もあるけれど、ブラウン管や電源も内蔵ですから片手で運べるギリギリの重さといった感じです。しかしこのSE/30に対しては、その重さについて悪い印象が全く無いのだけれど、その理由はこれを購入し思う存分活用していた当時、僕はまだ十分に若かったということにあります。その頃の我が肉体は、この程度の重さなど苦に感じたことが無かったハズです。
 片や現役サブマシンのMacBook Airは液晶モニター(紙のように薄いけど)も付いて日常作業はスラスラと軽くこなすほどの高性能が詰まっているのに1.1kgという軽さ。実に魅力的、よくぞここまで進化してくれました。実は今年、外出先でこのMacBook Airには随分と助けられた事が多かったのです。この小さな筐体の中には既に、思い出や愛着が詰まってもいる…重くならないけど。

 もう少し重量比較してみましょう。普段メインモニターにしているナナオの24型液晶モニタはもうだいぶ古いこともあり、分厚くて「10kg」。しかしそのサイズからして妥当な重さと思うなかれ、次期メインマシン候補の新しいiMacはさらに画面の広い27インチモニタ+本体(ハードディスク&電源込み)の合計でカタログスペック上、何とたったの「9.54kg」。つまり5kgの米袋がたったの2袋分弱しかないのです(いや、SE/30より軽いのだ!と言うべきだろ)。これからのテン年代、コンピューターにおける「軽さ」は老体にとって正義(昔はCPUの処理スピードが正義だった)と言って良いと断言しよう。

 ちなみに先日、Mac売り場で展示されていた新しい21インチのiMacのディスプレイ下部を両手で支えてこっそり持ち上げてみました。5.68 kgってこんなに軽いのか(5kgの米袋1袋分+α)と…。これなら室内限定であれば気分次第でお気楽に置き場を移動させられる、自分の中では十分にモバイルマシンです。

しかし27インチの新しいiMacはどこにも無い

 しかしながら、現時点での根本的な問題は、どこに行っても新しい27インチiMacの在庫がまるで無いということです。先日もさっさと購入を決めて正月はセットアップの時間を作ろうとも思ったのですが、全く何処にも在庫がありません。銀座などのApple直営店を除いて店頭展示品すらない状況。オンラインで注文しても発送は1月ということだし、待っている間にこちらの状況が変わってしまうことは十分に考えられるし、どうにも煮え切らない気分で悶々としていたりします。そんな気分でこれを書いているまさにリアルタイムのこの瞬間、…突如としてそれは降りてきました。

新しいMac miniでもいいんじゃないか?

 ここ数年間、すっかりその存在を忘れていたけれど、軽薄なMacという主旨で行けば、新しいMac miniは十分にその条件を備えています。この製品も毎年進化していく中で遂に光学ドライブを撤去し、どんどん薄く軽くなって来ているのはもちろん(最新型は電源も内蔵しながら、何とMacBook Airに肉薄の1.22kg)、CTOで最高2.6GHzの4コアもチョイス可能。この2.6GHzモデルのベンチを他機種と比較しているGeekbenchのランキングで見てみると、ミニでありながらかなり処理能力は高そう、何よりもまず現在所有のMac Pro(early 2008)のスコアを大きく引き離しています。その軽薄さで…。

 かつて僕はPowerMac G4 MDDモデルで限界を感じ、何を思ったかそこでメインマシンを初代Mac miniに置き換えました。性能的には若干劣るけれど、コンパクトなサイズと軽さは魅力でした。その後のモデルチェンジでApple最初のIntel Macとして再登場してからはPowerMac G4 MDDと同等の働きを見せたと思います。しかし次第にPro向けラインが進化してゆき、Mac miniのコンセプトゆえの拡張性の乏しさが目立つ事となり、やがてMac Proにチェンジ。しかし今回ここでまた十分な能力を備えるにまで進化したMac miniは、来年リリースが予定されているHaswellが6月まで遅れるとすれば「さらに新しいiMac」登場までの間の繋ぎとして採用するのもアリではないかと思いました。巨大デスクトップから最小デスクトップへのチクタク戦略、我ながら見事な振り子っぷりです。今や拡張性はThunderboltで十分にフォロー出来ますから特に不満もありません。それに何といっても消費電力がMac Proより少なく済むのは間違い有りませんし、SSDに換装すれば尚更でしょう(アイドル時でMac Proは139W、Mac miniは僅か10.4W)。まあ、実際にMac miniを選択することになるのかどうかは、新しいiMacの供給状況次第、もう少し様子を見てみようと思います。

軽薄なMacについて、次回は簡単なワットチェッカーを使用しての消費電力比較を予定。