連載第27回
2013年1月11日
さらに続けてSAMSUNG(サムスン)SSD 840 Pro 256GB

 おそらく、アップルの熱心なファンの中には、最近の主に「スマホ」を巡る法廷での熾烈な争いが話題になったことで、サムスンというブランドに何となく悪の帝国(まるでかつてのウィンテルのような!)…という印象を持っている人もいるとは思うのだけれど、個人的にはサムスンは良い仕事をしている企業だというイメージを持っていたりします。それはMacBook Airの内蔵SSDが、東芝製のものよりサムスン電子製の方がより高い性能を見せたり、また同じくMacBook Airの液晶ディスプレイでもLG電子製よりサムスン製の方がパッと見で分かる発色の良さを見せたり、またRetinaディスプレイ系でもいわゆる焼き付き等の不具合がより少なかったりで(LG製のディスプレイで焼き付きの症状が出て修理に出すとサムスン製に交換されて戻ってきます)、製造する品質の高さは十分に認められるレベルの物であると…だからこその訴訟争いなワケです。そんなサムスン電子が放つ新しいSSDが、前回のプレクスター「PX-512M5P」を抜いた、かもしれないと言われている「SSD 840 Proシリーズ」。Crucial m4 128GBが手狭になってきたので、一回り容量の大きい256GBのものを購入しました。

 この840 Proを購入する決め手になった要素は何か。やはり基本である読み書きスピードの速さ、セルの寿命、そして正規代理店を通した品物を購入した場合の保証の長さ、であるのはプレクスター「PX-512M5P」と同じなのだけれど、今回はそれらに加え「経験値を増やしておきたかった」という意図があります。

 かれこれ20年近くも回転系のハードディスクを使っていれば、どのメーカーのどの製品を選べばより後悔する確率が少なく済むとか、壊れそうな予兆があるぞ!とか、つまりはハプニングが起きても自分を納得させることが出来るだけの経験がイヤでも蓄積されます。しかしSSDに関してはそのような経験がまるで皆無なのです。まあ、初めてSSDを購入してからまだ1年も経っていないのですから当たり前なんだけれど、実は「まだSSDが壊れた場合の状況がどうなるのか何も知らない」というのが少し不安だったりするのです。一体どうなるんでしょう?
 聞くところによればSSDでの不具合が発生した場合(情報を蓄えるセルの不具合がある一定量を超えると)、SSDへの書き込みが禁止される…らしい。その場合でも、既に保存してあるデータを読み出すことは可能、つまりROM化してしまうワケで、それならかなりデータは救えるでしょうから安心なのですが、しかしセルが壊れる事以外の故障というのもあるハズ…。一体どうなるんでしょう?ちなみに「突然全く認識されなくなった」という電子機器お決まりの故障はチラホラ聞いたりします。

まずはともかくファームウェアのアップデート

 さて、通販で購入して品物が届いたらまずは何よりファームウェアの確認です。840 Pro到着時のそれをTrim enablerでチェックしてみると「DXM03B0Q」でした。サムスンからは840シリーズ向けに最新のファームウェア「DXM04B0Q」が12月16日にリリースされたばかりで、これは古いもの。というわけで今回もまたファームウェアのアップデート作業から始まるのでした。ちなみにWinマシン向けにはMagician Softwareというユーティリティが使えるのですが、残念ながらMac版は現時点でありません。なのでこれまで通りCDに焼く作業が必要です。

 最初、そのファームウェアをどこからDLすれば良いのか全く分からず、かなり彷徨いました。米サムスン・コムのサイトには製品ページに最新ファームウェアの告知があるのだけれど、購入した製品のシリアル登録だけでなく、別途ユーザーアカウントを作成しないとファイルをダウンロード出来ないようなのです。途中まで入力しましたが、やたらアカウントを作成するのはイヤなので中止。

 しばらく悩んで、よくよく考えればこれは日本販売元であるITGマーケティング株式会社取扱い製品なのだから、そちらのサイトに行けば良いのではないかと。そこでサイトのサポートページにアクセスしてみました。するとモデルコードとシリアルナンバーの入力フォームがあったので、購入したもののソレを入力すると、無事ソフトウェアダウンロードページへのアクセスリンクがある場所にたどり着きました(直リンクは禁止されているのでここでは貼りません)。また、並行輸入品などはサポート対象外で蹴られますので購入時はよく確認しましょう。

 落としたファームウェアバージョン1.0のISOを例の如くCDに焼きMacに挿入。起動直後にOptionキーを押してWindowsを選択します。

 適当にどれかキーを押します。スキャン開始。

 YESしかない。

 「ちゃんとバックアップはとったか、ホントにいいのか!?」と聞いてくるので冷静に「Y」を返す。

 まあ、Yしかありません。

 無事アップデート出来たようなので、Macを強制終了させます。

SSD 840 Proは何に使うか

 前回のPX-512M5Pはほぼ読み取りだけに使うサンプル音源データの保存用にしましたが、今回の840 ProはOSX起動用、さらに音楽制作の作業スペースにも使うつもりです。永く、ホントに永く続いた回転系ハードディスク時代にようやく決別する時が来た、そんなタイミングだったのかもしれません、2012年は。これはもちろん近い将来Thunderbolt搭載Macをメイン作業マシンにした際に、Thunderbolt経由でLaCie LCS-LB240TBのケースを繋ぎ、SSDをフル活用するための前準備みたいなものなのですが、そんな事を考えていたらもう5年落ちのMac Proをいじって壊しちゃっても大丈夫かもと出来心、お正月に紆余曲折ありながらもCPUをX5460 3.16GHz へ換装(お正月だしね!)。そしたら問題なく無事起動してしまって、あらら、これなら3月まではおろか6月以降の「さらに新しいiMac」登場までイケるんじゃなかろうか…。ようやく夢の3GHz超えを果たしたMac Proの4つある内蔵ベイのうち、3スロットがSSDに置き換わったという、気が付くと結構ゴージャスな状況になっていたり…。SSDネタ、もうちょっと続きます。