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フリフリのThunderbolt大作戦!

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フリフリのThunderbolt大作戦! ― 連載第31回

暖房機 Mac Pro Early2008 強化作戦:X5460 3.16GHz CPU換装(2)

2013年1月19日  

 前回に引き続き換装レポートその2。アレコレ撤去してかなりオープンになったところで、ちょっと前から気になっていたロジックボード上のボタン電池をこの機会に交換しておこうと思いました。普通に近所の100円ショップなどで売られている「CR2032」です。

 電池を上から押さえ付けているピンが結構固くて、思い切り反らそうとすると折ってしまいそうな感じなので、マイナスドライバーなどを用いて割と慎重に取り外しました。逆に取り付けるのは簡単です。
 昔のMacはこのようなボタン型電池じゃなくて、普通の電池をすごく小さくミニチュアにしたようなタイプの物だったのですが、当時のものは経年劣化すると液漏れしてしまい、ロジックボードが侵食されてダメになってしまう…というトラブルがよく起こったりしました。最近はかなり品質が向上したのか、そんなことも少なくなってるようです。ボタン電池の方は個人的に液漏れしたという経験はまだありません。

ネジを外す、ただそれだけのコトなのに…

 ではヒートシンクの方に話を戻します。2個のCPUの上にドカン!と鎮座している2台のヒートシンク。これらはそれぞれ4個のネジで留められています(グリーンの矢印の箇所↓)。素直にこれらを外せられれば、すぐCPUにリーチできて話は早いのですが、この「ただネジを外す」という些末な事が、実は今回一連の換装記事全体で最も要なトコロなのではないか、と思ったりします。

 ヒートシンク向かって左側の4個のネジはすぐアクセスできる場所に露出しています。なので、これまで使ってきた普通に市販されている六角レンチを使って簡単に取り外すことが出来るのだけれど…。

 しかし、向かって右側の内側にある2個のネジ。ここには何と手前にある中型のヒートシンク(レッドの矢印)が邪魔して全くアクセス出来ないのです。

 このレッドの矢印で指した中型ヒートシンク(↑)、これはCPUとは別の、おそらくコントローラーチップの類を冷却する為のものだと思うのですが、これ自体も4個のネジで留められています(写真では判りにくいけどブルーの矢印の箇所にあります↓)。
 これを見て「上からレンチを差し込めばいいじゃん」って考えるのは当然。僕も最初そう思ったのだけれど、この奥に留められているネジにリーチするには、六角レンチの軸長が「15cm!」ほど必要であることが判明。そしてそんな長い六角レンチなど、自宅には無いのです!

俺の六角探し


そして、軸長15cmな俺の六角探しが始まったのだった。
差し当たり、まずは手軽にネットで探してみようと誰しもが思うだろう。
俺もそうした。
しかし大切なものは、ネットで見つけることはできなかった。
ネットを捨て、街に出た。
電車に揺られ、ドン・キホーテを目指した。
以前、トルクスレンチ・セットを購入したことがあるのだ。
あそこになら、あるかもしれない。

 無かった。

日を改め、東急ハンズへ出向いた。
ずらりと並んだ色鮮やかな六角レンチ・セットの数々。ここなら、ある。

 無かった。

幾日かが過ぎ、今はもうすっかり様変わりしてしまった秋葉原へ数年振りに飛んだ。
かつて、あらゆるパーツやツールをそこで調達してきた
ヒロセテクニカルなら、きっと、ある。

 …無かった。

何もかもうまくいかず、八方塞がりで全ての目論見が外れ、
プランが頓挫し再び路頭に迷い出た俺は
軸長13.4cmで妥協してみた。
こんな世の中になっちまったけど、少しくらい短くても、
何故か不思議と歯車が噛みあってうまくいくことって
あるよな。

 そして購入したのがトラスコの六角レンチTSBR−40。この時、先端はボールポイント(完全な棒状のものではなく、くびれが入って玉型になっているもの)になっていて斜め25度まで傾いてもネジを回すことが出来ます。

 狭いところにあるネジを回したりする時には凄く便利なので、ボールポイント型のものをチョイスしましょう。ボール先端から青い取っ手の先っぽまで、つまり軸長はピッタリ13.4cm。

 それでは早速中型ヒートシンクの撤去に取りかかります。ネジはブルーの矢印で指した3ヶ所と、ヒートシンク自体の左向こう側にもう1個。見えてない向こう側のネジ、そこに届くのかどうか、それが問題だ。

ところが…。

 いざボールポイントをネジ頭に差し込もうとしたら、思いっきりサイズ間違えてた…。これはレンチが奥まで届くのかどうか以前の問題だ。ヒートシンクを留めているネジの六角対辺は3mmなのに、しかし購入したのは軸の対辺寸法4mmだった。爆沈した。

 一体、どうして4mmを購入してしまったのだろうか…。考えるに、六角レンチをあちこち探し回っていた最中は「軸長」のことばかり頭にあって、なるべく15cmに近い長さのものを発見すべく片手に巻き尺を持って寸法計ったりしてました。そうこうしているうちに、いつの間にか長さを優先するようになってしまって、その長さに何とか間に合うかなあ…と目の前にあったものが4mmだったのです。何という手落ち、何という愚かさ、対辺寸法が合ってなければ意味がないではないか。

俺の六角探し2

 そして状況はますます困難なものに。「太く長く」という方向はいくらでもあるのだけれど、工具において「細く長く」という方向へはなかなか行かないのではないか。勘違いして購入してしまった対辺4mmのものでさえ軸長13.4cmしかなかったのに、一回り1mmも細い工具がそれより長くなることはあり得ないような…。
 おそらく、精密機器製造関係とか整備工場関係などに伝手がある人は、そんなリーチのある特殊仕様の工具も入手出来るのだろうとは思うのだけれど(存在するのは確かです)、残念ながら僕の周りでその方面にコネクションのある人がいません。それに今回一度きりの使用にあまり高価なものは必要ありませんし。

 そんなこんなで再びネットで探していたら、同じトラスコの3mmで軸長10.7cmという商品「TTB-30」を見つけました。先のものよりさらに短くて使える可能性はより低いんだけれど、値段も手頃だし試してみてもイイかな、という軽い気持ちでとりあえず購入。

 届いた実物。まあ、先の青いレンチよりもさらに短い六角レンチ。今度は間違いなく対辺3.0mm。

 うむ、確かに3.0mm、ちゃんと嵌まる。先っぽもボールポイント型だし。

ところが、しかし…。

まるで届かねえ…、かすりもしねえ。

 まあ、目測15cmは必要とするところに軸長10.7cmのレンチが機能するなんていうことは奇跡でも起こらなければあり得ないわけで当然の結果ではあるのだけれど、しかしCPU側の巨大ヒートシンクのツラ(上面)からだと全く不可能ではあるものの、中型ヒートシンク側のツラからだともしかしたらギリギリ先っぽがネジ頭の穴に入るかもしれません…(↓)。

 御覧の通りグリーンの矢印で示した巨大ヒートシンク上からはとても届きません。しかし手前の中型ヒートシンクのツラ(レッドの矢印)から、ブルーのラインで示した45度弱の狭い空間を利用してチマチマ回せばイケるんじゃなかろうか。それを試してみるにはつまり…。

レンチの黄色い取っ手が邪魔なのです。

俺の六角、見つけた

 トラスコの六角レンチが黄色いハンドルを取り付けているのは純粋に親切心からであって、決して無駄なサービスを押し付けているのではなく、今回の場合はちょっぴり特殊な状況の中でそのハンドルが大いに邪魔になっているわけです。購入時、カタログスペックには「全長15.3cm、軸長10.7cm」とあったのですが、ということは、元々このハンドルが無ければ軸長は元来かなりの長さを有しているのではないかという読みがありました。邪魔なら取り除きましょう。

 まずは小学生的発想でカッターをガスコンロで赤くなるまで熱し、黄色いプラスチック部へ切り込んでいきました。しかし期待したほどの効果は無く、5mmほど食い込んでは熱が下がって溶けたプラスチックが固まり始め刃が止まってしまう、そんな動作を幾度か繰り返した後、かなり腕が疲れてきました。まだかなり時間がかかりそうだし、ガス代も何となく気になります。それより何より部屋に充満する異臭がひどい。近所から苦情がきそう。閲覧注意:以下数点、バイオレンスな画像が続きます。

 作戦変更、ここに取り出しましたるは剪伐用のノコギリ。まるでテキサス・チェーンソーの様相。ハンドル左側にカッター作戦の名残が見えます。

 

 右側ザックリといったった。包まれていたレンチ本体は一般的なL型でした。T型だったらどうしようかと思った。

 左側には中心にレンチが通っているため、ノコギリの刃がこぼれてしまいます。ここで突然スコップ登場(一体僕は何屋なんでしょうか)。

 レンチの周囲をぐるりとある程度の深さまでノコギリで切り進んだら、スコップをテコ代わりにして、緩んだプラスチックを軸に沿って引き抜きます。
 

残りの欠片を取り除いて!

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きら〜〜〜ん

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 なんと奇跡が起こりました。軸長たった10.7cmしかなかったレンチが軸長14.1cmに伸びたのです(伸びません)。15cmには満たないけれど、これだけあれば何とか中型ヒートシンク上での「45度チマチマ回転大作戦(仮)」が決行可能かもしれません。パート3に続く!


たかが六角レンチネタでここまで引っ張ることになるとは自分でも思っていなかったのですが、この遠回りがあってこその次回いよいよCPU交換です。ここまで苦労した甲斐あってCPU交換は拍子抜けするくらいに簡単。

ーー 追記(2013.6.26)ーー

記事投稿から半年…ついに余裕の軸長20cmもある品物を見つけてしまいました。「SK11 T型ヘキサゴンレンチ3mm」がそれです(↑)。当時はホントに苦労してようやく手にした俺の六角レンチですが、長さが20cmもあるこのレンチならヒートシンクの留めネジにあっけなくリーチ。簡単に取り外すことが可能です。もっと早く出会っていれば。オススメ!