連載第43回
2013年4月28日
Universal Audio apollo Thunderbolt化(作戦は音楽のために)

 iMacを中心とした我がアパート作業部屋のThunderbolt化も遂に最終。最後に残ったのはオーディオIFのUniversal Audio「apollo」です。昨年8月に書いた導入記事の時点ではまだ「Thunderbolt対応予定」だったのだけれど、この度ようやくオプションであるThunderbolt拡張カードを値上がり価格改定直前に購入。新しいiMacでは、これまでAppleのThunderbolt to Firewire Adapter(MD464)を介してFireWire800ケーブルを使い接続していました。それでも意外に気になるような遅延もなく問題なかったのですが、今回のカードを増設すればシンプルでスマートでホワイトなThunderboltケーブルで作業環境を構成できるし、さらにapolloをもう1台増設してスタッキングすることも可能になるし、今後ハイレゾがトレンドになって、より負荷のかかるプロジェクトを組むことになっても、FireWire800よりは格段に広い帯域によってストレスを感じることなく作業に没入出来そうです。それもこれも、Thunderbolt大作戦は全て音楽作り(趣味だけど)のために発動されたのですから。

増設は簡単

 箱からカードと六角レンチを取り出します。たかがThunderboltに対応させるためだけの拡張カードが、値上がり前であってもどうしてこうも高額になるのか?と思っていたのですが、想像以上にカード基盤上の密度が高くて驚きました。Thunderboltカードは2台のapolloを連結されて使うのに必須らしいのだけれど、先日発表になった新製品の「apollo 16」はこちらの要望にドンピシャな仕様であるものの、僕が持っているこの「apollo」とはスタック出来ないという…apolloシリーズとして互いに拡張し合えない仕様ってどうなんでしょう??

 apollo本体背面にある裏ぶたを外して、スロットにカードを挿し込むだけで増設完了。すこぶる簡単。ただし裏ぶたを留めているネジの六角穴が浅くてレンチとの相性がイマイチで、しっかり差し込んでから回さないとナメてしまう危険がありそう。ネジは使い回しになるので注意。

 まだまだ高価とは言え、登場時からはグッと値段の下がったThunderboltケーブルも買い増しします。特にApple純正である必要はないので、今回も住友電工 Thunderboltケーブル (1.5m, 白)をチョイス。以前プレスリリースで紹介されていた細径タイプのケーブルになっているのかしら、と期待したのだけれど、まだ現在市販されているのは以前のまま4.2mm径のようです。しかしこれだけの帯域を持つケーブルがこれだけ扱いやすくなっているのはやはり驚き。一昔前なら、とても太くて取り回し難いケーブルなっているところです。よい時代になりました。この調子で市販されている各種液晶モニタもThunderboltに対応してくれると、さらにケーブル周りがスッキリして良いのですが、あちらの方(Windows PCな感じ)の多くは未だThunderboltに消極的なようなので、まだまだ世間一般に普及するには時間がかかるというか、普及しない可能性もあったりして。

 増設を終えラックに収納し、Thunderboltケーブルを接続した状態です(↓)。外部ワードクロックはまだ導入してません。当分インナークロックで。

作戦は音楽のために

 果たしてThunderboltオプションカードを増設したことのメリットは何処にあるのか。実際のところ、現状ではFireWire800の上限には達していないのでその恩恵は無いのですが、しかし今後ハイレゾ音源が当たり前の時代になるであろうと予測される中で、例えば24bit/96Kへプロジェクトを移行した場合、FireWireだとすぐに帯域を使い切ってしまうことは十分に予想出来ます。挿入出来るプラグインの数にもより厳しい制限がかかってしまうでしょう。ちなみにFireWire800接続でのControl Panelではこのように帯域メーターが表示されるのですが、何もしていない状態でもこれだけ振っています。

 Thunderbolt接続に切り替えると、FireWireのタブは消え、帯域メーターも無くなります。ストレスフリー!

 主に経済面で最後の砦だったUA apolloも思い切ってThunderbolt化しました。これで主立った周辺機器はThunderbolt化完了。Thunderbolt大作戦関連記事は残すところFusion Drive解除ネタと、消費電力ネタの2つを更新するのみになります。後はただひたすらに音楽作りに没入して音との戯れを楽しむだけです。作戦は音楽のために。