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フリフリのThunderbolt大作戦!

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フリフリのThunderbolt大作戦! ― 連載第44回

新しいiMac内蔵の "Fusion Drive" 設定を解除(分離)する【前編】

2013年4月29日  

 時間が経つのは本当に早いもので、もう昨年の10月下旬の事になるのだけれど、新しいiMac発表の際にフィル・シラーが新機能として紹介した「Fusion Drive」というモノ。講演の簡単な説明で、それが128GBのSSDと従来の回転系HDの組み合わせによって実現されていることや、読み・書き共に非常に高速に動作するらしいことは分かったのですが、詳しい内部の仕組みについては未だ謎の部分が多いらしく、iMacやMac mini発売以降、どうやらユーザーが自由にコントロール出来る物ではないらしい…ということが次第に判明してきました。

 SSDとHDを組み合わせるという発想自体は他のメーカーも以前から試みていたりして、特別目新しいワケではなかったのですが、個人的には物理的に全く異なる2つのデバイスを組み合わせるという事に強い違和感を覚えたりして「自分から積極的に使いたいとはまるで思わないなあ…」と当時から感じていたりしたのです。

 何せ、これまで幾度となく突然の故障に見舞われてきた、およそ過大な信頼を置くべきでない回転系HDをSSDとガッツリ組み合わせてしまったら、そのどちらかが壊れた場合データの復旧は余計困難になるのではないか。リスクを分散させるどころか、足して倍にしちゃうのはちょっと気持ちが悪い。あぁ分けたい、分離したい。

 しかし自分の感覚的意見が他人にも共感されるだろうという淡い妄想はたびたび裏切られるもので、意外にも世間一般においてFusion Driveの評判は上々の様子。SSDの速さに近いパフォーマンスで、動画などの大容量のファイルも扱えるとくれば、当然ながらそれは非難の対象にはなかなか成り得ないのは理解出来ます。ネットでは個人で用意したSSDとHDを使い、自前でFusion Driveを積極的に構築して楽しんでいる多くのユーザーがその工程を記事にしてアップしていたりもするほど。

それにまつわるいくつかの謎について

 iMacの発売開始当初に書いた記事を読み返すと、その頃から内蔵ストレージの組み合わせをどうチョイスするのが良いか悩んでいるのが読み取れます。Mac ProでSSDを体験してからというもの、回転系HDはあくまで大容量データの物置として、起動ドライブや(可能なら)作業用ドライブはSSDを使うのが良いだろうという思想にチェンジしたからです。そんなワケで、新しいiMacに期待していたベストのストレージ・オプションは「128GB SSDのみ」という慎ましいものだったのですが、残念ながら最低でも1TBの回転系から、ということになってしまいました。それらの選択肢から一体どれを選ぶべきなのか?

 「どうすべきなのか?」と自分に問うためには、まずFusion Driveなるものの正体を調べておかなくてはなりません。発表時の基調講演ビデオ内でスクリーンに上映されたiMac内部図から、Fusion Driveは新記憶デバイスとして単体で存在するのではなく、物理的に別個のSSDとHDをソフトウェアで統合したものであることは推測出来ました。さらに確証を得るため、海外のiMac分解レポートのスレッドを眺めてみました。

21.5インチiMacの分解レポート

 そこでは最も簡素な1TB搭載モデルを分解して、SSDに換装する工程が紹介されているのですが、スレッドを読み進めて行くと、iMacのロジックボード上にはオプションでSSD増設が選択された場合に用いるmSATAのスロットが備わっていて、そこにユーザー自身がSSDを追加する過程も紹介されていました。

SSDを追加する様子

 とりあえず上記のユーザーのように後からSSDを追加した場合、いろいろありつつも最終的にそれぞれ別個のボリュームとしてマウント可能だったという事実はかなり貴重な情報でした。
 そして次にAppleのサポート情報を調べてみると、また興味深いことが分かりました。

Mac mini (Late 2012) and iMac (Late 2012):Fusion Drive について

 つまり、CTOでFusion Driveを選択した場合に添付されるディスク・ユーティリティと、回転系HDのみの場合に添付されるそれとは微妙に仕様が異なっていて、Fusion Driveをコントロール(構築)するためにはそれ専用のディスク・ユーティリティが必要ということらしいのです。また、出荷時にFusion Drive設定された回転系HD上には、後からユーザーが任意でFusion Driveから切り離された別個のボリュームとしてパーテーションを切ることが可能らしい事も分かりました。しかしここでの僕の関心は、その専用のディスク・ユーティリティを使えばSSDとHDを「物理的に」分けることが出来るのか否か?の一点のみ。でも世間一般がほぼ「Fusion Driveの解除」には無関心であることから、結局その方面のトピックで参考になりそうなものは見つけることが出来ませんでした。

そんなこんなでとりあえず1TB Fusion Drive版チョイス

 そして確定的な情報を得ることの無いまま、直前までかなり悩んだのですが「そんなに心配しなくても、割と簡単に分離出来ちゃうんじゃないの?」みたいな楽観的態度で1TB Fusion Driveオプションをチョイスしたのは先日の記事で書いた通りです。しかし、その能天気なラテン・ノリも膝ガックンと来るくらい、相手は手強いヤツでした…。後編につづく